山崎です。
前回のブログでお伝えした内容とは違いますが、先日オーダーメイド・コースの第一回目を実施しましたので、今回はそのエピソードをお伝えします。
参加したRくんの目標はロボット開発であったため、まずはその基礎となる電気回路を学ぶ電子工作からスタートしました。
■やられました!
今回の電子工作では、光スイッチでモーターが駆動し、プロペラが回る仕組を作ります。
電子工作をギフターと始めて20分くらいの間は、モーターの原理などいろいろと質疑をはさみながら進められており、「いい調子! いい調子!」と私も側から様子を伺ってそう感じていました。
ですが30分くらいしてから、二人のペースがピッタと止まってしまったのです。
どうも光センサーのスイッチ(光を感知してスイッチを入れる仕組み)が入らないとのことです。
テスター(電気が流れているかを測る道具)を使って、部品一つずつを調べます。
「電気が流れていないね。」
「どうして?」
「部品の故障かな?」
「それとも、部品と基盤の接触が悪いのかな?」
そんな二人のやり取りが続きます。
基盤にコンデンサ(電気を溜める部品)などの部品を配置する比較的簡単な工作なので、半導体技術者であるギフターが、そんなに悩むところはないはずです。
それでもなかなか解決しません。
側にいた私も参戦しましたが・・・、もちろんダメでした。
そこで、Rくんから提案がありました。
「コンデンサのプラスとマイナスが逆じゃないの?」
藁をもすがる思いであった大の大人ふたりが、その提案を試さないはずがありません。
早速試してみたところ、
なんと!光センサーのスイッチが入り、プロペラが回り始めました!
大人も子どもも関係なく三人で大喜びです。
コンデンサは、通常は足の長さが長い方がプラス、短い方がマイナスです。
ですが、今回は電子工作をしやすくするために、ギフターがそれを短く揃えて切り、プラスとマイナスの印をつけていたのですが、その印をつけ間違えていたことがわかりました。
■知識と体験が重なり“知恵”が生まれる
Rくんは知識欲が非常にあり、小学校では自分に合った興味を伸ばすことができず、学校嫌いになってしまったそうです。そんなRくんにとって、プラスとマイナスの位置が逆さの可能性があることは、当たり前の知識として持っていたにちがいありません。
しかしながら、単なる知識と全く違うことは、その知識から目の前の問題を解決したという体験を得られたということです。この体験から、「当たり前のことかもしれないけど、まずはやってみることが、問題解決の第一歩につながる可能性がある。」ということを、学んだのではないかと思うのです。
電子工作の時間に限らず、他の分野で何かの問題に直面した際にも、生き生きとした行動を生む教訓として、この体験が彼の腹に落ちたと思います。教科書には、「プラスとマイナスの取り付け位置を間違えるとモーターは動かない」と書いてあるかもしれませんが、知識レベルではそれ以上のことは期待できません。
まさにこの教訓が“知恵”と呼ばれるものだと思います。
知識の使い方が知恵であり、別の言い方をすれば、知恵とは行動を起こさせる知識とも言えるかもしれません。
インターネットを介すれば何でも調べることができ、単なる知識を持つことに大きな意味を持たなくなりつつある現代において、子どもたちがお手本のない未来で自分らしく生きるためのベースとして、このような知恵を育むことが非常に重要ではないかと改めて感じました。
■達成感や幸福感のサイン:「体ウキウキ体操」現る!
Rくんにとって今回の体験は、少し大袈裟かもしれませんが、この上ない悦びとなったと思います。
子どものころを思い出してみて下さい。
すごく楽しかったり、嬉しかったりした時は、何だかソワソワしてその余韻に浸るように体を揺すったり、くねくねしたりしませんでしたか?
私たちはこれを、「体ウキウキ体操」と呼んでいます。
8歳のRくんも、プログラム終了後に机の下に潜り込むなどして、この体操をしていました。
それを見て、今回のプログラムは彼にとって成果があったとの確信を、少し緊張気味であったギフターと私は得ることができました。




