開幕してまもないが、上海万博の来場者数が低迷しているらしい。開幕1週間目に100万人の大台を突破したものの、1日平均来場者数は当初の予想の約40万人の半分にも満たない。万博事務協調局長は予想外の不入りを率直に認めているようであるが、まあ、あの共産党支配の中国であるから、これから計画動員をして国威発揚を図るであろう。それにしても、筑波万博以来目新しい技術が出てこない。今、日米で話題の3D映像も富士通館で上映されていたものから大きくは変化していない。音楽を含めて、新しいクリエィティブは生まれてこないのであろうか。
そう言えば、上海万博の公式PRソングの盗作騒動は裏人脈により大人の決着をしたようである。作曲家の中国人は万博関係から名前は抹消されたと思うが、その身柄はどうなったのであろうか。やはり・・・こんなことをマスコミが伝えてくれたら嬉しいのだが、今のマスコミにはそれは無理だろうなあ。<中華思想>と言う言葉がある。例えば経済において、北京や上海など一つの場所に富を集め、それを地方に拡散させていく。今は貧しくても、周辺は後から付いてくると言う歴史認識であり、そうしなければ大国は経営できないであろう。日本は八百万的に進める広域民主主義であるから皆平等である。地方都市は寂れているが、地域経済はタンス預金で成り立っていく。
さて、昨夜は早く家に辿り着いたが、NHKのニュースも酷い内容ばかりなので、思わずキムタク主演「月の恋人」を見てしまった。まあ資料を整理しながらであったが、まあまあテンポ良く見られ、初回視聴率22.4%でこの春クールのドラマで最高であった。「月の恋人」は上海を舞台にした、キムタク演じるインテリアメーカーの社長をめぐるラブストーリーである。まあ想像通りのキムタクでしかないが、ミステリー作家の道尾秀介氏の書き下ろし小説を基にドラマのストーリーを生み出したものなのだが、脚本と演出でどう動かしていくかである。台湾出身のリン・チーリンやインテリアデザイナー役の篠原涼子は良いにしても、資産家の娘でモデル役の北川景子は全くいただけない。それにしてもあざといと言うか狡猾と言うか、終了後直ぐに「SMAP×SMAP」の生放送に繋ぎ、3人の女優が勢揃いさせて、こちらも平均視聴率20.4%となった。
ところで、日経ビジネス 2010年3月1日号は「中国が空前のワインブームに沸いている」と伝えている。中国の中華料理レストランでメニューに並ぶ酒類といえば、かつてはビールか紹興酒、白酒と相場が決まっていたが、それがワインである。上海市にはワイン専門店が急増、サントリーやアサヒも現地のワイン戦略を急ぎ、果実を狙う。北京や上海といった大都市にある高級ホテルの中華料理レストランに行けば、大抵はワインセラーが置かれているらしい。やはり、現地の富裕層が中華料理を楽しみながらワイングラスを傾ける、といった光景が珍しくなくなっているとのことだ。ちなみに最も高級なワインは1本888元(約1万2000円)だそうである。そう言えば、2004年にフランスの田舎町の」中華料理店で中国ワインを飲んだことがあったが、あまり美味しいものではなかった。
一方、満州(中国東北地方)の地下に大油田(大慶油田群)が存在するという与太話が囁かれている。1941年に日本軍が石油確保のために無謀な太平洋戦争を開始しているが、何と既に支配下にあった満州の地下に石油が存在していたらしい。当時の日本の年間石油消費量の何倍もの潜在年間生産能力を持つ大油田が存在するとは、満州軍は夢にも思っていなかったらしい。1970年代に、後30年で石油は枯渇するという議論が一世を風靡したが、エネルギー転換は進んでいるのであろうか。
今読んでいるのは、吉本隆明パパバナナと辺見庸の対談する文庫本「夜と女と毛沢東」である。タイトルかいい、全く夜と女に縁遠いオヤジ二人が真面目に男と女を語っている。そこに中国社会、可笑しい面白い語り草が溢れている中国を斜めから見て楽しむ気分である。