昼間からほろ酔い気分でテレビを見ている。
まったく、それにしても、最近のニュースは領土問題をめぐっての某国とのいざこざばかり。
あんな辺ぴな島なんて、はじめからなければこんな問題はなかったのに…。
とにかく、みんな自分の主張と意地の張り合いでぜんぜん話がすすまない。
僕はテレビを消して、おもむろに窓を開けた。
「不毛な土地の不毛な争い。そして不毛気味な最近の僕の頭」
なんだか、すべてがむなしい…。
すると、黒猫さんがどこからか、鼻をひくひくさせながらベランダにやってきた。
そしてテーブルの上にある貝柱のかんずめを見つめている。
はいはい。わかりました。僕はかんずめを与えると、黒猫さんは一度小さくうなずいてから、おいしそうに食べ始めた。
「黒猫さんは最近ニュースを騒がしていることについてどう思います?」
「うむ。いろいろな意味でライバルとして意識される国。しかし、仏の教えでは争いは無益とされている」
「ほうほう。やっぱり、平和が一番ですね」
「しかし、仏の教えもまだまだ力が及ばず、世の中は争うことに夢中になりすぎている。スポーツにしろ、経済にしろ、アイドルにせよ、とにかく一番になりたがる。一番でなければいけない理由は一体なんなのか?二番じゃだめなのか?」
「蓮舫みたいですね」
「このまえ寓話を作ったのだが、ちょっと聞いてくれるか?」
「またまた寓話とは。ぜひぜひ聞かせてくださいな」
「あるところに、二つの島があったそうだ。お互いよく似ている島だったが、そこに住んでいる人たちは『隣の島には負けたくない』という気持ちで自分たちの島を栄えさせるために一生懸命だった」
「ほうほう。それで?」
「そこで、二つの島はどんどん栄えていった。しかし自然は壊され、空を覆うほどの高い高いビルがどんどん建っていった。そして栄えたといっても人々はゆっくり休むこともできず、働き続けた。なぜなら隣の島に負けたくなかったからだ」
「ほうほう。それからそれから?」
「そして、あるとき、一つの島で天まで届くような高いビルが完成しようとしていた。その島の人々は一番高いビルができたことを喜び、隣の島の人々は悔しそうに思っていた。
しかし、そのビルは今まさに完成しようとしていたその時、見栄ばかりが先走った建物だったので、なんとそのビルは根元が折れて、横にばったりと倒れてしまったのだ」
「ほうほう。それからどした?」
「そのビルはあまりに高かったので、なんとビルは海を越えて隣の島に届くほどだった。そして、それは二つの島を結ぶたった一つの橋になった。島の人々はお互いの島の人たちと交流して思った、『島は違っても、知れば知るほどお互いはおんなじ人間だった』と…。争うことにはなんの意味はなかったのだと。そして負けたくない一心で働き続けることもやめて、二つの島の人たちは仲良く幸せに暮らしましたとさ…」
「チャンチャン。ということですね。やっぱり争いやケンカは反対。平和が一番ってことですね!ははぁー、今日もなかなか深い話を聞けましたぁ」
