GII REPORT

GII REPORT

政策コンサルタント事務所GIIのブログです。米国の首都ワシントンDCに10年ほど拠点を構えた時期は日本安全保障・危機管理学会ワシントン事務所その後は同学会防災・テロ対策研究会の業務を受託しています。連絡を頂ければメディア出演や講演の依頼にも応じます。

 

  The Hillが8月10日に配信した“Jeffrey Epstein's suicide makes no sense”によれば、その日の午前にニューヨーク連邦拘置所に売春斡旋その他の容疑で留置されていたエプスタイン氏が自殺した。しかし、それは極めて不自然な状況だったという。

 “ビジネスと政治の世界で強力な友人を持つ億万長者の投資家であるエプスタイン氏は、2008年に性犯罪でフロリダで有罪を認め、数ヶ月の刑務所で服役した。彼は今年の夏、ニューヨークで未成年者の性的人身売買の罪で再起訴されて以来、連邦政府の監護権の下にいた。

 彼は2週間前に自殺を試みたが、私たちは、独房に閉じ込められ、自殺監視下に置かれていた。

 では、どのようにして彼は自殺できるのか?

 職員に対する脅威、逃亡のリスクまたは国家安全保障に対する脅威である場合、独居監禁を考慮する必要がある。

 しかし、ジェフリーエプスタインは、上記のどれでもなかった。

 エプスタインを管理していた連邦刑務所局と連邦検察官は、彼の以前の自殺企図が本物であることを知っていた。しかし、彼を行政上の隔離ユニットに入れる代わりに、彼を独房監禁に入れた。“

 ことを指摘。そして、

 “自殺を企図する囚人を独房に閉じ込めることほど悪い方法はない。(中略)独房監禁では、15分間の「監視」ルールがあり、これは「自殺監視」とは異なる。囚人は90秒で窒息する可能性があり、8分ほどで脳死する。

  それが囚人に自殺の恐れがある場合に24時間監視が必要な理由だ。そして、それは人または技術による絶え間ない監督を必要とする。

  なぜエプスタインはそもそも「独居房」に置かれたのか?彼の最初の試みの後、彼のセル監房と彼の監督は変わったか?彼は監房内のカメラで常に監視されていたか、それとも散発的にしかチェックされていなかったか?彼は以前に一度自殺を試みた後、彼が再び自殺を試みるために使用できる道具を持つことを許可されたか?“

 と更に多くの疑問点があることも指摘している。

 そのためかNews Maxが8月11日に配信した“Trump Boosts Conspiracy Theory About Epstein Death-Clinton Link”によれば、トランプ大統領はエプスタイン氏の死の数時間後、エプスタイン氏はビル・クリントンにも女性の斡旋をしていたのではないかと仄めかすような、トランプ氏の熱心な支持者で著名芸能人ウイリアムズ氏のツイートをリツイート。またクリントンが彼の有力な政治献金者でもあったエプスタイン氏私有の島を訪れたというエプスタインの告発者バージニア・ギフレによる主張を引用した投稿もリツイートしたという。

  もちろんクリントンは全て否定している。

  しかしWSJが8月11日に配信した“Conspiracy Theories Fly Online in Wake of Epstein Death”によれば、エプスタインとクリントンは、確かに親しかったという。

(この写真を見ると、こんな時期もあったのだなあと、感慨深いものがある。

 引用元: https://twitter.com/NumbersMuncher/status/1160177560204062720?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1160177560204062720&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.washingtonexaminer.com%2Fnews%2Fthis-smells-very-fishy-skepticism-ensues-after-shocking-epstein-suicide-death )

  ただエプスタインは、トランプ氏とも親しかったらしい。トランプ氏のツイートは一種の正当防衛だったのかも知れない。自らに疑いが向けられないための。

  何れにしても同記事によれば、トランプ氏とは無関係に、彼のツイートと同様の内容のツイートが数万件以上も飛び交っているという。この記事ではフェイク・ニュース扱いであるが、ヒラリーがエプスタインの死を事前に知っていたという内容の投稿は、ツイッターとフェイスブックの双方で、非常に多かったらしい。

   何れにしてもDaily Beast が8月11日に配信した“The Biggest Bombshells in Newly Unsealed Epstein Documents”によれば、エプスタインの死の前日、連邦裁判所でNews Maxの記事にもあったエプスタインを告発したギフレという女性が、エプスタインのパートナーであるマックスウエルという女性に対して起こした訴訟の訴状が公開されている。“2,000ページ以上の訴状は、世界で最も有力な男性達の一部の名前を含み、性奴隷被害を含むエプスタインに対する訴えについて、最大の詳細を提供している。”という。

  同記事によれば“ギフレ、マクスウェルとエプスタインがセックスのために彼女を有力な男性に人身売買したと幾つかの証言述べた。2016年、マックスウェルは、元ニューメキシコ州知事のビル・リチャードソン、英国のアンドリュー王子、裕福な金融家のグレン・デュビン、元上院多数派リーダーのジョージ・ミッチェル、科学者のマーヴィン・ミンスキーに仕えるように特に指示したと彼女は言った。”という。

 更に同記事では“トランプとエプスタインは長年友好的だったが、現大統領はエプスタインが少女と不適切な行動をしたために彼との関係を解消したらしい”と述べられており、またギフレの“エプスタインがトランプと友達だったが大統領とエプスタインを一緒に目撃したことはなく「ドナルド・トランプは決して私と一線を超えなかった」と彼女は証言し、エプスタインの家で女性と(補足:トランプ氏が)性交渉をするのを見たことはない。”という証言も引用している。

  これが本当ならトランプ氏に関する疑いは晴れたことになる。だが同時に世界中の有力者を巻き込む一大スキャンダルに発展する可能性が低くない。

  Dissidentが8月11日に配信した“Epstein, Faction, and Neopatrimonialism”によれば、アメリカは今や一部の陰の支配階級に動かされている。エプスタイン事件は、その証拠の一つで、やはり彼の死を他殺ではないかと仄めかす書き方もしている。

  これは最近の日本で言う“上級国民問題”だろう。私は以前に日本の上級国民を巡る諸問題が、AKB新潟支店のスキャンダルの原因ではないかと書いたことがある。

https://ameblo.jp/gii-report/entry-12497216275.html

 この事件とエプスタイン事件には類似性が多く、このまま放置しておくと日米双方とも国家が崩壊するような事態に発展しかねないように思う。前掲のいくつかの記事の中で、バー司法長官は、繰り返し真相究明に力を入れると述べている。それによって米国の“新興上級国民”を打倒することが、部分的にでも出来るだろうか?AKB新潟支店の問題に関する、日本の主流上級国民による追及は、どうだろうか?

  AKB新潟支店の問題に関する記事の中で私は、日本の“新興上級国民”とは、小泉構造改革によるグローバル金融バブルを背景に成立したのではないか?―と述べた。そう考えると米国における“上級国民”とは、クリントン政権による同様の政策によって生まれたと考えられるだろう。このころから米国は、金融を中心に経済格差が極端に拡大している。

 ということは米国の“新興上級国民”の中心には、クリントン夫妻がいると考えられる。

 ヒラリーの電子メール問題を追及し、もう少しで動かぬ証拠を掴みかけていたジャーナリストが、曖昧な内容の遺書を残して自殺したり、“これ以上、不正に手を貸すことは良心が許さない”と言っていた、ヒラリーの選挙対策本部(正確には民主党本部)のサーバー管理者が何者かに背後から射殺され、それらの事件は警察が殆ど捜査していない。これは私も確認できない噂でしかないが、ヒラリーが2016年の9月11日に体調不良で倒れた時、診察した医師も直後に怪死しているという話も聞いたことがある。

  このようにヒラリーの周辺には常に驚くべき恐怖が付きまとっているのである。

  最近2016年アメリカ大統領選挙に関して2年後の検証のような記事を幾つか読んだ。それによると2016年選挙の予測調査は実は科学的には外れていなかったのだそうである。幾つかの激戦州でヒラリーの票固めが十分ではなく(例えばヒラリーの支持率51%に対して、トランプの支持率49%)、これを逆転できれば(例えばトランプが1.05%でも推し返せれば)、アメリカ大統領選挙独特の州代議員獲得方式により、トランプが勝つことは十分に有り得た。2016年夏の時点での調査内容が、いま見直してみると、そのような状況を示唆するものばかりだった。

  実は私の記憶でも2016年夏の時点での調査結果は、そのような内容のものが多かったように思う。にも関わらず、なぜ多くのー特に米国の主流メディアや学者等が、“トランプが勝つ筈がない”等と軽々しく断言していたのか?私は不審に思っていた。

