保育士になって、驚いたことの一つに、子どもがこんなにもかみつくのかということがある。
一番多いのが、1歳児クラスである。
つまり、2歳になる子たち。
15人のクラスで、1人~2人くらい、20人のクラスだと、3人くらいいることがある。
かみつかないけど、ひっかき専門の子もいる。
実は、ひっかきよりかみつきの方がいい。
かみつきは、相手の腕が多い。
それに対し、ひっかきは顔がほとんどである。
顔にかみついた子も、過去にいるにはいたが、ほとんどない。
これも保育士になるまで知らなかったのだが、ひっかき傷は痕に残りやすい。
私は、男尊女卑の思想は全くないのだが、女の子の保護者の方が、敏感なのは間違いない。
ひっかきで、皮膚科を受診したケースも多い。
一般的に、かみつきやひっかきを含む相手に手が出る行動は、言葉がまだ発達していなくて、自分の思いを言葉で表せられないから、手が出ると言われている。
実際に、2歳児クラス以降は、基本的に、かみつきやひっかきは減っていく。
とはいえ、今担任している3歳児クラスでも、さすがにかみつくことはなくなってきたが、たたく、押すは、年がら年中だし、ひっかきもまだある。
以前担任したクラスでは、5歳児クラスに、かみつく子がいたことがある。
そして、不思議と、やられる子は、いつも同じ子だったりすることがある。
しかも、だいたいそういう子の保護者は、気にする親だったりする。
私の保育園がある区では、受診をした場合は別だが、基本的に、かみついた方の保護者には、かんだことを伝えていない。
ただ、あまり繰り返す場合は、かんだ子のかむ原因を探るために、伝えることはある。
なので、かまれた子の保護者にも、誰にかまれたかは知らせていない。
「誰がかんだんですか」、「二度とかまれないようにしてください」などと言われるのは、園で起きたことなので、こちらに責任があるとはいえ、ブルーになる。
保育園では、かまれないように、ものすごく気をつけている。
かむ子とかまれやすい子を、別室で保育したりしている。
それでもかまれてしまうことはある。
本当に、一瞬だったりする。
別に弁解するわけではないけれど、もっと多くの人に、子どもは、集団生活では、かみつくことがあるんだということを知って欲しい。
家で、親といる時とは違う姿があることを。
子どもは、天使なんかじゃない。
6年前、私が保育している最中に、男の子が顔をひっかかれてしまったことがあった。
細心の注意を払っていたつもりだったのに、本当に、いつやられたんだくらいの早業だった。
もちろん、お迎えに来たお母さんに、状況を伝え、謝った。
本当に、申し訳ないと思った。
そのお母さんは、その子の顔を「ゴルゴ13みたい」だと言って、特に苦情を言ったりしなかった。
そのお母さんのことは忘れられない。