好仕好猫

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好きこそものの上手なれの一心で、早、50年近く。

好きな仕事を続けてきました。

日々、ニャンズに癒されながら、

デザイン活動まっしぐらです。

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いつも作っている肩幅のベストより、

 

肩から腕を被うデザインの、

 

謂わゆるドロップショルダーというベストを、

 

鮮やかなロイヤルブルーの糸で、

 

オーダーされた。

 

2月初旬より編み始め、

 

やっと、本日仕上がった。

 

無地のメリヤス編みなので、

 

早めに仕上がると踏んでいたが、

 

予想外に時間がかかってしまった。

 

時間が余分にかかったその訳は、

 

裾に無地柄を入れようとしたところ、

 

編み目の数から、上手く均等に入らない事が、

 

編み始めてからわかり、メリヤス目に直す作業が、

 

加わってしまった事と、

 

肩まで減らし目がなく、

 

身幅の編み目がそのまま続くので、

 

段数が中々進まなかった事。

 

形は、肩の段差も無く、

 

裾も真っ直ぐなシルエットにしたいので、

 

ゴム編みでなく、

 

ガーター編みにして、ほとんど四角い形にして、

 

裄丈の足りない分を一目ゴム編みで、

 

3センチ程編み出して見ました。

 

着用すると、ニットなので程よく身体なじみ、

 

イメージ通りの仕上がりになりました。

 

今日は、20度近くまで気温が上がり、

 

暖かく過ごしやすい日でしたが、

 

天気予報によれば、また寒気が戻る日もあり、

 

着用する日もあるかと思います。

 

まずは、発送出来て、ホッとしています。

 

 

ディオール展の会場に入ってすぐの展示作品は、

 

余りに有名なディオールの代表作の、ニュールックでした。

 

ショート丈のジャケットのウエストは、ギュッと絞られ、

 

切り替えなしのペプラムに続きます。

 

ペプラムの張りは、ゴウス等の芯地を裏打ちして、

 

横に張るシルエットを保つように作られています。

 

その構造線の見事さ、

 

職人の技術力がよくわかるデザインです。

 

下に広がるプリーツスカートとのアンサンブルが、

 

まさしくニュールックと言われる所以なのだと、

 

感じました。

 

また、ディオールが、

 

ことの他日本贔屓であった事を知りました。

 

幼少期に、フランス万博で日本文化に魅了された両親が、

 

浮世絵などを購入し、室内に常時飾ってあった事から、

 

影響を受けてようです。

 

戦後初の海外でのファッションショーは、

 

日本で開催され、

 

佐賀錦や龍村織物の日本の代表的な織物で、

 

作品を作っています。

 

日本がテーマのコレクションは、

 

歴代のディオールのデザイナー達、

 

マルクボアンや、サンローラン、ジョンガリアーノ、

 

ラフシモンらにしっかり受け継がれています。

 

彼らの日本的な作品が、

 

それぞれ展示されていましたが、

 

そのデザイナーらしいカッティングやシルエットが、

 

表現されていて、比較対象して見るのも、

 

楽しいものでした。

 

皇室からの依頼で、

 

美智子皇太后の結婚式のドレスを、

 

3着デザインしている事を初めて知りました。

 

 

終了するまでに、もう一度足を運びたいと思っています。

 

開催中の大盛況のディオール展、

 

行こうかどうか迷っていた所に、

 

友人からのメールで、

 

当日券でしか入場出来ない事や、

 

混雑具合によっては、

 

入城時間を指定されることを知りました。

 

朝9時に会場に到着すれば、

 

10時の開場に間に合うというありがたい情報を貰い、

 

展示会オフ日を利用して、

 

重い腰を上げ、早朝に行って参りました。

 

 

結論、

 

行って良かった。

 

感動の嵐、、、。

 

作品の数も半端なく多く、

 

お値段以上の素晴らしい展覧会でした。

 

デザインスクールで、服飾史を学んでいるのと、

 

ファッションの仕事をしていたので、

 

それなりにディオールというデザイナーの事を、

 

知っているつもりでしたが、

 

より深く知る事ができました。

 

歴代のデザイナーの作品も、

 

見事でしたが、

 

白の麻の生地で作られたトワルが、圧巻でした。

 

普通、トワルは、

 

シーチングという生成りのコットンで作成されますが、

 

フランスのオートクチュールのアトリエでは、

 

トワルというだけに、白麻を使うようです。

 

構造線がはっきりわかり、

 

また修正箇所を、赤いペンで印してあり、

 

作品がどのように試行錯誤して、練られていったのかが、

 

如実にわかります。

 

デザインによっては、

 

いろんな角度から観賞出来るように、

 

回転させてあるトワルもあり、

 

有り余る好奇心を満たしてくれました。

 

この時代の、

 

衣服が持つエネルギーを、存分に感じた次第です。