世の中の理不尽というものを知った。

上の階の住人が水道を流す。その音が、やけに大きい。深夜、眠りについているときに限って、それは鳴り響く。何度も、何度も、それで目を覚ました。耳栓をしても無駄だった。


訴えても「わかるよ、でもどうしようもない」と言われるばかり。何もしてはくれなかった。結局、引っ越すしかなかった。


次に選んだのは鉄筋コンクリート造の物件。安心できると思っていた。けれど、現実は違った。壁越しに隣人の声がはっきりと聞こえる。それは木造や軽量鉄骨と変わらないほどだった。


だから学んだ。自分の耳で確かめるしかない。壁を叩き、その厚みを感じ取る。不動産屋が「大丈夫です」と言っても、言葉を鵜呑みにしてはいけない。信じてしまった結果が、この暮らしなのだから。


結局、自分を守るのは自分しかいないのだ。