某がん専門病院での標準治療が終了した患者さん.
当院に,自家がんワクチン療法
を希望して来院された.
自家がんワクチン療法では,
パラフィン包埋ブロックもしくはホルマリン固定標本が
ワクチン作成に必要である.
患者さんが標本提供をお願いしても,医療機関が,
応じてくれないことも少なくない.
今回,当院の標本提供依頼書をもとに,
主治医が病理部に交渉してくれたとのこと.
「効果の保証はありませんよ」との
一言が添えられつつ,ブロックは手渡されたが,
がん専門病院の主治医の協力と
病理部の寛大な対応に,患者さんとご家族は,
とても感謝しておられた.
必ずしもエビデンスが有る無しではない.
そして,良いも悪いもない.
これも医療の1つの形なのだ.
外来看護師より,
「〇〇先生が主治医で良かったですね.
他の先生では,標準治療以外は頭から否定して,
なかなかこうはいかないですよ.」と.
看護師さん達は,
医師の人となりをよく観察している・・・
やっぱり,患者さんの間でも人気のドクターらしい.
こういった,柔軟でハートのある先生に,
国のがん診療の中枢に入り込んでほしいと,
一町医者としては思うところです.