バクマン
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『週刊少年ジャンプ 』(以下『WJ』)2008年37・38合併号より連載を開始。大場・小畑タッグでの作品は前作『DEATH NOTE 』から2年ぶりとなる。漫画家 を目指す少年を主人公としており、連載開始号の巻末コメントで大場は「比較的地味な内容になると思う」としている。タイトルは小畑の発案で、「漫画の『マン』を入れたかった」とのこと[2] 。話数の単位は「○ページ」。サブタイトルは「○○と○○」。
2010年12月時点で600万部を売り上げている[3] 。
- リアル志向
- 本作では多くの漫画関係の固有名詞が実名で使われている。まず、作中で主人公達が漫画を持ち込む雑誌は連載誌である「集英社 の『週刊少年ジャンプ』[4] [5] 」であり、『WJ』掲載作品は『ドラゴンボール 』[6] ・『ONE PIECE 』[6] 等と多くの作品が登場している。こうした実名は集英社関係に留まらず、『あしたのジョー 』(『週刊少年マガジン 』講談社)[7] といった他社の作品も登場している。また、『WJ』で活躍経歴のある漫画家たちの名前も登場する。『WJ』特有のシステムであるアンケート至上主義、専属契約制度についても詳しく説明されており、現実の『WJ』に忠実に沿っている。
- 登場する編集者の人名も、服部哲(服部ジャン=バティスト哲)、雄二郎(服部雄二郎)、キム(金成圭 )、相田(相田聡一 )、中野(中野博之 )、吉田(吉田幸司 )、大西(大西恒平 )、そして副編集長の矢作(矢作康介 )と瓶子(瓶子吉久 )および編集長の佐々木(佐々木尚 )と、現実の『WJ』編集部の編集者をモデルにしていることがうかがえる。ちなみに現実の編集者・服部雄二郎も作中の雄二郎と同じアフロヘアー [8] [9] [10] である。
- メディアミックス
- 2010年10月より、NHK教育テレビジョン にてテレビアニメ が放送されている。
- 『マンガ・エロティクス・エフ 』及び古屋兎丸 とのコラボレーション[11] 、登場人物の描いた漫画を小畑健がポスターとして『赤マルジャンプ 』に掲載するなど、『WJ』の中ではかなり異例の作品となっている。
- その他
- 単行本第1巻は、15万部以上を売上げ、オリコンチャート 初登場4位を記録した。
- 宝島社 「このマンガがすごい! 2010」オトコ編1位作品。2010年度マンガ大賞 では3位にランクインした。
- 2009年4月17日放送の『サキよみ ジャンBANG! 』で特集として取り上げられ、実際の編集部や編集者が放映された。
注意:以降の記述でバクマン。に関する核心部分が明かされています。 →[記述をスキップ]
あらすじ
舞台は埼玉県谷草市、中学3年生の真城最高(サイコー)は、高い画力がありながらも将来に夢を持たず、ただ流されて普通に生きていくだけの退屈な日々を送っていた。そんな最高の叔父は、かつて週刊少年ジャンプに連載し、その作品がアニメ化もされた漫画家川口たろうであったが、連載打ち切りとなり、その後の過労により亡くなった過去があった。
ある日、些細な出来事をきっかけに、秀才のクラスメイトで原作家志望の高木秋人(シュージン)に、「俺と組んで漫画家にならないか」と誘われる。はじめは一緒に漫画を描くことを拒絶していたが、声優を目指している片思いのクラスメイト亜豆美保と、「アニメ化したら結婚する」と約束したことから、漫画家への道を志すことになる。
二人三脚で苦労しながら完成した初めての作品を、偵察がてら乗り込んだジャンプ編集部に持ち込みをした二人は、敏腕の編集者 服部哲と出会い、漫画家としての資質を認められる。そんな二人の前に、同年代で型破りの天才プロ漫画家「新妻エイジ」が現れ、互いにライバルとして切磋琢磨することになるのであった。
登場人物
主人公
主人公である2人は、「亜城木夢叶(あしろぎ むと)」のペンネームで漫画家として活動している。命名は香耶で、「亜豆と真城と高木の夢を叶える」という意味が込められている。福田真太が(自称)リーダーを務める福田組の一員でもある。
- 真城最高(ましろ もりたか)