  しかし、その答えを、エプスタイン事件が教えてくれたように思う。エプスタインのようになりたいと思う人が、誰もいなかったということであろう。

 

 

 

  Daily Beastが8月9日に配信した“El Paso Sparked Fear, but It’s ICE That Still Terrifies Immigrants the Most”によれば、“ミシシッピ州全体の大規模な作業現場で、米国移民税関当局(ICE)は700人近くを逮捕した。これは史上最大の作戦だった。違法に国内にいる疑いのある農産加工工場の労働者を標的とした襲撃は、水曜日の記者会見で記者団に語ったICEディレクターMatt Albenceによると、1年間の調査の集大成で,立ち退き命令のある個人を「迅速に」追放する“という。

  そして” この作戦は、ドナルド・トランプ大統領が米国からの最終的な撤去命令を受けた非文書化移民の「大量送還」を開始するという約束をさらに促進する。トランプは6月にICEが「違法に道を見つけた数百万人の不法外国人の除去」を国内に開始すると発表した“。

” 「私たちは移民の国ですが、何よりもまず、法の国です」と、トランプ氏が2017年にミシシッピ州南部地区検事に指名したハースト氏は語った。「法律がなければ秩序はない。法律の施行がなければ、正義はありません。」“

  同記事によると“これは、大統領自身がホワイトハウスの芝生で、エルパソ銃撃事件の現場を訪れる前に繰り返したメッセージと同じだった。記者から、「侵略」という言葉を使用して不法移民を説明したことを後悔したかどうかを尋ねられた”トランプ氏は“不法移民はこの国にとって恐ろしいことだ。合法的に入らなければならない。”と答えたという。

  これは私見では全くの正論だと思う。しかし同記事によれば“移民の権利を擁護するグループは、この作戦の規模と(補足:エルパソ事件の直後という)タイミングの両方を非難し、襲撃は既に危機に瀕した移民コミュニティを恐怖に陥れていると述べた。”という。

(引用元: https://www.foxnews.com/media/kamala-harris-ice-raids-dhs-homan )

  何れにしてもThe Atlantic が7月15日に配信した“All About That Base”によれば、“トランプ氏は最高裁での敗北によって彼の国勢調査を使用して不法移民を見つけることができなくなった代わりに、連邦政府機関に既にあるデータを使用するだろうと言った。また連邦政府のエージェントが大規模な襲撃で不法移民を切り捨てると警告した。”という。

  この後半部分が今回の一斉取締りの予告だったのかも知れない。しかし重要なのは実は前半部分なのである。

  拙著『救世主トランプー“世界の終末”は起こるか?』(近代消防社)でも言及したが、The New Republic が7月30日に配信した“Trump’s Cynical War on American Citizenship”によれば、“ロス商務長官は、国勢調査局の専門家が市民権を持たない人の参加を減らすと警告しているにもかかわらず、2020年の国勢調査に「市民権を持っているか?」という質問を追加しようとした。6月に最高裁判所は、これに厳しい制約を加えた。”という。

  この問題の背景には“共和党は、不正確な国勢調査が選挙で彼らに利益をもたらすことを知っている。近年、共和党と保守的な法律家グループは、2020年の国勢調査後、州の総人口ではなく州の投票年齢人口を使用して、州が下院選挙区を再修正する法的基盤を築いた。共和党選挙区再修正ストラテジストHofellerは、それによって「共和党と非ヒスパニック系白人に有利」であろうと2015メモに書いた”というような問題がある。この記事によれば、このHofellerメモが外部に流出したため、トランプ政権は市民権質問の問題で、最高裁で敗訴したらしい。

  だが何れにしてもトランプ政権は、移民を減らす方向での努力を続けている。例えば“昨年、トランプ氏は上院のトップ移民タカ派によって起草されたレイズ法を支持した。これは毎年利用可能な新しい永住権の数を約500,000減らし、米国への合法的な移民が事実上半分する。この法案は共和党が両院を支配したにもかかわらず不人気で成立しなかった。(補足:実は選挙で共和党を応援する中小業者こそ低賃金で働いてくれる移民が必要だという問題があったのではないかと思われる)トランプ大統領の最近の予算は、議員の編成よりもホワイトハウスの希望リストの多くが機能し、市民権申請料の引き上げも提案した。”

  “強硬派は現在、移民と帰化を扱う国土安全保障省(DHS)の一部を運営している。先月、トランプは上院を迂回して、ケン・クッチネリを米国市民権移民局(USCIS)の代行ディレクターに任命した。この任命は、微妙な方法で優先事項を形作るのに役立つ。例えば、近年では新しい市民の帰化手続き等が遅くなっている。2017年のデータによると、現在 70万人以上の永住権(再)申請等が保留されており、一部の人は2年以上待つと予想されている。”

  “USCISは、昨年、より多くの問題を追求するためのタスクフォースを編成すると発表した。(中略)帰化したアメリカ人は、政府が申請プロセス中に嘘をついたことを証明した場合にのみ、市民権を失う。最高裁判所は最近、政府が市民権を剥奪するために小さな誤りや小さな嘘を問題にできないと裁定した。しかし、起訴されたケースがほとんどない場合でも、(補足:USCISによる摘発キャンペーン等は)多くの帰化アメリカ人に市民権が実は不安定かもしれないというメッセージを送る。”

このような問題があるからなのか、FOXが8月12日に配信した“Kamala Harris turning the 'world upside down' with illegal immigration rhetoric”によれば、2020年の民主党大統領候補として有望と言われているハリス上院議員は、この8月9日の一斉取締りを“国家によるテロ”的な表現で非難したという。つまり移民の人々に脅威感を与えて、国勢調査に回答させないことで、共和党に有利な選挙区割りを実現したり、あるいは諦めて自分の国に買えるように仕向けているのではないか?―と言いたいのだろう。

  それに対して元ICEディレクターのホーマン氏は、“ICEは議会が制定した法律を施行している”、“彼女がそれを好まないなら、法律を変えるべきだ。”、“(補足:米国の国境地帯で難民申請する人の)90パーセントは、迫害の本当の犠牲者ではないので、移民裁判所に認められない。彼らは経済的な理由で、この国に来る。”、“女性の31%がこの旅をするためにレイプされ、子どもたちは死にかける。これらの人々をここに来させ、違法な仕事に就くことができると考えないようにしなければならない”と反論している。

  これも私見だが、この反論は正論中の正論だと思う。特に後半部分は真の意味で人権を大事にする考え方でさえあると思う。

  更にCNBCが8月12日に配信した“Groups to sue Trump administration over rule making it harder for legal immigrants to become citizens”によれば、トランプ政権は12日に、フードスタンプ(補足:現物支給の生活保護)やメディケイド(補足:社会的弱者のための特別な公的医療保険)などの公的支援を利用する合法移民がグリーンカードを取得するのを難しくする計画を発表した。

  “公共支援の不許可規則は、100年以上にわたって米国移民法の一部だったが、トランプ政権は数値等を再定義した。”、“難民と亡命申請者は免除される。しかし、36か月間で12か月以上も公的支援を利用する法定移民の場合、この国に滞在して市民権を確保することが、より難しくなる”という。

そして“家計収入、資産等を持っている法定移民は、現在または将来の雇用の見通しを示すことができない人よりも、永住権または市民権を取得する可能性が高くなる”という。

 これだと実質的に白人系移民に有利になる可能性があるのだろうと私でも思う。そのためかThe Atlantic 7月15日前掲記事によれば、ペロシ下院議長は、トランプ氏の真の目的は“Make America Great Again”ではなく” Make America White  Again”であると批判しているという。

 確かにアメリカという国の歴史と存立には色々な問題がある。しかし一応以上に白人ピューリタンが苦労して未開の地に築いた近代国家である。憲法以前に白人ピューリタンの価値観があり、それが常にアメリカが世界をNo.1の国として指導できる最大の原動力だと思う。

 そして白人ピューリタンの価値観とは、鎌倉仏教をベースに江戸時代中期までに成立した、現在の日本人独特の価値観と相通じる部分が小さくない。だからこそ日本は、非白人の国の中では最も早く近代化に成功したし、アメリカとの関係も昭和初期の一時期以外は常に良好だった。

 移民が増えたことでアメリカ国内が混乱し、世界を指導する力に翳りが出て来た。それはアメリカの同盟国日本にとっても望ましいことではない。また日本でも移民を増やす方向になっているが、アメリカ社会の現状を見ると、非常に危険なことだと思う。

