幼稚園の頃、おゆうぎ会というのがあった。
近年よく聞く話として、
「なんでウチの子が主役じゃないの」
「なんでうちの子にピアノを弾かせないのか」などなど、ちょっと信じられない話があるみたいだけど、
そんなこと言っちゃう親が子供の頃は有無を言わさずどんな配役もこなすしかなかった。
けしごむも幼き頃、
配役に泣かされたひとり。
みにくいあひるのこ を演じることが決まり、皆わくわく。
あひるさんの格好を真似したり
配役前にテンションも上がりぎみ。
そして忘れもしないある日の午後。
配役が発表されるのかと思いきや、
字がまだよく読めない子どもたちに
突然に本読みを開始した先生が
けしごむに言わせるセリフといったら
どこか老けており、
いっこうにあひるちゃんらしくないのだった。
はて?
これは何の役なのか。
寺山修司並みの知的な演技指導が何日も続き、結果的に判明した役は、あひるを産む母鳥の役だった。
若干、6歳で何羽も何羽も鳥を産み、
さぁ泳いでみなさい
さぁついてきなちゃい
さぁさぁわたしのいい子たち。
こんなセリフを冒頭5分以上の長ゼリフに封じ込め、幕開けからパクパクしゃべらされる。
わけがわからなくともとにかくやれ!
全部を出しきれ!
完全燃焼だ!
そんな事を教えられたのだった。
それから、水辺を泳ぐ鳥たちや
なんとか湖に浮かぶ鳥のボートにさえ、
あの日の事を思い出すのだった。
前置きが長くなったが、
この日もまた思い出した。
だいぶ前だけど、ゲストはこのお二人。
女装でバレエを披露するこのお二人。
素晴らしいパフォーマンスであるが、
けしごむにとっては、
あの日を思い出したまま見つめた
約30分間だったのだ。
そう。ぼーっとしたまま、
あの日を思い出していた。
あれから、すっかり大人になったけど
何が変わっただろうかと
ぼーっとした時間だった。
【本日の消しゴム】
あひるちゃん。