- 本作の主人公 。漫画の絵 を担当。通称サイコー。初登場時の年齢は、中学3年生の14歳。初連載開始時には高校2年生。小柄で、藍色 がかった髪をしている。
- 画力はかなりのものであり、かつては叔父の信弘に憧れて漫画家を目指したこともあったが、小6の時に信弘が亡くなって以来、その夢も捨てていた。だが中学にて、シュージンから「一緒に漫画を描いてくれ」と誘われ、初めは渋っていたものの、亜豆とアニメ化に成功したら結婚するという約束をして真剣に漫画家への道を歩み始めることになる。
- 恋愛に関しては、携帯小説 などの恋愛描写には冷ややかな反応を示す反面、自身はシュージンが引くほどのロマンチストである。
- 亜豆との約束を早く果たそうと作品の連載化を焦っている節があり、結果 「疑探偵TRAP」の連載中に過労で倒れ入院している。それでも「治療に専念すべき」という周囲の忠告を無視しようとする強情な面があるため、編集部ではトラブルメーカーと思う者もいる。
- 作画に関してはやや劇画チックな作品を描くのが得意である。その反面、ストーリーを考えるのは苦手でシュージンとのコンビが一度決裂した際には1か月で1つのネームを完成させることも出来なかった。
- 高木秋人(たかぎ あきと)
- もう1人の主人公で、サイコーのクラスメイト 。通称シュージン。長身茶髪 で黒縁眼鏡 をかけている。初登場時の年齢はサイコーと同じく14歳で、初連載開始時には高校2年。音楽 好きでヘッドフォン を付けている事が多い。
- 学校トップの成績を誇るが、漫画家になりたいという夢を持っていて、中学時代にサイコーの絵に惚れ込み、漫画家の道に誘った。
- ストーリー及びネーム を担当している。反面、作画はド下手なため、本番ネーム等はサイコーに清書を頼んでいる。
- 少年漫画の王道(ドラゴンボール やONE PIECE のようなバトル中心の作品)から外れたタイプの作品(本作では自虐を込めて“邪道 ”と呼称)に特に力を発揮する。実際に「この世は金と知恵」は編集部およびエイジからも高い評価を受ける。
- 2回目の連載作品となるギャグ漫画『走れ大発タント』をサイコーと連載するようになり、高校時代から付き合っていた見吉と結婚した。2人は岩瀬や蒼樹との接触からその仲が拗れそうになったこともあるなど紆余曲折があったが、「次に連載(『走れ大発タント』)が決まったら結婚する」という条件の下、別れずに済んだ。尚この一件で、亜豆と見吉、蒼樹の間に友情が生まれている。
ヒロイン
- 亜豆美保(あずき みほ)
- サイコーの中学時代のクラスメイトで、彼が想いを寄せる小柄な少女。彼女自身も小4の時にサイコーが描いた絵が展示されているのを見た時から彼のことが好きだった。ルックス の良さはシュージンも認めている。非常に恥ずかしがり屋だが、声優 志望で、レッスンに通っているプロダクション からは筋が良いとも言われているらしい。美奈という妹がいる。
- サイコーとシュージンが描いた漫画がアニメ化したらその声優をし、サイコーと結婚するという約束をする。当初は夢がかなうまで2人の接触は避け、メールで励まし合うだけの関係で通すという条件を付けたが、過労で倒れた時は見舞いに来るなど、積極的にサイコーと接していくようになる。
- 中学卒業後に八王子市 に移った後デビューし、深夜枠のアニメでレギュラーも取れるようになり、順調に声優としての道を歩んでいる。現在は自力でいくつものオーディション を受け続け、端役 ながらも声優の仕事は与えられている。
- 見吉香耶(みよし かや)
- サイコーたちの同級生で、亜豆の親友。中学時代に空手 やボクシング などをしており、運動神経は抜群だが小柄。シュージンに好意を抱いており、後に強引にシュージンと付き合い始める。
- シュージンに携帯小説の代筆を依頼するなど、少々突飛で短絡的な面もあるが、作中最も等身大のキャラクター。
- 少々短気かつ押しの強い性格であるが、親友の亜豆やサイコーとシュージンを想う気持ちは本物で、サイコーからは「基本いい奴」と言われ、サイコーたちの仕事場にも出入りすることを認められている。
- 亜城木夢叶を漫画家として成功させることを自分の夢と決め、2人のアシスタント のような形で、炊事や資料整理などに協力する姿勢を見せるようになり、2人が本格的に連載を持った後も、ベタ塗りや雑用などでアシスタント陣に参加している。