 そう考えると、やはりトランプ政治は間違ってはいない。『救世主トランプー“世界の終末”は起こるか?』の中でも触れたが、実は米国のヒスパニックや黒人の間でも少子化傾向が見え始めており、白人の少子化率の方が高いことは確かだが、これ以上は非白人系の移民を制限し、白人系移民を増やせば、アメリカの衰退に歯止めが掛かると思う。

更にバノン氏が構想したように非白人にも白人ピューリタンの価値観を何らかの方法で広める。公的支援を受けている人の帰化申請を難しくする等も一つの方法だったのだろう。

 以上のことに成功すれば、トリッキーな選挙区割り等を行わなくても、共和党は選挙で有利になる。というか民主党も部分的にでも共和党化せざるを得なくなる。

そうなれば米国内も安定し再び頼りになる同盟国そして世界の指導者になるに違いない。まさに良い意味での” Make America White  Again”である。

 

   

 8月最初の週末、テキサス州エルパソとオハイオ州デイトンで銃撃事件が起こり、21人と9人が、それぞれ死亡した。少なくともエルパソの事件の犯人は白人優越主義者で移民を狙った犯行だった。

 これを以って“トランプ大統領の移民政策等が米国社会の分断と憎悪を深めている”というお定まりの批判が多い。

 

ところがFOXが8月7日に配信した“Trump complains of double standard in shooting response, cites apparent liberal views of Ohio gunman”によれば、トランプ大統領は“デイトンの犯人が極左を支持し、民主党の大統領候補候補であるバーニー・サンダース上院議員とエリザベス・ウォーレンを支持していたと語った。

 

 AP通信は、犯人と思われるTwitterが、ドナルド・トランプ大統領の(補足:移民管理を強化しようとする)選挙を嘆き、ウォレンを支援し、移民拘留センターのフェンスを切るよう人々を奨励するつぶやきを「左翼」と表示するツイートを示したと報告した。

(中略)

トランプとは関係ありませんが、誰もそれについて言及していない“

 

 このようにトランプ大統領を一方的に“悪魔化”する卑劣な報道が大統領選挙中から繰り返されており、私は心底からの怒りを禁じ得ない。トランプ氏は実に優れた人物なのである。その証拠にFOX前掲記事では、

 

“彼はサンダースもウォーレンも責めない代わりに、犯人は「病気の人」だと言った”という。実にものの分かった人物ではないか!

 

何れにしても、このような「病気」は、どうして発生するのだろうか?WSJが8月5日に配信した“The Killers in Our Midst”から引用してみよう。

 

「 エルパソの容疑者の男は、事件発生前に匿名掲示板サイト「8chan」に投稿された声明の筆者だとみられている。その中で男は、クライストチャーチ乱射事件の犯人の人種問題絡みの動機に共感を示すとともに、ヒスパニック系移民を非難していた。しかし同時に、移民を支持し、国土を汚染している「やりたい放題の企業」への怒りも示していた。

 

 これは、帰属意識を感じることができず、理解することもできない社会に対する怒りの奔出である。また、孤立傾向にあり、ネット空間で吸収した思考に浸り切っている若い男の殺人犯の多くに極めて典型的に見られる傾向でもある。彼らは、家族や近隣の人々、教会、職場の仲間とのつながりがないことが多い。ネット空間以外の全てとのつながりがないのだ。

 

 これらの男たちは、ネット上で互いに刺激し合っているため、すべてのやりとりと共通の接点を捜査する必要がある。米連邦捜査局(FBI)は、過去9カ月間で国内テロに関連して100人を逮捕したとしている。」(WSJ日本語版より引用)

 

このような状況に対しワシントン・タイムスが8月6日に配信した“Mass shootings spur call for proactive 'domestic terrorism' charges”によれば、トランプ大統領その他の有力政治家等が「国内型テロ」という言葉を使い始めているらしい。その理由は、イスラムのテロと同様に、事前防止のための通信傍受や令状の取得が、やり易くなることがあるのではないかと同記事は伝えている。

 

この「国内型テロ」とは、私が2018年に近代消防社から出版した『サイコ型テロへの処方箋』の中で書いた「サイコ型テロ」と同じものと考えて良いように思う。そのため以下の文章の内容は『サイコ型テロへの処方箋』の内容と木霊し、その後日談的なものにもなっていると思う。ご興味のある方は『サイコ型テロへの処方箋』も読んで頂ければ幸いと思う。

 

それは兎も角、同じワシントン・タイムスが8月7日に配信した“Trump 'all in favor' of expanded background checks after mass shootings”によれば、トランプ氏は銃購入時のバックグラウンドチェックにも力を入れる方針らしい。更に同時にThe Hillが8月5日に配信した“Trump suggests tying background checks to immigration reform legislation after deadly shootings”によれば、トランプ氏は移民法改正により移民のバックグラウンドチェックにも力を入れる方針らしい。

 

この記事の中では例によって“移民が必ず犯罪を犯すわけではない”と批判的な書き方になっている。だが私見では移民―特に不法移民が増えたことが、アメリカ社会の分断と憎悪の原因の、少なくとも一つになっていると思う。やはりトランプ氏は当然のことを言っているだけだと思う。

 

ところでワシントン・タイムス8月7日配信前掲記事によれば、トランプ氏はバックグラウンドチェックの延長上で“高リスクまたは精神障害とみなされる人々の手から銃を締め出す「レッドフラッグ」法に焦点を当てた。”という。

 

「レッドフラッグ」法とは何か?National Reviewが8月5日に配信した“Donald Trump Is Right to Call for Red-Flag Laws”によれば、これは刑法のギャップを模索する人々が、法の隙間をメンタルヘルスに関する問題で埋めて、いわゆる一時的な発作により銃の所有者が脅迫的な行動を示していると認められる証拠を提示できる場合、適切に作成された法律によって、個人の自由を保護しながら、人命を救うことができる“もので、適切に作成された「レッドフラッグ法」の要素として以下の条件を挙げている。

 

1.     申立人は被申立人と直接やり取りする狭い定義の人々(近親者、家族、雇用主、教育者)に限定する必要がある。

2.     申立人は、被申立人が自分自身または他者にとって重大な危険であるという明確で説得力のある、容認できる証拠を提出する必要がある。

3.     被申立人には請求に異議を申し立てる機会を与えるべき。

4.     緊急事態が発生した場合には、  特別請求を争うことができる。完全な公聴会は、好ましくは72時間以内に、迅速にスケジュールされなければならない。

5.     申立人が被申立人は所定の位置に留まるべきであるという明確で説得力のある証拠を提出できる場合を除き、規定の期間が経過すると命令は失効する。

 

これなら人権上の心配なく危険な「病気の人」を取り敢えず隔離できるわけである。そしてワシントン・ポストが8月7日に配信した“White House invites tech companies to discussion of violent online extremism”によれば、“ホワイトハウスは、9日にネットによる暴力の台頭について議論するためにトップのハイテク企業を招待し、テキサスでの集団射殺により22人が死亡した後のトランプ政権の最初の主要な関与とする。”

 

“5日のトランプはソーシャルメディアを広く狙い、司法省に「地元の州および連邦政府機関、ソーシャルメディア企業と協力して、大量攻撃者を攻撃する前に検出できるツールを開発する」ように命じた。”

 

“Facebook、Google、Reddit、および8chanはコメントのリクエストに応じなかった。Twitterはコメントを拒否した。”

 

“トランプの批判者の何人かは、長年の(補足:イスラム過激派によるものを含む)ネットによる憎悪と暴力の増大に連邦政府の資源を集中するように促し、(中略)代わりに、大統領は、Facebook、Google、Twitterなどのハイテク大手の想定される政治的傾向に注意を向けており、問題のあるコンテンツをレビューして削除するポリシーは保守派の検閲につながると主張している。”という。

 

逆にWSJが8月6日に配信した“”によれば、エルパソの犯人が犯行声明を書き込んだ「8chan」は事件後にオフラインにされていて、それに対して社長のワトキンス氏は強く抗議しているという。この「8chan」は文字通り日本の「2ちゃんねる」と殆ど同じもので、匿名かつ制約のない“言論の要塞”であるという。そのため今までも大量殺人事件等の声明や犯人同士の連絡に使われた疑いがあるという。しかし一方的にオフラインにされたりすることは、言論の自由に対する抑圧であると、ワトキンス氏は主張しているという。

 

しかし日本の「2ちゃんねる」でも何度も同様のことが起こったが、日本の「2ちゃんねる」は、その度にIPアドレス等を利用して、犯人逮捕のために警察に協力して来た。それも内容が具体的なものならば、声明を出しただけで実行する前の容疑者でも、IPアドレスや住所を警察に提供して来た。そのため今までも活動停止状態に追い込まれたことはない。

 

日本の「2ちゃんねる」にできることが、アメリカの「8chan」に出来ないのか?それを「8chan」がやれば、Facebook、Google、Twitter等もやらざるを得なくなるかも知れない。日米の法体系の違いもあるかも知れないが、日本ではネット事業者協会のようなところの申し合わせもある。それを米国に参考にしてもらっても良いのではないか?

