城郭金箔瓦について

 

織田信長の安土城が始まりと言われた金箔瓦、近年の発掘調査では岐阜城山麓居館跡より棟飾り金箔瓦が最古の城郭金箔瓦ではないかと言われています。

 

織田信長の城郭金箔瓦始まりを検証したいと思います。

検証する資料として各発掘調査報告書を参考に考察したいと思います。

 

信長在城期間   城郭    出土瓦 

1562~1567   小牧山城  該当瓦出土無し (R5年4月21日現在)

 

1567~1573   岐阜城   飾り棟板瓦 金 生漆塗り? 現在の所軒丸、軒平瓦は出土無 (R5年4月21日現在)

 

1576~1582   安土城   軒丸、軒平、鯱瓦などの役瓦 生漆 金箔蒔技法 安土城の場合(生漆を塗りその上に金箔を撒きさらにその上から生漆を漆る)特別史跡安土城跡発掘調査報告書 12 平成14年3月 P258~P258

 

織田信雄     松ヶ島城(松坂城)軒平金箔瓦 金箔蒔技法 蛍光エックス線分析資料無

 

織田信孝     神戸城  金箔瓦 蛍光エックス線分析資料無

 

その他

中村氏、徳川氏  駿府城   軒丸、軒平、鯱瓦などの役瓦  接着法 天然アスファルト、釉薬、漆喰、漆、水銀朱                

 

 

蛍光X線分析の金箔純度比較 

 

岐阜城 金以外の銀、銅、亜鉛、鉛などの真鍮箔かも金成分も有 岐阜城跡2 P130~P132

 

安土城 純金度99.9% 特別史跡安土城跡発掘調査報告書12 P257~P258 

    最新の分析結果では純金度95%ほどとのデータもあり

    金箔も後世の物より厚み有り

 

駿府城 純金度97wt% 銀、銅、若干の金以外の金属有 駿府城本丸、天守台跡 第三分冊  P36~P42

 

信長の城郭専用瓦 削り、ミガキ削りの二次調整加が極めて入念な作り 岐阜城山麓居館 飾り棟板瓦  安土城主郭部、軒丸、軒平瓦、役瓦など

 

金箔瓦の凹凸による信長の金箔瓦判定? 駿府城発掘調査により凹の部分金箔瓦 織田親子だけでない、金箔瓦工人違い?

棟板瓦などの役瓦は安土城巴紋丸飾瓦りでも凸部にあり軒丸、軒平以外の為岐阜城飾り棟板瓦は信長期の可能性有?

 

山麓居館周りの環境 金華山山麓の池泉遺構などに囲まれた西側ジメジメした環境 檜皮葺、茅葺きの場合20年も経過すれば痛みが激しい為葺き替え工事の可能性有?

その為信長期1567年から1600年関ヶ原前哨戦までの間葺き替え工事の可能性(コビキBなどの信長期以外の瓦の出土有)

金箔瓦へ棟板瓦の再利用の可能性 信長期以降の修理時に新たに金箔を張った可能性 金箔残量が微量の為金箔蒔技法か金箔押貼技法か判断できず。

凸の場合金箔押貼技法、凹の場合金箔蒔技法の使い分け安土城でも有りか?

 

金箔遺存状態 年月、風雨、太陽光による漆の痩せ(漆の劣化)、湿度、日向、日陰、東西南北などの周りの環境、戦時の被災その後の保存状態で変わり金箔の成分構成純度、金箔蒔技法、金箔貼技法、など各城郭発掘調査報告書よる成分分析 蛍光エックス線分析や年代測定放射線炭素測定新たなる科学分析に期待します。