クジャク(孔雀)はキジ科
の鳥類
で、中国
から東南アジア
、南アジア
に分布するクジャク属
2種とアフリカに分布するコンゴクジャク属1種から成る。通常クジャクといえば前者を指す。
雄は大きく鮮やかな飾り羽を持ち、尾羽を開いて雌を誘う姿が有名である。最も有名なのは羽が青藍色のインドクジャク で、翠系の光沢を持つ美しい羽色のマクジャク は中国からベトナム 、マレー半島 にかけて分布する。コンゴクジャクはコンゴ盆地 に分布し、長い上尾筒を持たない。
羽は工芸品に広く分布されてきたほか、主にサソリ 等の毒虫や毒蛇類を好んで食べるため益鳥として尊ばれる。さらにこのことが転じて、邪気を払う象徴として孔雀明王 の名で仏教 の信仰対象にも取り入れられた。クルド人 の信仰するヤズィード派 の主神マラク・ターウース は、クジャクの姿をした天使 である。また、ギリシア神話 においては女神ヘーラ の飼い鳥とされ、上尾筒の模様は百の目を持つ巨人アルゴス からとった目玉そのものであるとする説がある。
雄の飾り羽は尾羽の様に見えるが、上尾筒(じょうびとう)という尾羽の付け根の上側が覆う羽が変化したものであり、雌にアピールするための羽である。褐色をした実際の尾羽はその下にあり、繁殖期が終わり上尾筒が脱落した後やディスプレイの最中などに観察できる。
孔雀の雄の羽は異性間淘汰 によって発達した例として知られるが、その発達の理由もいくつか提唱されている。(1)整った羽を持つ個体は寄生虫 などに冒されていない健全な個体であると同時に生存に有利な遺伝子を持つ事をアピール出来、優先的に子孫を残せるという説(オネストアドバタイズメント理論 )(2)捕食されやすい長い上尾筒を持つことで健全な個体であると同時に生存に有利な遺伝子を持つ事をアピール出来、優先的に子孫を残せるという説(ハンディキャップ理論 )(3)長い尾羽を持つ雄の遺伝子と長い尾羽の雄を好む雌の遺伝子が互いを選択した結果雄の尾羽が長くなったとする説(ランナウェイ説 )など。