 

何れにしてもトランプ大統領が司法省に命じた“大量攻撃者を攻撃する前に検出できるツールを開発”に成功すれば、このような事件を、かなり事前に探知できると思う。もし、そのようなものが開発されたら、ぜひ日本も導入するべきだと思う。

 

そして「レッドフラッグ法」である。これがあれば探知された犯人を事件を起こす前に身柄拘束することも出来る。しかも人権上の配慮も十分と思う。

 

アメリカでも「レッドフラッグ法」は、これから作られるようである。しかし登戸事件や京都アニメの事件を思う時、銃のない日本だからこそ、より精密化された「レッドフラッグ法」の制定は、急務と思われる。

 

以上の諸件が実現できれば、登戸事件や京都アニメの事件のような悲劇を、少なくとも減らすことが出来る。そのようなことの一刻も早い実現を一日本人として願って止まない。

 

 

 産経新聞電子版「iRonna」で行われた宮崎正弘氏と私との対談で予測したように( https://ironna.jp/article/13109?p=1 )、ついに米中の摩擦は貿易戦争から金融戦争へと発展した。8月5日、米国は中国を為替操作国に指定したのである。

 

 この問題に関して分析を深めて見たいと思う。

 

 NYTが8月6日に配信した“The U.S. Labeled China a Currency Manipulator. Here’s What It Means”によれば、5日の発表で、財務省は、中国は「過小評価された通貨を促進する長い歴史があり、不当な競争上の優位性を獲得するために最近その通貨を切り下げる具体的な措置を講じた」と述べた。

 

中国は、2008年以来初めて為替レートがドルに対して7人民元を下回った4日に、通貨の価値を下げることを許可した。中国の中央銀行は、トップからの合意なくしてこのような動きをすることはなかっただろう。

しかし、この動きは市場の力に沿っている。

(中略)

最近、中国経済の弱体化とトランプ氏の関税により投資家が通貨を売却しているため、こうした市場の力が人民元の価値を押し下げている。(中略)中国は、大量売却を引き起こす恐れがあるため、人民元の価値があまりにも大きく変動することに消極的である。

そのため、中国政府は、長年にわたり中国が輸入したよりも多くの製品を輸出してきた膨大な外貨準備に注目し、これらのドルを使って人民元の価値を支えて来た。“

 

しかし“5日に、中国当局は10年以上ぶりに人民元を最低レベルまで下げた。(中略)そして、中国の最近の減価がトレンドの始まりである場合、世界経済にはるかに大きな影響を与える可能性がある。

より安い人民元はアメリカの輸出業者に損害を与え、トランプ氏の関税の効果を損なう。また、ヨーロッパ、日本、その他の地域の輸出業者を傷つける。“

 

そこで“トランプ氏は、この為替操作国指定を利用して、より高い関税を含む中国に対するさらなる行動を正当化することも出来る”ということも出来る“という重大な問題を指摘している。

 

Washington Examinerが8月7日に配信した“Trump reaching limit on China tariffs — but has other tools”によれば、“米国の申し立てによりIMF等が中国を為替操作国に分類すれば、米国は基本的に他の通貨ツールを自由に使用できるようになる。”

 

 “例えば、トランプ政権が中国の電気通信会社であるHuaweiに課した制限の種類は、他の中国企業にも適用される可能性がある。”

“米国企業による対外投資に対する非常に厳しい審査プロセスを作成する可能性もあり、極端な場合には新規投資の禁止さえする可能性もある。中国に行った投資の本国送還を強制したり、中国政府の役人やビジネスマンによる米国への旅行を制限することさえできる”という。

 

Foreign Policyが8月7日に配信した“Is China Starting a Currency War?”によれば、“今週の通貨安のずっと前に、米国産業への中国の投資は上記のように減少している。タイミングはトランプの選挙と一致する(456億ドルから20億ドル)。だが、もっと多くの問題がある。中国の規制によるアウトバウンド資本の取り締まりが、減少の大部分を引き起こした。”と指摘している。

(引用元 : https://foreignpolicy.com/2019/08/07/is-china-starting-a-currency-war-yuan-depreciation-trump-trade-war-markets-huawei-hong-kong-india-kashmir/ )

 

つまり中国にとって、ドルの外貨準備が国内に大量に必要なのである。

 

その理由はCNBCが8月5日に配信した“China’s currency would collapse 30% to 40% if they stopped supporting it”によれば、“中国は、彼ら自身の通貨を買うために売るためにドルを持っていなければならない。彼らが通貨を自由にフロートさせたら、人民元は30%または40%低下する。”、“その理由は、中国はドルベースで世界のGDPの15%であると主張しているが、自国の通貨で決済される世界の取引は1%未満だからである”という。

 

そしてWSJが8月6日に配信した“Trade War Becomes Currency War”によれば、「金融機関以外の中国企業のドル建て債務は国内総生産(GDP)の6%に相当する8000億ドルに上る。中国の銀行のドル建て債務は同5%相当の6700億ドルだという。」、「為替の圧力が引き金となってドルやその他の通貨建ての債務にデフォルトの波が起これば、中国経済は打撃を受け、ポスト毛沢東時代で初のリセッション(景気後退)が起きる恐れがある。」(WSJ日本語版より引用)と指摘されている。

 

つまり今後のトランプ政権の出方によっては、金融面で中国を破綻させることは、十分に可能なのである!

 

では米国は返り血を浴びないのだろうか?

 

ロイターが8月8日に配信した“”によれば、“S&P 500 は、米国と中国との間の通貨戦争の懸念により、より多くの投資家が世界経済の強さを疑問視するようになったため、四半期の開始以来2.3%減少した。”しかし“7日には0.08%上昇しました。”という。

 

アナリストは“S&P 500が7月26日に最高値を記録して以来、収益を計上している企業の中で、収益予測を30%以上上回る企業の株価は、平均で3%しか下がらず、期待を逃した企業は7%低下するだろう”と考えていたという。しかし“第2四半期の結果を報告した企業のS&P 500全体の1株当たり利益は2.7%増加し、アナリストの推定を約73%上回る結果となった”という。

 

“米国経済のファンダメンタルズが非常に良好であり、収益が人々の最悪の恐怖を上回っているということ”であるという有力なアナリストの言葉も引用されている。

 

またワシントン・ポストが8月7日に配信した“Trump's trade war keeps punishing farmers. But farmers remain optimistic.”によれば、“中国商務省は5日、中国政府が3000億ドルの中国からの輸入で10%の関税を撤回するというトランプ大統領の宣言に対する報復として、米国農産物の購入をすべてキャンセルした。この動きは、悪天候と貿易戦争での中国の反撃の組み合わせに襲われてきた農民にとり厳しい”と指摘。

 

しかし“農業部門の400人を対象とした全国調査では、4人の内3人以上が、米国の農業に利益をもたらす方法で貿易の戦いが解決されると考えている”という。その理由は“農家は収穫期を終えていたので安心だった。そして天候も良くなった。作付面積の適度な部分を植え、適度な量の作物を得ることで、トウモロコシや大豆などの作物の価格も上昇していた。”からではないかという。

 

トランプ大統領の重要な支持基盤である農民が、この状態である。ウオール街に関しても前述の通りである。

 

これならトランプ大統領は安心して中国に金融面で大打撃を与えることが出来そうだ。それは日米に迫る中国の軍事的脅威も逓減させるだろう。一日本人として期待したい。

 

 WSJが7月23日に配信した“Russia-China Air Patrol Draws Fire From South Korean Jets”によれば、“ロシアとA-50の航空機が、韓国と日本の間の海域で韓国が管理する竹島の上の空域に飛んだ。それに応じて、韓国の防衛省は、360機の銃弾を発射してフレアを発射した18機のジェット戦闘機をスクランブルしたと語った。ロシアのA-50は韓国空域に2回出入りした、と同省は言った。

  韓国の高官は、ロシアの軍用機が韓国の空域を侵害したのは初めてだったと述べた。

  韓国国防省によると、ロシアの航空機が韓国の空域に進入する直前に、核兵器を落とすことができる2つのロシアのTu-95爆撃機と2つの中国のH-6戦闘機が韓国の防空識別ゾーンに入った。国の主権地域の一部ではない防空地帯は、互いの動きを追跡するためにこの地域の国々によって使用されて来た。“と報道している。

  これは同記事によれば“ワシントンとアジアの同盟国に新たな挑戦をもたらすモスクワと北京の間の新進軍事的パートナーシップの一部である。”、“米国はその地域で標的を攻撃する能力を実証するために地域に核対応可能な長距離爆撃機を送った。韓国は、朝鮮民主主義人民共和国との戦争の場合には、アメリカが半島に2,000機の航空機と690,000人の軍隊を送るだろうと言った。”、“もし日米軍事同盟を強化すれば、軍事的にも対応する以外に(捕捉:中露には)選択肢はない。”と分析されている。

 そして“モスクワはまた、北京との軍事調整を徐々に加速させており、昨年、中国軍をロシアの年次戦略的軍事演習に参加するよう招待した。”という重大な問題を指摘している。

 このままでは日本は重大な危機的状況になるのではないか?