- 仕事部屋を掃除している時に、岩瀬がシュージンにあてた手紙を発見し、さらにシュージンが黙って蒼樹と意見交換をしていた事が原因で彼とのすれ違いが生じるが、彼のプロポーズに同意し和解、その後「タント」の連載決定を期に結婚し高木香耶になる。
漫画家・アシスタント
- 新妻エイジ(にいづま えいじ)
- 福田組の一員。『WJ』で10年に1人の逸材と言われている、新鋭の天才漫画家。青森県 出身。初登場時は高校1年で、サイコー達より1年上。黒のスウェット に羽ぼうき を何枚も背中に刺した格好が特徴。
- 6歳の時からペンを握っているためその実力は相当なもので、デビュー前から毎月作品の投稿を行っていた。対人関係にほとんど無思慮、終始「漫画を描く」という世界に浸っている、いわゆる“変人”であり、擬音 化された効果音 を口走りながら漫画を描く癖がある。
- 初登場時に連載のために上京する条件として、「自分が『ジャンプ』で一番人気の作家になったら、自分の嫌いな漫画をひとつ終わらせる権限」を『WJ』の編集長に要求する。編集者にも年下の新人である亜城木に対しても丁寧な敬語で接しており、やや慇懃無礼のきらいもあった。担当編集者にJR吉祥寺駅 南口に程近いマンション を借りてもらい、執筆を行っている。かなりの速筆であり、ネームは一日、原稿は二日で仕上がるらしい。
- 自分の作るキャラは考えなくても勝手に動くという「天才タイプ」の漫画家である。しかし、それゆえに「読者をどんな方法で楽しませるか」などといった計算面での技術は彼の唯一の弱点でもあった。それを福田に指摘されてからは、ネーム作りや担当編集者との打ち合わせも真面目にするようになったという。また、金未来杯 で発表された作品の人気順位を正確に当てるなど、他人の漫画を見る目もしっかりしている。
- 亜城木の作品を「自分には思い付かない」などと高く評価している。年下の2人を「亜城木先生」と丁寧に呼ぶが、しかしながら、漫画家同士の友情と仕事は別物とはっきり割り切っていて、仕事の上においてはあくまでもクールでシビアである。「+NATURAL」の連載開始を福田達に問い詰められた際には「文句は勝ってから言え」と言わんばかりの態度をとった。また、第一回キャラクター人気投票では1位を獲得している。
- 福田真太(ふくだ しんた)
- 福田組の(自称)リーダー。銀色の長髪で、部屋の中でもニット 帽をかぶっている青年。広島県 出身。初登場時の年齢は19歳。長身である。
- 高校を出た後、漫画家になる夢を抱いて上京し、夢を実現させるかフリーター で終わるかの「一か八か」の追い込まれた生活環境の中で、アルバイト を掛け持ちしながら『WJ』での連載を目指していたらしい。生活費のためにエイジのアシスタントを長く続けていたこともあり、個性の強い新妻と付き合うことのできる数少ない人物。
- 短気で怒りっぽく編集者からは生意気な性格と見られているが、面倒見のいい性分のためか、サイコーと新妻からは深く慕われ、蒼樹の面倒もよく見ている。
- 自分と新妻と亜城木(サイコー&シュージン)および後述の中井巧朗(のちに蒼樹紅と平丸一也も)を合わせて、“福田組”と称し、彼自身はそのリーダーを自負している。「TRAP」休載の際は編集長の一方的な主張に腹を立て、自身が先頭に立って福田組や平丸と一緒に連載をボイコット したり、性格や価値観がほとんど合わない蒼樹にも漫画表現のアドバイスをするなど度量も大きい。
- 得意な作風は、過激な描写が多いバイオレンス 系のバトル物で、「少年漫画はもっと不健全な作品がいっぱいあってもいい」「PTA を敵に回すくらいの方が面白い」などといった自論を主張している。画力は特別に高い方ではないが、彼の荒々しいストーリーには適している画風らしい。ちなみに、萌え系が好きという意外な一面があり、彼が『ジャンプ』で一番好きな作品は「To LOVEる -とらぶる- 」で、「男の漫画だ」と語っている。
- 中井巧朗(なかい たくろう)
- 福田組の一員。新妻エイジのアシスタントをしながら連載を目指していた、遅咲き の新人漫画家。秋田県 出身。初登場時の年齢は33歳で、初連載開始時は35歳。無精ヒゲの生えた小太りの小柄の男性。
