「美味しいわね、ユリさん」


「はい、お母様」


なんだ、この二人は?気が合うのか?


ウンザリして、小さくため息をついたのを


見逃さなかったらしい。


「ヒョンシクさんは、和食がお嫌いですか?」


と、ユリさんが聞いてくる。


「この人は、食べることに興味がないのよ」


「そうなんですか?じゃあ、無理して私が
 作らなくても、構いませんね」


「もちろんよ!お手伝いさんにやってもらえば
 いいわ。ユリさんは、好きなことをして
 いつもキレイでいればいいのよ」


そりゃね。


あんたも、家のことは自分で何もしないもんな。




「私、ジューンブライドに憧れてたんですけど
 雨の多い時期だと大変でしょうか?」


「あら、私も6月に結婚したのよ。大丈夫よ。
 そういえば、ヒョンシクさんの誕生日が
 6月よ。今年はお誕生日が土曜日だから
 お客様をお招きするにはいいかもしれないわね」


「ちょっと待って下さい。まだ僕たちの
 結婚の話は決まってないはずですよね?」


「それが、ヒョンシクさんのお父様と
 私の父の間では、決まったようなもの
 みたいですけれど」


「そうよ、ヒョンシクさん。何を迷うことが
 あるの?ユリさんみたいにステキなお嬢様
 そういらっしゃらないわよ。あなたたち
 年齢的にも、とってもお似合いよ」


年齢的にも、というところを特に強調して


すました顔でワインを飲み干す義母。


やれやれ。




「どういうことですか?」


ユリさんが手洗いに立った時に


義母に問いかける。



「お父様が、ユリさんのお父様とお食事してね。
 話が盛り上がって、進めてきたのよ」


「勝手に困ります。断りますから」


「ユリさんのお父様の会社と、業務提携を
 することになったの。破談となれば、うちは
 かなりのダメージを負うことになるわ。
 お父様が、許すわけがないと思うわよ」


「それでも、僕はユリさんと結婚するつもりは
 ありません」


「困ったわねぇ。あなたひとりの問題では
 ないのよ。あなたが出向している会社にも
 被害が及ぶかもしれないわよ。いいの?」


確かに、俺たちの勤務する会社に


影響を及ぼすことなど


父の力を持ってすれば、簡単なことだろう。


「お父様がね。ジュノには会社の経営は
 無理だと。あなたをトップに見据えた
 ビジョンを考えてらっしゃるの。
 そこから逃げ出すなんて無理よ」


「すべてを投げ出しても?」


「会社が立ち行かなくなっても?」


「ボクの代わりはいくらでもいるでしょう?
 ジュノを役員に置いて、誰か有能な社員に
 経営をやらせればいい」


「それをお父様と話し合うべきね」


「そうですね。そうしなければならない
 と思っています」




ユリさんが帰ってきたので


話はそこまでになった。



今週末は、神戸に行こうと思っていたが


韓国に戻って、父と話し合う方がいいのか。


一度、電話で話すか?


結婚したい人がいるなどと言ったら


彼女まで巻き込んでしまうかもしれない。


彼女を傷つけたくない。


絶対に。
 














🌻画像お借りしました
 ありがとうございました🌻






※これは、私の妄想小説です。
 細かく調べて書いている訳ではありません。
 それは違う、おかしい、というツッコミは
 無しで、軽く読んで頂けたら幸いです。