(引用元: https://www.wsj.com/articles/tensions-rise-after-south-korea-fires-at-russian-warplane-11563892046

 それもあってか7月25日にエコノミストが報じた“South Korea and Russia face off in the skies”の中でも、この事件には言及されており、また同日に起こった北朝鮮による短距離ミサイル実験にも言及。“アメリカは、事件が韓国と日本に、それぞれに対する安全保障上の脅威が他からではなく、北朝鮮と中国(捕捉:そしてロシア)から来ることを思い出させることを望んでいる。そしてそれに応じて、(中略)韓国と日本は、肩と肩を並べるべきである”と結んでいる。

 また7月24日にニューズウイークが配信した“Russia May Be Testing U.S. Military's World Order with Air Fight Over Asia”でも、これらの事実に言及しつつ「日韓の対立は貿易問題に発展し、関係はさらに悪化している。このタイミングでアメリカの最大のライバルである中ロの軍事訓練が初めて行われたことは、両国の関係が新しい段階に達したことを表すのかもしれない。」(Newsweek日本版より引用)と結んでいる。

 今の日韓の経済禁輸対立に関してNational Interestが7月23日に配信した“Shinzo Abe's Underhanded Trade War Against South Korea”では、“安倍首相はより良い「戦略」として韓国と中国を「切り離す」べきである。(中略)韓国が西側にシフトすれば、安倍首相は間違いなくこれを勝利と見なすだろう。”と述べている。

 実際、Foreign Policyが7月30日に配信した“K-Pop’s Big China Problem”によれば、“韓国の輸出の25%以上が中国へ、さらに12%が米国への輸出”であり、さらに“2016年にTHAAD(注:を米国が韓国に持ち込んだことに対する中国の)制裁が打たれた後、韓国の収支黒字が5億2000万ドルから2億7000万ドルへと半分近く減少した”という。

 つまり今となっては韓国は日米よりも中国に近いと見るべきなのである!

 逆にワシントン・ポストが7月25日に配信した“North Korea fires ‘new type of ballistic missile’ into sea toward Japan”によれば、この日に北朝鮮が発射した短距離弾道ミサイルは、“最初のミサイルは約30マイルの高度で約265マイル飛んだと述べた。そして2回目は約430マイル走行した。

韓国の国家安全保会議は、発射体を「新タイプの短距離弾道ミサイル」と評価したと述べたが、米国と協調して最終的な結論を出すと述べた。“と報道している。

 これは記事の中では書かれていないが、アメリカの如何なるミサイル防衛システムも掻い潜ることのできる、ロシア製のイスカンダル・ミサイルである可能性が高い。他にも北朝鮮が、いま持っている核やサイバーの技術が、ロシア製のものであるという情報もある。

またワシントン・ポストが6月27日に配信した“Did Xi Jinping’s Pyongyang visit restart denuclearization diplomacy?”によれば、中国が国連や米国による北朝鮮制裁に協力したため、両国の貿易は2018年には前年比90%減だったそうである。

 つまり今の北朝鮮は、ロシアと極めて近い間柄なのである!

もし今まで述べて来たように韓国と中国、北朝鮮とロシアそしてロシアと中国が一体化して行くとしたら、それは日米にとって大変な脅威である。そのような方向に今後の世界は動いて行くのだろうか?

中露関係に関して見てみよう。

  エコノミストが7月27日に配信した“Partnership is much better for China than it is for Russia”によれば、ロシアと中国の接近は、ロシアがクリミア問題で西側の制裁を受けた2014年から急激に動き始めたという。

中国の経済は購買力平価でロシアの6倍であり、ロシアとしては中国との協力で経済力を向上させることによって、西側に対峙する誘惑に駆られても不思議はない。実際、ロシアの原油会社であるRosneftは、中国の資金調達に依存しており、その石油を中国に転用している。ロシアがドルの覇権を回避しようとしているので、人民元は外貨準備の大部分を占めるようになっている。(2018年には、人民元の割合が3%から14%に増加)。 中国はロシアの先進兵器システムに不可欠な部品を供給している。

  そして中国は、プーチン大統領が国民を統制するために必要なネットワーキングとセキュリティの手段の源にもなる。先月、ロシアは5 Gを開発するためにアメリカによって信頼されていない中国の電気通信会社であるHuaweiとの契約を結んだ 。したがってロシアは中国にしっかりと結びつけられてしまったとも見られる。

  しかし以下のような諸問題が中露間には未だ横たわっているのである。

1、   ロシアの経済はプーチンと結びついた財閥等の力の強い不安定なものであり、そのため中国としても本格的な対露投資には躊躇している。

2、   ロシアの偉大さを取り戻すというプーチン大統領の主張と、中国への従属的役割の明白な現実との間にも矛盾がある。

3、   これは中央アジアに緊張を生じさせ、中央アジアのイスラム過激主義を封じ込めることを望んでいる人民解放軍はタジクに軍隊を配置し、ロシアに相談することなく演習を行っている。

4、   中国人と違いロシア人が西欧風の自由を放棄するには限界がある。

5、   中国がシベリアに拡大しているという恐怖をロシア人は未だ憂慮している。

  そのためWSJが7月24日に配信した“China Promises Further Military Cooperation With Russia”によれば、中国は中露両国の爆撃機等が竹島周辺に飛来した翌日、「新防衛白書」を発表し、これからはロシアとの協力を強化して米国の外交政策等に対抗して行くと警告し、その前日の“空中パトロール”は中国とロシアの間の「共同運営能力の向上」を目的としていると述べた。

しかし同時に、中国は「同盟ではなくパートナーシップ」を望んでいるとも述べているのである!

  そのためかWSJ7月23日前掲記事によれば、モスクワと北京の間の軍事協力は、テクノロジーの面で未だ完全にハッシュ化されていないので今後はレーダー等の相互運用が問題になるのではないか?―という。

これなら中露間に楔を打ち込むことは不可能ではないようにも思われる。

  例えばニューズウイーク日本版が7月23日に配信した「輸出規制で在庫確保に奔走する韓国企業トップ」によれば、「韓国政府は(捕捉:日本の禁輸措置に対抗するため)部品や材料研究開発(R&D)に対する税制支援を拡大する方針を定めたが(中略)、韓国中小企業の核心技術は米国から1.9年、ドイツから1.6年、また日本からは1.8年遅れている。(中略)韓国製品が日本製品を代替しうる品質に到達する頃には、(中略)日本の技術はさらに進んでいるだろう。需要の好転が期待できないR&Dを韓国企業がどこまで継続するのか。日本からの輸入依存に戻る可能性も否定できない。」(ニューズウイーク日本版から引用)と指摘している。

 これは米露中の関係にも応用可能な考え方のように思われる。アメリカの中国に対する半導体禁輸等が続けば、中国の5Gその他のハイテク優位が崩れるかも知れない。そうすれば通常の通信システム一体化の切断だけではなく、軍同士のハッシュ化も妨げることが出来るかも知れない。

  シベリアや中央アジアの問題による中露間の不信感を高めるような情報操作をネット等で行っても良い。もし2016年にロシアが米国の大統領選挙に介入したとしたら、その意趣返しである。

  そしてクリミア問題を棚上げにして中国に変わってロシアに積極的な投資を行うことは急務ではないだろうか?エコノミスト7月27日配信前掲記事の末尾では、そうすればロシアは西側に戻って来るだろうと結ばれている。しかし今の西欧社会の風潮なのか、それはプーチン以外の誰かが大統領になるのを待つべきだろうとも述べている。

