世間では、まことしやかに理系は就職に有利である、と言われています。
これが本当かどうか、確かめるのは難しいのですが、娘や同級生たちの就活を通じて
少なからず当たっていると感じます(個人の感想です)。
学歴、コミュ力、ガクチカなどに差が少ない文系と理系の就活生がいたとしたら、
理系学生ほうを取りたくなるように思います。
・難関高校ほど理系比率が高くなるように、母集団としては理系のほうが優秀。
・理系のほうが大学で勉強している(させられている)。
・(専門と離れた業務だとしても)理系のほうが理論的に思考する傾向にある。
このように考えるとポテンシャルや基礎知識に安心感があり会社に入ってから活躍する可能性が高いように思うのです。
また、理系学生は、製造業をはじめとしたいわゆる理系就職はもちろん、金融や商社など文系就職もできますが、
文系学生は、理系就職は基本的にできませんので、理系のほうが選択肢が広くなるということも言えると思います。
ブロ友さんが、AbamaTVの「なぜ子供を大学進学させるのか」といったテーマの回に出演され、
高校生の時には(大谷翔平やさかなくんのような)特に光り輝いているものも無かったし、
やりたいことも決まっていなかった、大学に行けば、将来の就職や結婚時にメリットのほうが大きく、
デメリットは学費だけ、将来を考えるモラトリアム期間としても有用で大学進学をさせないという選択は無かった
といった趣旨のことをおっしゃられていましたが、おっしゃるとおりだと思います。
実際、我が家も含め、高校生のときに将来やりたいことや向いていることが明確に分かっている人は、
にはほとんどいないと思います(医学部や美大音大志望の方くらいでしょう)。
将来を考えるモラトリアム期間という意味でも、選択肢が広い理系選択というのが合理的に思います。
おまけに理系の場合は、大学院進学する割合が高く、モラトリアム期間も2年長くとれるということもあります。
私の会社は文系就職先企業に該当すると思いますが、理系の人もまあまあの割合いますし、
活躍していますので、大学入学以降の方向転換でも全く問題ないと思います。
具体例で考えます。
例えば、理学部物理学科で専門が原子力の学士(4年大)または修士(大学院2年)だったとします。
その場合、民間企業に就職するのであれば、原子力に関係する企業がど真ん中になりますが、
広く電磁気学や力学といった物理の知見を活かして電機メーカーや半導体メーカーなどへの就職も
ストライクゾーンということになろうかと思います。
その他の製造業や文系企業でDXやIT業務に携わるという道もやはりストライクゾーンにあると思います。
完全な文系就職はどうか、というと、ロジカルシンキングを活かして
経営企画部門で活躍する、コンサルで活躍する、などというのもまたバットが届く範囲だと思うのです。
考えてみれば、文学部の学生が文学とは関係ない仕事に就く、あるいは、
法学部の学生が法律とは関係ない仕事に就くのは一般的で、
理系だから専門の研究分野の企業の中から選ばなければならない、ということはないと思います。
もちろん、博士課程まで出ていれば、企業側も即戦力として考えますが、
学士や修士程度であれば、入社後育てりゃよいという感じなんだろうと思います。
(以前の記事でも書いたことがありますが、プライム企業の人事担当役員さんと話した際、
DX人材は専攻していなかったとしても優秀な理系の就活生を採用し育成すると言っていました。
あくまで新卒採用の話で、キャリア採用は別です。)
志望企業が専攻ど真ん中であれば幸せなことですが、専攻ど真ん中だがあまり魅力的でない企業と
専攻とはズレるがとても魅力的な企業であれば、後者を選んだほうが良いと思っています(博士
なら別ですが)。
そもそもど真ん中企業に入社したとしても、配属された部門に定年まで変わらずいることは希で、
部署異動はありますし、海外や本社管理部門で全く違うキャリアを形成する可能性もアリアリです。
やりたいことは変わりますし、修士の2年間(しかも半分は就活中心)よりも就職後の40年のほうが
ずっと長いですから、成長の機会は十分にあると思うわけです。
ということで、理系のほうが選択肢が広く、活躍の道も拓けていると思うので、
私は理系を勧めますという話でした。