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Gift to you <3

ただ詩うだけ。

もしも目の前に死を宣告された人がいて、その人が生きたいと強く願い、未来に胸を躍らせていたなら…私は死にたいのよ、なんて言えるだろうか。
きっとその人は深く傷つくだろう。そして、じゃぁ何故あなたは死を宣告されずに自分が宣告されたのかと悔やむだろうか。私はあなたと代わってあげたいなんて言えるだろうか。
私より半分も生きていない人が、この世には沢山いろだろう。その一方で死にたいと思っている人が何人いるのだろう。何故生きたいと強く願う人と死にたいと強く願う人が、入れ代わる事ができないのだろう。
私は自殺しようとした事はない。
ただ走り抜ける電車に飛び込みたいと思った事は計り知れない。何度も何度もシュミレーションしては、遠くを見つめるだけ。
残された人が何を思うか何を考えるか、手に取るように解るから…だからその一歩先に踏み込めないでいる。
きっと自分が想像している以上に、残された人達は傷つくだろうから。
だからニュースを見て事件や事故が起こる度に、何故私じゃないのかと問う。事件や事故に巻き込まれた遺族にとっては、加害者よりも腹立たしい限りだろう。
そこで考える。何故私は死にたいのか。人が生きる事に希望を見出すように、死ぬ事が私の唯一の光だった。
闇に包まれた世界を照らす唯一の光。
誰に頼まれた訳じゃない。ただ自分のエゴだったのかもしれない。守りたかったモノがあった。その為に私の全てを差し出した。失って失ってまた失った。後悔はしないと…自分に言い聞かせた。腹を括り自分は幸せな振りをして、沢山嘘をついて沢山裏切って、そしてお金をもらった。結局はその汚いお金で家族を養った。今更普通の女の子に戻りたいと願っても、汚れた私はどんなに着飾っても綺麗にはなれない。そしてそれはこれから一生つきまとい、背負っていかなければならない。その罪から逃れる為に、私は死にたいのだろうか。それでも私は後悔していない。間違ってなかったと思いたい。じゃなければ報われない。
いっそ誰も私の事を知らなければと思うのに、人と関わる事をやめない自分がいる。誰かが救ってくれる事を何処かで願っているのだろうか。そんな事は烏滸がましいとさえ思う。
許しをこうには重たい罪を犯した。
いつかタクシーの運転手が言った言葉を今でも覚えてる。「決して染まるな。そのままで居て早くやめなさい。」見た目はそのままでも結局は染まってしまっていて、ただ必死に生きていた。何が起こったかなんて思い出せないくらいがむしゃらだった。それは私が生きる為ではなく、生かす側だったから。見捨てる事は頭にはなかった。だから、自分を捨てたんだ。
全てをそこに差し出した。だから、もう終わりにしたい。でも、もう終わりが近いと思ってる。誰かに死を宣告されたわけじゃないのに、何処かで悟ってる。人生の予定を聞かれると、その頃は生きていないと、普通に話してしまいそうな自分がいる。不思議な感覚ではあるけれどやっと幸せになれる。解放される。全てが楽になる。その思いの方が強かったりする。だから今を生きていけるんだと思う。
まるでクリスマスを心待ちにしいて、ツリーの下のプレゼントを開けるようなそんな気持ちでもあり、少し冷たい風が頬をかすめて、木陰に座り緑の絨毯が靡くのを見ているような穏やかな感情。「おかえりなさい。」優しい声と微笑みで私を迎えて、そっと抱きしめてくれる温もり。そこが私の安らぎの場所なんだと思う。本来、私が居るべき場所。この世にはもう安らぎの場所など見当たらない。そんな場所は最初からなかった。なんて生きにくい世界なんだろう。呼吸さえつまり手にはいつも汗をかき緊張している。布団に入れば心臓の鼓動が聞こえ、脳はいつも悲鳴をあげている。夢の中でも安らぎはなく、うなされる日々。
私の居場所も安息の地も見つけられない。私は私をいつか殺すのだろうか。
今、私は沢山の私達と向き合っているのだろうか。ぐるぐると回る。それは目ば苦しい世界。夢現。死んだら悲しむだろうか?いっそ誰かに引き渡してしまえば楽になるだろうか?未練があるとしたら、愛犬達と別れることだろう。それだけだ。存在自体なかった事にしてくれればきっと楽なのに。そうすれば誰も悲しまず、誰も傷つかず、行けるのに。
羨ましいと思った事は沢山ある。誰かとケンカしたとか、職場の愚痴や家庭の不満…どれも解決する方法はあるのに、それに執着して絶望している。
私の解決方法は生きている限りないだろう。もしあるとしたら、また嘘をつく事。それは裏切る事でもある。でも、そうすれば生きてはいける。そこまでして生きたいのかと聞かれれば、もう醜い生き方には疲れたと言うだろう。そもそもそこまでして生きていく価値は私にはない。だから、もう終わりにしたい。でも、涙が零れるのは何故だろうか。こんなはずじゃなかったのかもしれない。けれど予測はしてた事。誰も恨んではいない。望まれて生まれてきたわけじゃない事も、父からの暴力もいじめも、性的虐待も、風俗店で働く事になった事も。運命とか偶然とかそんな言葉は嫌いで、この人生の全ては自分が選んだと…それだけは譲りたくない。誰かの所為なんかにして逃げたいわけじゃない。ただ自分の判断が間違って、自分の捉え方が悪くて、自分の感情に振り回されて、墓穴を掘ってどうしようもなくなっただけ。愛とは何かが理解できなかっただけ。苦痛でしかなかっただけ。それは自分の心が歪んでいたから。それが私の人生だった。それでいい。私が馬鹿だっただけ。それがいい。
そして、私の事を誰も振り返らないで欲しい。私のようになって欲しくないから。どうか思い出せないで。お墓に花なんか必要ない。汚れたままでいい。そんな事より自分の人生を生きて欲しいから。それが私の遺言。