  確かにプーチン氏は優秀過ぎる政治家で、そのため彼に対する警戒感があるのは、仕方がないことなのかも知れない。しかし、そういう彼だからこそ“ディール”の相手としては相応しい面もあると思う。決して現実を見失わない人物だからである。そういう点で確かにトランプ氏とは良く似ているのである。

  そしてロシアとアメリカの協力関係が部分的にでも深まれば、今まで述べて来たことからして、北朝鮮も今より親米的になる。度重なるイスカンダル・ミサイル発射に関してトランプ大統領が“短距離ミサイルならハノイ合意に違反しないので問題ない”と述べているのも、それが目的ではないか?韓国は日本の禁輸政策の影響で、むしろ日米側に戻って来る可能性にも言及したと思う。

  そうなれば中国を孤立させることが出来る。トランプ=プーチン両氏の“ディール”によって、それが実現されることを一日本国民として願って止まない。

 

 以下のような保守系の大先生方とインターネット放送「チャンネル桜」で対談させて頂きました。全ての関係者の方々に感謝申し上げます。

パネリスト: 

 加瀬英明(外交評論家)

  田中秀臣(上武大学教授) 

  田村秀男(産経新聞特別記者・編集委員兼論説委員) 

  宮崎正弘(作家・評論家) 

 室谷克実(評論家) 

 吉川圭一(グローバル・イッシューズ総合研究所代表) 

 渡邉哲也(経済評論家)

 司会:水島総

番組URL: https://www.youtube.com/watch?v=hDmzrSmd2Cw

 

 産経新聞電子版「iRonna」にて大先輩であり大恩人でもある宮崎正弘先生と、トランプ政権の今後や米中新冷戦の行方 そして日米安保見直し等に関して対談させて頂きました。非常に良い評価とアクセス数を頂いているようです。宮崎先生と産経デジタル社の皆様そして読んでくださった皆様に心から御礼申し上げます。

              (写真提供:産経デジタル社)

対談記事URL: https://ironna.jp/article/13109?p=1

 在米台湾人アンディ・チャン氏が、ご自身のブログ「AC通信」で7月27日に配信された「ムラー検察官の国会喚問の大失敗」という題名の文章を、私のブログで題名だけ変更させて頂き、しかし内容には一言一句の変更もなく、以下に引用させて頂く。それにしても以下のチャン氏の文章を読んで頂ければ、ムラー特別検察官は3月22日にAKB運営会社が新潟のスキャンダルに関して行なった大失敗の記者会見と、同じ大失敗を7月24日の国会喚問で明らかに犯している。両者とも部下に書かせた報告書を良く読まないまま、記者会見や国会喚問に応じ、しどろもどろになってしまっている。このような人物が采配を振るった仕事が信用できないことは言うまでもないように思う。それにしても両方の“会見”とも相手側当事者―山口真帆氏やトランプ大統領が、ツイッターで“会見”中に反論したことは小さくない影響を与えたのではないか?この二人は天才的な人物であり、その手法等は多くの人が参考にするべきものと思われる。(文責:吉川)

ムラー特別検察官(吉川引用)

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 マラー検察官が22カ月の調査の後で発表したトランプ大統領のロシ
ア癒着疑惑の調査では、報告書の第一部でトランプのロシア癒着の証
拠はなかったと結論した。だが報告書の第二部ではトランプが調査を
妨害した疑惑調査では罪の証拠はなかったが、トランプの名誉を回復
(Exhonorate)するに至っていないと結論付けた。マラー検察官は調
査結果は全て報告書に書いたから付け加えることはないと述べたが、
マラー検察官は「トランプ有罪の証拠はなかったけれど、国会が大統
領を罷免する権利がある」と付け加えたのである。

この発言のため民主党優勢の国会はマラー検察官を国会に召喚してト
ランプを罷免するための新証拠を探すとした。共和党側はロシア疑惑
とはヒラリーが選挙違法ででっち上げたものでトランプは冤罪で、冤
罪をでっち上げたFBI/DOJを調査すべきだと主張している。国会喚問
の二つの委員会、司法委員会はトランプが選挙で違法行為があったか
について調査し、情報委員会はロシアの選挙介入についてトランプが
関連した疑惑とトランプがマラーの調査を妨害したかを調査する。

7月24日にマラー検察官は国会の司法委員会と情報委員会の喚問に応
じて、二つの委員会でそれぞれ3時間の質問に答えた。国会喚問の結
論は両党側の議員とメディアが認めたように民主党にとって大失敗
(Disaster)、または不発弾(Dud)だった。もう一つの結果は

後述するようにマラー氏の検察官としての信用がガタ落ちしたことである。

民主党側がトランプ不利な言質を得ようとした度重なる質問に対し、
マラー検察官は20数回も「報告書に書いている通り」と答え、新たな
証拠はなかった。民主党側の議員がトランプに不利な意見を述べても
マラー検察官は「同意できない」と答えるか、「私の調査に関係ない」
と答えた。民主党側の得た唯一の結果はトランプとロシアの癒着の証
拠はなかったと述べたことである。

トランプの調査妨害についてマラー検察官は「名誉回(Exhonorate)
と結論しなかった」と報告書にあったことを再確認した。民主党側は
名誉が回復できないとは「罪の疑惑が残っている」と主張しているが、
共和党議員は「検察官の任務は有罪証拠を調査することである、証拠
がなければ無罪、名誉回復は検察権の任務ではない」と反論した。更
に共和党議員は、「検察官の任務である有罪証拠がないと結論としたの
にトランプの名誉を回復しなかった」とし、司法部に名誉回復の責任
を取らせるようにしたと譴責した。

トランプとロシアの癒着(Collusion)調査について、マラー検察官は
「癒着」は法律用語ではないとしたが、共和党議員はMuller検察官が
癒着(Collusion)とはトランプがロシアと結合した陰謀(Conspiracy)
のことと報告書に書いてあることを指摘し、陰謀の調査でトランプが
ロシアと共謀した証拠はなかったと書いてあると指摘した。つまり癒
着(ロシアとトランプが共謀した)証拠がなかったなら名誉を回復す
べきなのにトランプの名誉を回復をする責任を司法部になすり付ける
べきではないと譴責した。マラー氏は共和党議員の何回もの譴責にす
べて沈黙を守り返答しなかった。

共和党側はマラー検察官がなぜFBIの高級官僚、Andrew WeissmannやPeter Stzrokなど、

反トランプ陰謀の仲間の人たちを使って調査した明白な違法行為を追及した。

更にこの調査はスティール文書と言う偽の証拠を元にFBIが

FISA(防諜スパイの調査申請)始めたことを追及したが

マラー検察官はスティール文書、ヒラリー、FISAの違法性など
については一切答えることはしないと断って共和党の追求を避けた。
そして更にマラー検察官は「私は仕事ができる人を起用しただけで、
反トランプの人物を選んで雇用したのではない」と答えた。

これを更に追及されたマラー検察官は呆れたことAndrew Weissmann
がヒラリーの当選パーティに参加したことやPeter StzrokとSteeleの関係を、

みんな知らなかったと述べ、スティール文書がヒラリーの金でFusion GPS会社が、

スティールを雇って作成したことなど、みんな知らないと答えたのである。

彼の起用した調査員の政治動向や反トランプの中心であるガセネタの
ことなど一切知らないと答えたのは衝撃的である。これでマラー検察官
が調査に不適任で部下に任せっきりだったことが暴露されたのである。

マラー検察官は数多の質問に答えることが出来なかった。6時間にわ
たる質問で報告書の内容も詳しくないことがわかり、議員の質問に対
して報告書のどのページかと聞き返し、議員に指摘されて報告書の該
当箇所を読んだあとで「ここに書いた通りです」と答えたことが20
数回にも及んだので、恐らくこの調査報告は部下のワイスマンが書い
たのだろうと言うことが判明した。つまりマラー氏は不適任でしかも
調査を部下に任せていたことがわかった。ワイスマンは反トランプの
首魁だから報告書の信憑性、正当性が疑問視されることになった。

この国会喚問は民主党のロシヤ癒着の調査と共和党のトランプ冤罪を
でっち上げた証拠を探すためだったので、民主党と共和党の双方から
いろいろな質問があり、双方にとって有利、不利な結果があったので、
注意しなければ「群盲象を撫でる」報道となってしまう。特に翌朝の
「テレ朝」の報道は、「トランプ氏は大統領の任期を終えたら追訴でき
る」と述べていた。これではまるでトランプは有罪だが在職中は起訴
できないが、退職すればすぐ追訴され有罪判決を受けるように思われ
てしまう。