- 12年にも渡って数多くの漫画家のアシスタントを続けるベテラン。背景画や効果線などを描く技術は一流で、画力・器用さには定評があるが、反面、オリジナルのストーリーやキャラクターを作ることは苦手で、自作のネームも編集部からはまともに見てもらえず、連載を取る夢はほとんど絶望視されていた。しかし亜城木や新妻、福田らと会ったことで刺激を受け、再び連載を目指す。その後蒼樹と組んで初めて連載漫画を持つことになる。
- 蒼樹に対しては打ち合わせでの初対面時から熱を上げ、彼女に身を挺したアプローチをかけるが、連載終了と共に振られてしまい重度の鬱状態に陥った。しかし目移りしやすく、後に高浜のアシスタント仲間となった加藤に一目惚れし、熱をあげるようになる。
- そのせいで再連載の目標を放り投げ、『若葉の頃』連載にあたってのコンビ再結成を提案した蒼樹に対し横柄な態度を取った。その結果、年下好きの加藤に振られた上、蒼樹にも愛想を尽かされた事で自分の言動に自己嫌悪した挙句、高浜の連載終了決定を期にアシスタントも無責任に放り出し漫画家を断念、農家を営む実家を継ぐため故郷へ帰った。
- 蒼樹紅(あおき こう)
- 福田組の一員。『WJ』には珍しい女性作家。本名は青木優梨子(あおき ゆりこ)。初登場時の年齢は20歳。 泣きぼくろ が特徴の美人で、サイコー曰く「岩瀬(後述)に少し似ている」。東応大学[12] に進学しており、大学院 に進みながら漫画を描いている。漫画家の道が駄目だった時のために、教員免許 も取得している。その容姿から男性にアプローチをかけられる事が多いが、恋愛経験は全く無いとの事。
- 以前は『マーガレット 』で少女漫画の読切を執筆していたが「この手のファンタジー なら少年誌でやった方が良い」という編集部の誘いを受け『WJ』に移籍することにした。しかし、画風は少年漫画向きではなかったため、原作者に方向転換し、 大学2年の時にストーリーキングのネーム部門で準キングに入賞している。
- 性格は生真面目で他人に心を開くのが苦手な故、クールでプライドが高いと見られる事もある(本人も自覚している)。“福田組”、特に福田に対しては抵抗感を持っていたが、彼らとの出会いを通し徐々に内面に変化が現れ始めた。普段は知的な物腰だが、少し天然ボケな一面も目立ち始めている。
- シュージンとは『青葉の頃』のストーリーにおける「男性の気持ち」を聞く相談相手で、中井との決別による男性不信のなかでも唯一信頼できる男性として何度か電話をするうちに徐々に惹かれていくも、香耶の存在を知っていたため恋愛感情は自制していた。また福田とも同作のパンチラシーンのアドバイスを受けている。また関係が壊れたとは言え『hideout door』を共に手掛けた中井は、彼女が『ジャンプ』で活動を継続するきっかけを作った人物である。
- かつては漫画に対してサイコー達と全く反対の価値観を持ち、亜城木や福田の作品は「少年誌向けではない」と嫌う一方、サイコー達の好みではない間界野昂次の作品を讃美していた。
- 『hideout door』終了後は、中井とのコンビを解消、少女漫画誌に戻ろうとしていたが、山久に半ば強引に引き止められる形で、少年漫画を一人で描くようになる。
- 平丸一也(ひらまる かずや)
- 福田組の一員。『WJ』班長の吉田が担当している異色の新人。極端につり上がった鋭い目をしている、黒い長髪の男性。初登場時の年齢は26歳。世の中に対して屁理屈ともいえるアンチテーゼ 的な持論を持っていて、新妻にさえ「変わってて面白い」と言われるほどの変わり者。
- 元は漫画とは無縁のサラリーマンだった。スクリーントーン も知らないなど、漫画に関する知識は皆無だったにもかかわらず、全くの独力で漫画を描き始め、1ヵ月後に初投稿した「ラッコ11号 」がいきなり月例賞(トレジャー)の佳作に入賞、さらに連載に繋げるなど、驚異的な才能を持った天才と言える。
- 単に嫌いな会社勤めから逃れる手段として漫画を描く道を選んだだけのことで、本人はできることなら働かずに暮らしたいと考えている模様。連載開始後も、予想以上にハードな漫画家生活が嫌になり、仕事場からの逃亡や失踪を繰り返すが、担当の吉田には監視付きで仕事をさせられている。女性に対してはかなりの面食いで蒼樹、岩瀬、亜豆が好みのタイプ。