一週間後、合格の電話が自宅にかかってきてオーディションの場所と時間を告げられた。
そこで貴寛は初めて親にその話をした。
厳格の母親は学業がおろそかになるのではと多少心配したが父も母も息子が同じ芸能界に興味を持ったことに喜んでる一面もあった。

母「ジャニーズってあれ、すごいたくさんいるんでしょ、大丈夫なの?」
貴寛「大丈夫だよ。挑戦したいんだ」
優しく微笑みかける父母であったが、2人には気がかりなことがあった。
それはもちろん自らの芸能界に通った名が貴寛を助けるがいずれ苦しめもするかもしれないということだ。
しかしそんなことを本人に告げてもバツが悪くもどかしい気持ちで貴寛を送り出した。

駅で裕太と待ち合わせいた。彼も無事書類審査に受かったのだ。
オーディション会場は殺伐とした空気に包まれていた。
照明がついてるにもかかわらず薄暗く感じる広々したスペースに15歳以下であろう男子が100人以上はいた。
裕太「貴寛、全員ライバルだ、友達作ろうとか思うなよ?」
貴寛「別に思ってねえよ」
審査はいたって単純なものだった。すでにジャニーズ入している先輩がいきなりなり始める音楽に合わせて踊る。それに100人が見よう見まねで10分間踊り、それを審査員が合格者から声をかけていく。
ダンスは基本シンプルであったから100人の挑戦者に差はないように見えたが、次々と声がかけられていた。貴寛と裕太はまだだ。
残り2分のところで隣にで踊っている裕太が肩を叩かれた。
貴寛は内心少し落ち込んだそのときだった。
審査員「お前みたいにたるんだやつははじめてだ!バカにしてんのか!」
裕太「、、え、」
辺りは明らかに空気が悪くなったが音楽とダンスが止まることはなかった。ただ裕太だけが棒立ちだった。
審査員「帰れ!!」
裕太の顔が青白くなっているのが横目でも貴寛にはわかった。
そして裕太はそこを出た。
そしてその約1分後、貴寛は審査員に呼ばれた。合格だ。
その日はそれで終わり貴寛は急いで裕太を探した。会場の駐車場でぼーっとする裕太がそこにいた。
裕太「俺、ガム噛んでた」
自首するかのように突然貴寛にそう告げた。

芸能界の厳しさ、というものをはじめて実感した貴寛は1人で戦地に投げ込まれたのだった。
貴寛はとりあえずこれから毎週土曜日はジャニーズのレッスンに通うことになった。

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 次回! 新章突入! 男の戦地ジャニーズ界篇