10年前の今日、大切な人が亡くなった。
インテリアデザイナーを目指していた彼女が仕込みをした舞台の本番の朝。
突然の事故だった。
『今朝、彼女が亡くなりました。』
夜中に届いた一通のメールで頭が真っ白になった。
誰でも良いから嘘だよって言って欲しかった。
唯々涙が止まらなくて。
泣きじゃくりながら眠った。
その日の明け方。
彼女が居た。
眩しい光の中、彼女を感じた。
幾つかの言葉を交わして彼女は笑った。
あの日の感覚を今でもハッキリ覚えてる。
あれから何度も『生と死』について考えてきた。
あの子は今でもハッキリ私の中で生きて居て。
舞台に立つ時、衣装を創っている時、メイクをしている時、仕込みをしてる時、私が泣いてる時、笑っている時。
彼女はいつも其処に居る。
『死んでしまった』という言葉がしっくりこなくて。
理解はできるのに違和感があった。
そのことの結論がやっとでた。
彼女は現世には居ないけど、現世ではない何処かで生きているのだと。
だからいつも其処に居て、笑ったり怒ったりしてくれるのだと。
彼女が伝えてくれた言葉に好きなものがいくつもある。
『表現の剣で闘え』
『気高き自由』
突拍子のない私の発想を彼女はいつも私らしいと笑ってくれた。
私のセンスを信頼してくれていた。
ちょっと変わっているけど。
自由な人だった。
気分屋で猫みたいに家に来て、話して。
言いたいことはハッキリ言って。
愛に溢れていた。
私は彼女を好きとか嫌いとかそんな感覚じゃなく。
ただ大切で。
ただ其処に居て。
またふらっと家に来て、哲学的な話を沢山して、ふらっと帰っていく。
そんな風に思ってた。
あれから10年。
此処ではない何処かで、幸せでありますように。