実際に起きたことは当日朝の聴聞会でTed Lieu議員(民主党)が大統
領を退職後に追訴出来るかと訊ね、マラー検察官が「法律は全ての人
に公平だから退職後は追訴できる」と答えたことである。しかしこの
あとマラー検察官は午後の聴聞会で「この答は不完全である。誰でも
追訴する権利はあるが、本調査でトランプ大統領の有罪証拠はなかっ
た」と追加説明した。

トランプ大統領の追訴について民主党議員は「法律上の時効」は5年
だがトランプ氏が2020年に再選を果たせば退職は8年後で、時効にな
るだろう(ロシア癒着は2016年)と言った議論がなされた。マラー検
察官の追加説明でトランプの有罪証拠はなかったと言明したので時効
論は意味がない。

国会喚問の翌日、民主党側はトランプ有罪の追加証拠はなかったが、
トランプ罷免の努力は継続すると発表、これに対しペロシ国会議長
(民主党)は証拠がなければ罷免はできない、たとえ下院が罷免案を
通しても上院で否決されると述べた。

共和党議員の大多数は、トランプのロシア癒着は冤罪であることが
わかった。今後はトランプの冤罪をでっち上げた真犯人の調査をす
べき、William Bar司法長官の「冤罪調査の調査」に期待すると述べた。

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 危機管理とは対立する二つの要素を融合させるものであると前にも述べた。例えば大きなテロや地震等が起きた時に、日頃は業務内容の相性が悪い組織である警察と消防に協力させるようなことである。そのためには両方の組織が協力しているというイメージを作ることが重要になる。物語を紡ぐことと言って良いかも知れない。

 これはシステム・サイエンスの世界でヴァレラという学者が言い出したオートポイエシス論に繋がる。この理論はアレルギー現象を説明するもので、細菌等が体内に入ったわけでもないのに免疫系が動き出すアレルギー現象とは、免疫系が体内に対して持っているイメージが変わったので作動し始めてしまうと考えるものである。ということはイメージを変えることで、アレルギーが収束することも考えられるのではないか?

 それは健康体に戻ることだけを意味しない。むしろアレルギーの発生以前以上に健康になる可能性もある。マイナス方向への変動から回復した反動等によって。あるいはイメージやシステム全体の見直しによって。テロや地震を契機として、警察と消防の関係が良くなったり、共同指揮所が設けられたりするようなものである。それは多くの住民にも頼もしいイメージを与え、社会全体が「健康体」になる。

 いわば「死と再生」の物語である。

 やはり前にも書いた通り“危機管理”とは、1000万円の損害を300万円に抑えることではない。1000万円の損害を出したことで、3億円の利益を得るのが真の“危機管理”なのである。

 そして新しく作るイメージとは、必ず良いイメージでなければならない訳ではない。惨めなイメージを発信した方が良い場合もある。警察や消防の救助作戦が上手く行かず非常な苦労をしているイメージが広がった方が、これらの組織に住民が積極的に協力しようという意識を持つようになるかも知れない。危機収束後に共同指揮所を作るために多額の税金を使うことにも、肯定的になるかも知れない。

 そこで苦労している惨めなイメージを意図的に発信するという方法もある。そうすることで前述のように最終的にメリットを得る訳である。

 そういうのを古い日本語で「見返し」というのではないだろうか?

 これをAKBおよびAKBの楽曲の歴史を具体例として考えてみよう。

 「ヘビーローテション」は、あらゆる才能に恵まれながら、AKBに入ってからは、才能不十分な前田の後塵を拝して来た大島が、選挙に勝って作って貰った曲である。そのような曲の作られるプロセスや大島の心境が、イメージとして歌詞に込められている。このイメージによって前田=大島抗争は一旦は休戦しただけではなく、AKB自体が国民的アイドルとしての立場を不動のものにした。

 まさにイメージの再建による内部対立の克服と対外的な影響力の向上であった。一種の「死と再生」の物語と言って良いだろう。

 「フライングゲット」は、その大島から1位を奪回したことで、自信を回復した前田の心境が、イメージ的に歌詞に込められている。これによって前田=大島抗争は終結し、AKBはレコード大賞を取って日本の芸能界の頂点を極めた。

 いわば「ヘビーローテション」以上に成功した「死と再生」の物語であった。

 「恋するフォーチュン・クッキー」は、男性の恋愛の対象になりにくい女性が、奇跡の力で夢を実現してしまう歌詞である。これが、この曲が作られるプロセスが、イメージ的に込められている歌詞であることは言うまでもない。

 この前2作よりはシンプルな楽曲である「恋するフォーチュン・クッキー」が、AKBの代表曲と言われているのは、「見返し」の物語に成功しているからかも知れない。この歌を聴いていると、普通は男性の恋愛の対象になりにくく、まして一度はスキャンダルで厳しい制裁を受けた女性が、そんな自分を軽く見た世間を「見返し」ている視線を、感じることが出来るように思う。その「見返し」の視線こそが、世の多くのー特に女性がー「恋するフォーチュン・クッキー」を名曲として愛する理由なのかも知れない。

 それを歌った指原莉乃氏の卒業や、新潟支店のスキャンダル等によって、AKBは半年以上もCDを出せなかった。しかし9月18日に、いよいよ新CDを出すことになった。

 それは7月24日の歌番組で披露されたが、今までのAKBの“クラスで5番目の美人”でもスターになれますよ“というコンセプトで頑張って盛り上げて来たベテラン達の内で、どうしても外せない数名を残して、より新しく若くビジュアルに恵まれた女性タレント中心に、この新曲が歌われた。7月13日には同じようなメンバーでAKBの10年前のヒット曲が歌われている。

 これは昔からAKBを知っている人々には新鮮に見える。最近ファンになった人間にも良い印象を与える。まさに「死と再生」の物語を今、AKBは実演しようとしているのかもしれない。

 特に9月18日発売予定で7月24日の歌番組で歌われた新曲「サステナブル」の歌詞の内容は、それだけを見ると「恋するフォーチュン・クッキー」と同じか、それ以上の「見返し」の歌になっているのである。自然の成り行きで愛情が消えつつある恋人が、その愛情を何とか再生させようとする内容なのである。

(引用元: https://www.youtube.com/watch?v=5h5RQo-5zRI )

 “これっきりじゃあ悲しすぎる”、“(愛情が冷めつつある)自分達を客観的に見たらダメだ”、“どんな風に思われても良い”、“もう一度、もう一度”、“このまま忘れられるものか”―これらの歌詞がスキャンダルの連続等で人気が低迷し解散の危機に直面しているとまで言われている今のAKBをイメージした言葉であることは言うまでもないように思う。それは決して良いイメージとは言えないかも知れない。むしろスキャンダルの連続等で人気が低迷しているアイドル団体の惨めな姿を歌っているようにも受け取れる。

 しかし、そこが良いようにも思う。「恋するフォーチュン・クッキー」は指原氏個人の歌だが、「サステナブル」はAKB全体の歌である。

 実は「サステナブル」をセンターで歌う矢作という女性に関しては、この春に重大なスキャンダルが出かかったことがある。この歌詞はスターの座から滑り落ちかかっている矢作という女性個人の歌の部分もあるように思う。そういう意味では非常に巧みな「入れ子」構造にもなっているように思われる。

 何れにしても「サステナブル」の歌詞を聴いていると、人気の低迷している個人ないし団体が、そのような自らの惨めなイメージを敢えて晒すことによって、注目を集めサプライズを起こし、そうすることで自らを軽く見た世間への「見返し」の視線を送っているように、少なくとも私は強く感じざるを得ないのである。

 この曲が第二の「恋するフォーチュン・クッキー」あるいは、それ以上の作品になるか?AKBは奇跡の復活を遂げるか?「死と再生」の物語を紡ぐことが出来るか?

