短編小説集:scherzando & legatissimo:Op.22


~~~登場人物~~~
★新家 深哉(あらいえ・しんや):31歳
、、、熊本県出身。九州大学医学部卒(脳外科医)
、、、趣味「ピアノ」
☆新家 和俊(あらいえ・かずとし):61歳※深哉の父親
、、、熊本県出身。外装工事(サイディング)の自営業
☆新家 百合花(あらいえ・ゆりか):58歳※深哉の母親
、、、熊本県出身。自営業の経理担当
☆新家 雄大(あらいえ・ゆうだい):32歳※深哉の兄
、、、熊本県出身。自営業の社員
☆現川 風香(うつつがわ・ふうか):27歳※深哉の恋人
、、、福岡県出身。専門学校卒(美容師)
☆現川 聖心(うつつがわ・せいしん):25歳※風香の弟
、、、福岡県出身。高卒(電器店勤務)
★間宮 倫太郎(まみや・りんたろう):31歳
、、、大阪府出身。大阪大学医学部卒(皮膚科医)
、、、趣味「フルート」
☆間宮 颯太(まみや・そうた):28歳※倫太郎の弟
、、、大阪府出身。専門学校卒(救急救命士)
☆藤平 麗(ふじひら・うらら):31歳※倫太郎の恋人
、、、京都府出身。高卒(登録販売者)
★皇 斗真(すめらぎ・とうま):31歳
、、、東京都出身。東京大学医学部卒(内科医)
、、、趣味「バイオリン」
☆皇 果歩(すめらぎ・かほ):27歳※斗真の妹
、、、東京都出身。専門学校卒(管理栄養士∧ライバー)
☆皇 正一郎(すめらぎ・しょういちろう):64歳※斗真の父親
、、、東京都出身。東京大学法学部卒(弁護士)
☆輪千 雪音(わち・ゆきね):33歳※斗真の恋人
、、、神奈川県出身。神奈川大学法学部卒(司法書士)
◎湯浅 秀吾(ゆあさ・しゅうご):60歳
、、、熊本県出身。熊本大学医学部卒(精神科医)
●唄 藍聖(ばい・あいせい)
、、、深哉の友人(だった)
●唄 光咲(ばい・みさき)
、、、藍聖の妹さん
●三尋木 煌波(みひろぎ・こうは):31歳
、、、三人の主人公の友達。
、、、千葉県出身。Oxford大学薬学部卒(薬の研究開発)
●三尋木 圭(みひろぎ・けい):58歳
、、、千葉県出身。MIT(マサチューセッツ工科大学)卒(発明家)
●淋 マリッサ(そそぎ・Marissa):39歳
、、、Arizona(アリゾナ)州Phoenix(フェニックス), U.S.A.出身(英語教師)
▲篠本 健介(しのもと・けんすけ):42歳
、、、斗真の知り合い。レストラン『元祖たまねぎや』の料理長
〇青柳 恋歌(あおやぎ・れんか)
〇青柳 逸唆(あおやぎ・いっさ)


Op.21の続きを書く前に、深哉はこんなことを思考した。そして、SPOONのCASTに喋って投稿した。
精神病は、例外なく「贅沢病」=僕もそうだった
…話をしたい。多くの人が誤解している「他力本願」について。これは、例えば、ワンピースのロロノア・ゾロがミホークに「剣術を教えてくれ」と、プライドを捨てて教えを授かったように、「自分の力量を超えていて、自分には無理だから、あなたの力が必要です」「自分の力では及ばないから、力を貸してほしい。助けてください」と甘えること。これこそが他力本願です。
 人は皆、他力本願でしか生きられない。誰もが他力本願の意味を誤解している。この肉体があるのは、他ならぬ両親のおかげ。そのまたご先祖様のおかげ。他力が無ければ、そもそも生れ出ていない。こうやって、あなたの元へ声を届けられるのも、スマホを発明した方のおかげであり、SPOONというアプリを作ってくれた方のおかげ。そう、誰でも他力本願で生きているんです。他力本願無しに、人は生きることができないんです。
 もし、自力本願しか信じないならば、「じゃ、地震が起きても、津波で家が流されても、台風の被害に遭っても、火山が噴火しても、いや、自分の不注意で、タバコが原因で家がマルコゲになっても、あなたは自分一人の力で家を建てられるんですよね?」という話になるんです。「海水浴していて、クラゲに刺されて足がマヒして溺れても、自分で自分を救えるんですよね?」、と。そのような信念で生きていたら、あっけなく死にます。人は考える葦、そう葦なんですから。支え合う葦なんです。周りから「あなたは誰の力も借りずとも、生きていけるんですから、手助けしません」って言われたら? 恐いですよね。
 さて、仏教と打って変わって、今度はキリスト教なのですが、旧約聖書のコヘレト…伝道者の書の一節に「自分にできるすべての仕事を行え」と書いてあります。
 僕は普段、車のパーツを組み立てる仕事をしているのですが、…ちょっと自分の部屋にあるものをよくよく観察してみます。
 「PC(パソコン)」もある。「机」もある。「本」もある。「バランスボール」もある。「アロマディフューザー」もある。「洋服」もある。「ベッド」もある。「観葉植物」もある。「銀ラック」もある。「このスマホ」もある。「文房具」もある。「電子ピアノ」もある。「ケトル」もある。「習字道具一式」もある。…まだまだありますね。
 このように、「自分が生んでいるもの」と「人様から恵んでいただいたもの」のパーセンテージは、、、1:10,000くらいです。他力本願でしか生きられないのは事実ですが、これは差が開きすぎています。贅沢なんですよ。これだけ恵まれておいて、「病んでてツラいです」「仕事を早退したいです」って、僕は弱すぎたんです。まさしく贅沢病以外の何物でもありません。
 一方で、幸せそうに生きている人はどうか?というと、めちゃめちゃ大きな仕事をして、分不相応な質素な生活を送り、部屋の中はスカスカ。それどころか世界の恵まれない子どもたちの為に寄付までしている!
 すると、さっき言ったパーセンテージは、その人たちは、10:1,000くらいに差が縮まります。よく、「与える人間になりなさい」と言われるのは、真理だったんですね。与える量が多いことで、「私は人の役に立てている」とか、「俺は必要とされている」といった実感が湧いて、それで幸福を覚えるのですね。
 こう話しているのが真実だと、自分で体験したいから、もう買い物なんか控えて、仕事を休まずに勤めて、逆に寄付して、趣味で書いてる小説とか、あとはピアノ演奏とか、そういった「自分にできる全てのこと」をしていきたいと思います。
 僕が長く信奉してきた「自己投資」は死の罠です。「貧しいカンボジア人やナイジェリア人に投資」したほうが良い。自己投資の結果、贅沢病という精神病を患ったのですから。
 かと言って、寄付…推し活といったものにも責任が生じますね。逆に、受け取る相手も贅沢病を患うかもしれないから。寄付することさえ、責任が生まれます。自己満足ではいけないんです。受け取ってくれる側も幸せになるような、与え方をしなければいけない。
 僕たちは科学ばかりを信じてきて、宗教や格言などをおろそかにしてきたフシがあります。そちらのほうが歴史は古いのですから、今一度、振り返って学ぶべきですね。
すると、すぐに「いいね」が集まった。。。「他力本願でしか生きられない」が「自分にできる全ての仕事を行え」!