■あれだけ大騒ぎした沖縄の「普天間基地移設問題」報道

鳩山前首相の辞任以降、パッタリやんでしまった。基地問題は片付かなくても、首相が辞めたから一件落着というのか。「沖縄県民の民意を尊重しろ」「怒りを知れ」とテレビ・大新聞が声高に叫んでいた。「鳩山さんは沖縄県民の思いをどう受け止めるのか」なんて力説していたコメンテーターが、今はヘラヘラしながらサッカーW杯の勝敗を予想しているから呆れる。

■基地移設に反対する4月の県民大会に出席した名護市民がこう言う。

『5月決着が最大の焦点』『基地問題を考える転換期』と大々的に取り上げられた嵐のような報道がウソのようです。マスコミは、世論調査で菅政権の支持率がハネ上がったことばかり報じているが、鳩山前政権であれだけ騒いだ『普天間問題』は設問に含まれてもいなかった。結局、マスコミは鳩山前首相を辞めさせるために県民を利用したのです」

■沖縄米海兵隊が「抑止力の重要な一つとして機能」とする政府答弁書を決定

菅内閣は8日の閣議で、従来の対米従属関係にカジを切り戻した。自民党時代と同じ方向に戻ったから、「もう報じなくていいんだ」という大マスコミの姿勢は、報道機関としてあまりにデタラメだ。対米従属型の新自由主義政権になり、アメリカのために、沖縄県民の怒りを利用して、鳩山首相のクビをとった大マスコミは、一体どこの国の連中なのか。

■ひとごとみたいに喋りまくる国会議員、評論家、新聞テレビのメディア人。

そして、虫のいい事しか考えない日本人。何処に軍事基地をすれば良いのだ。基地が嫌なら、米国と縁を切るしかない。ゴミ処理場、食肉処理場か、ばい煙工場、ラブホテル繁華街。刑務所、葬儀場、交通混雑地帯、空港、原子力発電所とこのような環境から離れたい、避けたい、外れたいと思うのは当然だろう。しかし、日本人の人間が生活して行く上には、狭い日本の狭い場所へどこかに設置しないと、生きて行けないのは分かっているはず。日米安全保障にもとづいた軍事基地を無くす事ができない。

■どうすれば沖縄県の協力が取りつけられるか

太平洋セメント相談役に話した時こう言ったそうだ。「政府は沖縄に悪い癖をつけてしまったね。米軍基地の返還などが進まなくてもカネをやるという悪い癖をつけてしまったんだよ」。小渕内閣はいわゆる「北部振興策」という特別な予算を10年間にわたり毎年つけることを閣議決定していた。その額は毎年100億円にのぼり、沖縄北部12市町村の財政を支えていた。普天間移設という「ムチ」を受け入れてもらうための「アメ」が、「北部振興策」だった。普天間移設は遅々として進まず、それが長引くほど、地元は長期にわたって公共事業を誘致できるという構造ができあがってしまったのである。

"核抑止力は必要"これからもこの考えで行くのか

広島原爆の日式典で、広島市の秋葉忠利市長は、米国の「核の傘」からの離脱や非核三原則の法制化を政府に求めた。しかし、首相は会見で、「核抑止力は引き続き必要と考えている」と述べた。鳩山前首相も、普天間問題を語る時に、沖縄の地で"抑止力"は必要だと答えた。官僚に都合のよいレクチャーを受けたのだろうか。これだけ、国民目線とかい離するのは、何かがあったとしか思えない。

■なんでここまでアメリカに対して物が言えないのか不思議で仕方がない。

アメリカは自分たちが日本に落とした原爆は正当性があり、テロリストの手に渡り、爆発させることは危険だと言う。大国であれ、テロリストであり、だめなものは駄目だと思う故、オバマ大統領は核廃絶を訴えたのだろう。アメリカに喧嘩を吹っ掛けろとは言っていないのだ。日本国の立場と言うものを、正当に冷静に主張しても、何ら問題無いと思うが、今の政治家は、与野党かかわらず、私には出来ているようには思えない。

■在沖縄米海兵隊は、日本に対する抑止力でないという証拠

7月7日の朝日新聞の記事である。5月末の日米共同声明の交渉ですでに米側はグアム移転の部隊構成の見直しを声明に盛り込むよう強く求めてきたという。その結果、共同声明の中で「米側は、沖縄に残留する海兵隊要員の部隊構成を検討する」と書かれることになり、それは取りも直さず、米海兵隊は抑止力であると信じ込んでいた日本がはしごを外されたということである。米国の真意を何もわからず、ただひたすらに日米同盟深化と叫んでいるのである。

■屋良朝博・沖縄タイムス社論説委員書いているエピソード

ラムズフェルド米国防長官が03年11月に沖縄に立ち寄り稲嶺知事と会談。基地問題の抜本的な改革を迫られた時、ラムズフェルド長官の表情は次第に険しくなった。会談を終えて車に乗った長官を待っていたのは「基地はいらない」というプラカードと活動家らの罵声だった。いらいらが頂点に達した長官が側近につぶやいた言葉が、「沖縄から退くぞ」だった。この「政治決定」に基づいて米太平洋司令部が検討を進め、沖縄海兵隊のうち司令部と8000人の移転が決まったという。

■アメリカの新世界戦略が普天間問題を打開する

菅氏は、オハマ政権内部に未だに巣食うプッシュ政権の残滓・ネオコンと手を握った。彼らは強硬に普天間移設の履行を求めてくるだろうし、菅氏もそれに従うだろう。だが現在、アメリカ政府内部では深刻な内部対立が起きている。クリントン国務長官らとネオコンの間で大論争があり、クリントンらは沖縄住民の大反対のど真ん中に、高いコストとリスクをかけてまで基地を移設することに反対している。オハマやクリントンが目指しているのが新世界戦略の構築であり、早ければ10月にも発表されるとの情報もある。軍事による秩序維持をやめ、環境・経済などに広げ、世界秩序はその責任を国連、G8G20APECといった国際組織に分担していくという考え方で、「みどりの同盟」などとも呼ばれるものだ。

■議会から海兵隊の沖縄撤退論も上がっている。

海兵隊はイラクやアフガニスタンでの地上戦闘に動員され「第2の陸軍」と呼ばれる現状がある。ゲーツ長官は「本来の任務である海浜での上陸作戦から遠く離れすぎた」と指摘した。ゲーツ長官は海兵隊の特性をめぐる根源的な問題も提起した。高性能ミサイルで陸から100キロ沖まで狙えるハイテク戦の中で、艦船で砂浜に上がり、攻めていく海兵隊の役割そのものが問い直されると語った。他方、「中国を野放しにはしたくないが、空軍も海軍もいる」「過去の遺産で21世紀には無意味だ」と公然と海兵隊不要論を展開している議員もいる。