 それは9月18日の初日発売枚数に掛かっている部分が非常に大きい。

 因みに「サステナブル」の予約は7月23日すなわちテレビでの最初の披露の前日から始まっている。普通テレビでの披露は発売の数日前のパターンが多いにも関わらずーである。2ヶ月近い時間の間には「サステナブル」に込められた「見返し」の視線が、日本中に浸透するかも知れない。その「サステナブル」テレビ披露の10日前に、別の番組でAKBが新しい顔ぶれで10年前のヒット曲を歌い、新旧ファン双方にAKB全盛期と今とを重複して見させたーやはり「死と再生」の物語を紡いだーことも前述した。

 この一連の流れを見るとAKBは「死と再生」の物語を紡ぐことが出来るかも知れない。

 それにしても前記のような日程調整、メンバーとセンターの選び方と「入れ子」構造そして「死と再生」や「見返し」の物語を良く理解した歌詞の作成。秋元康氏は危機管理の才能が非常にある人のようにも思える。私が何冊かの本で主張したような“危機管理担当大臣”を設置したとしたら、意外な適任者ではないかと思うことがある程である。

 

 7月22日に行われた吉本興業社長の謝罪会見が大きな波紋を呼んでいる。この問題は実は、ジャニーズ事務所が公正取引委員会から注意を受けた問題そしてAKBの新潟騒動と深く関係している。その背景には安倍政権のクールジャパン戦略を利権化しようとする新興上級国民とも言うべき勢力や既成利権勢力に対し、それを阻止しようとする主流派上級国民による上からの革命―いわば令和維新とも言うべき問題が隠れているようにも思われる。

 この問題に関して詳述して見たい。

 今までにも述べてきたように、AKBの海外展開には、クールジャパン戦略の多額の予算が使われている。一説では約40億円だそうである。それを上回る100億円の予算が吉本興業にもクールジャパン戦略から支出されている。両方の組織の会計等の透明性に問題があることは、この両組織に関するメディア等でも報道されている色々な疑惑を見れば、容易に想像できるように思われる。

 これはオリンピックを控えた日本にとっては世界に不名誉を晒しかねない重要問題である。そこで、この問題をクリヤーにするために、主流派上級国民が動き出したのではないか?

 それは笹川一族である。

 小泉構造改革を利用して上級国民に成り上がった人々がいる。インターネット関係のビジネスや国際ファンドあるいは人材派遣業等である。これら上級国民と吉本興業のような古い体質の芸能事務所やパチンコを含むエンターテイメント産業そして言うまでもなく建設業といった小泉改革以前からの既成利権勢力とが協力して、21世紀に入ってからの日本の社会を陰から動かし、利権を享受して来た。

 その集大成が東京オリンピックである。オリンピックに関係している人々は、ライブドア事件、押尾学=酒井法子事件、チャゲ&アスカのアスカ氏の事件等に、陰で関わったと噂される人々が多い。この人々は新興上級国民であり、彼らのビジネスもクールジャパンないし別の政府補助金で成り立っている部分がある。また既成勢力の権化である建設業界とオリンピックとの関係も言うまでもない。オリンピックの予算が当初予定の数倍のものになっている理由も、そこにあるのではないか?

 このようなことが特にオリンピックを契機に外国に露見したとすれば、それは日本にとって非常に不名誉なことである。そこで主流派上級国民である笹川一族が立ち上がったのではないか?

 小池百合子氏が都知事選に立候補した時、笹川一族が熱心に応援している。これはオリンピック正常化が目的である可能性は高いと思う。

 そしてAKBの新潟騒動が起きた後、騒動の中心人物で被害者の山口真帆氏は、AKBを事実上追放になったが、その後は研音という日本最大手の芸能事務所に所属している。研音は実は競艇関係の会社から発展した芸能事務所で、笹川一族と浅からぬ関係が未だある可能性がある。

 今回、問題になった吉本興業にしても、笹川一族の牙城である日本財団関係の仕事は幾つもしているので、その内実に関する情報に詳しかったり、タレントの何人かと笹川一族が親しい可能性もある。

 そもそも二つの出来事の間にジャニーズ事務所が公正取引委員会から注意を受けている。笹川一族はジャニーズ事務所を退所後にテレビ出演等を同事務所から妨害されていたと言われるタレント達を応援して来た。今回の公取委の注意の契機となったのも、それら元ジャニーズのタレント達の日本財団関係のイベントへの出演だった。そして7月23日、日本財団の笹川陽平会長がブログで、ジャニーズ事務所から独立後テレビ出演を妨害されていたタレント達のテレビへの復帰を望むという宣言を出している。

 このジャニーズ事務所の問題と、AKBの新潟騒動とが、吉本興業のタレント達を勇気付け、会社を告発する行動に出させた可能性は非常に高いと思う。公取委の注意や笹川会長の宣言によって今後は事務所とトラブルになってもテレビ出演を妨害される心配は少ない。特に宮迫氏等の記者会見と、そこでの発言内容、吉本興業社長の記者会見中の関係タレントのツイッターでの発言等、山口真帆氏の手法の影響を非常に強く受けているように思われる。

 その山口氏が所属していたAKBグループであるが、7月1日に経営陣を一新した。殆どの人がインターネット関係や海外事業等に関係する新興上級国民系の人々である。彼らがクールジャパンやニュービジネス振興関係の多額の政府予算を貰って来た人々であることは言うまでもない。

(引用元: https://aks-corp.com/ )

 それらの政府補助金等の事業を通じて彼らは秋元康氏とは旧知の間柄なのである!

 その彼らが多額の資金を持ってAKB運営会社AKSに乗り込んだ。新潟支店の問題で、AKSが資金難に陥っていたからかも知れない。そして彼らは、その資金を使って、今まで資金的にAKSを支配して来たパチンコ機械メーカー享楽の関係者を、AKSから駆逐し始めた。そしてAKSを株式上場することで資金の流れの透明性を高めようとしている。

 それに対して享楽の代理人としてAKSに送り込まれた吉成夏子氏は、最後まで抵抗し、社長の座から去る様子は今のところはない。そのため新しい役員の一部が数週間で辞めたという情報がある程である。吉本興業の社長が、あれほどの問題を記者会見で露呈させたにも関わらず、社長を退任するつもりがなさそうなのと同じである。因みに吉本興業も株式を上場していない。

 実は吉本興業もAKB大阪支店の経営その他を巡って、享楽とは深い関係があるのである。享楽も株式は上場していないので会計には不透明な部分がある。そこで国会ないし大阪府議会、新潟県議会等で、享楽を追求する動きが出て来ているらしい。そもそも新潟にAKBの支店を誘致した副知事が既に二人も解任されていて、この度の参議院選でも誘致に関係した議員が落選している。そして新潟県内選出の衆議院議員のスキャンダル等も出始めている。

その背景に笹川一族がいたとしても、不思議はないだろう。

 この様に主流上級国民である笹川一族が、既成勢力や彼らと結びついてクールジャパンその他の政府補助金を不透明に使う悪質な新興上級国民の、討伐に乗り出しているようだ。それに協力することで自らも主流派上級国民になろうとしているのが、秋元康氏と彼と近しい上級国民達なのではないか?山口真帆氏を研音に入れたのも以前に研音タレント中心の番組の企画をしたこともある秋元氏だという説もある程なのである。そして日本財団はオリンピックのボランティアを統括するような立場にあり、そこでオリンピック組織委員会理事でAKBをオリンピック開会式等で使うことでカネと名声を得ようと考えていると思われる秋元氏としては、とても大事にしなければならない存在なのではないか?

 このAKBオリンピック開会式参加問題等に関する私の“秋元氏は全AKBグループをAKSからキーホルダーという会社に移動させることで再生させようとしているのではないか?”という予測は、今のところ外れているが、その理由はキーホルダー社の親会社であるJトラストは、かつてライブドア等とも協力して発展して来た経緯があり、そこで秋元氏としては、オリンピック開会式にAKBを使うことや、あるいは自分が主流上級国民になるには、深く関わらない方が良いと判断したのかも知れない。

 これらの動きは下級武士が皇室を担ぎ出すことで幕藩体制を倒した明治維新を思い起こさせる。まさに令和維新である。

 この令和維新を完成させるには、やはりAKSや吉本興業等の現社長の退任は不可欠だ。幕末の会津戦争のようなものである。そのためには享楽に対する国会や県議会での追求も大事かも知れないが、少なくともAKSに関する限り、山口真帆氏には未だに役割が残っているのではないか?

 山口氏は研音に所属してから特に活動していないが、その理由の一つはAKSが彼女の襲撃犯2名に対して起こした民事訴訟の行方の問題があるのではないかとも言われている。この問題に関して重要なタイミングで彼女の“ツイッター砲”が炸裂した時、現AKS社長は退任せざるを得なくなるのかも知れない。

 山口氏は“令和のシンデレラ”と呼ばれているが、むしろ“令和の逆・新島八重”あるいは“令和のジャンヌダルク”と呼ばれるべきではないだろうか?

 ジャンヌダルクは不名誉な死を遂げた。小池百合子氏も2017年の選挙以来それ以前の“ジャンヌダルク”イメージとは真逆の悪いイメージで見られるようになっている。山口真帆氏の今後に類似したことが起きる可能性は低くないようにも思われる。

 しかし小池、山口両氏であれば、その試練を乗り越え、令和維新を実現してくれるのではないかと私は期待している。そうでなければ東京オリンピックやクールジャパンの問題を巡って日本は悪質な新興上級国民の支配する国になってしまうからである。