7月21日に女子プロ野球リーグの所属選手が0名となり、創設から12年目の女子プロ野球リーグは事実上消滅しました。
女子プロ野球はサプリメント販売のわかさ生活(京都)が主体となって、09年8月に日本女子プロ野球リーグ創設記者会見がホテル阪急インターナショナルで行われ、京都アストドリームスと兵庫スイングスマイリーズの2球団設立が発表されまして、10年4月23日に日本女子プロ野球リーグがわかさスタジアム京都で開幕しました。
14年に一般社団法人日本女子プロ野球機構が設立されまして、GPBLからJWBLに略称が変更となり、女子プロ野球というものをドンドン売り出していこうという風潮になり、どんどんと拡大していきまして、4チーム体制になり『京都フローラ』『愛知ディオーネ』『埼玉アストライア』のトップチーム3球団と育成球団と位置付けされた『レイア』の4球団で女子プロ野球というものが構成されていました。
18年のレジェンドチームvsフレッシュチームという入団年数でチーム分けをしたオールスター戦では京セラドーム大阪での開催があり、翌年19年のオールスターでは『花梨のマウンド』という女子野球マンガの中のチーム名、星桜チームvs京都雅チームを神宮球場で開催したりと『女子野球』というものをメジャーにするために活動してきましたが、赤字経営が続き、19年のオフにはリーグ所属の約半数にあたる36人が大量退団。
昨季は京都の拠点に3チームを集約し、新型コロナ感染拡大の影響で無観客(一部試合は有観客)でリーグ戦を行っていましたが、その後も退団選手が相次いで2月にはリーグが開催できる18人を割ってしまい、今年21年3月には今季の公式戦(ヴィクトリアシリーズ)の不開催を正式発表していました。
自分自身、女子プロ野球との出会いは16年に神宮球場で行われた『埼玉アストライア対兵庫ディオーネ』の試合を見に行ったときですね。最初は『大したことないだろうけど話のネタに見に行ってみるか』というようなスタンスでしたが、試合が始まり女子プロ野球選手達がグラウンドで躍動する姿は本当にカッコよくて衝撃を受けました。
グラウンドで闘っているプレーヤーの全身から『野球が好き、楽しい!』という覇気が出ているような感覚もありましたし、一方で試合が終わると年頃の女の子達でキャッキャしていたりとONとOFFのギャップがあるのも良いしね。笑
パワーやスピード面では男子との差は歴然としていますが、技術面は男子と引けを取らないどころか男子よりも上手いんじゃないのかと思うほどのハンドリングであり、カバーリングであっても全力で走ってますし、なんといっても攻守交代のときの全力疾走が素晴らしい。
少年野球をやっている子達にはプロ野球選手のマネをするなら、女子プロ野球選手のプレーをマネして欲しいし、子供達に見せたい野球をやってましたね。本当にそれは痛感しました。
初めて見に行った16年以降は埼玉アストライアの試合を中心に数十試合くらい観に行かせていただきましたけど、1つ転機があったとすれば19年の秋、関東地方に台風が上陸して千葉県をはじめ大きな被害が出た9月の試合運営。
台風での悪天候により、試合日程をこなせない中で急に対戦カードが変わったり、試合開催なのか中止なのかの判断がなかなか出ずに直前でのアナウンスであったりと日本女子プロ野球機構というか、わかさ生活の対応の悪さが顕著に表れてしまったのが非常に残念だった。
そして、そのシーズンオフに先程も書きましたけれども、リーグ所属の約半数にあたる36人が大量退団。退団というかクビのような扱いをされたり、あまりに功労者でありスター選手に対して敬意も何もないような突然の退団や、その退団する選手達への対応やファンに対する説明や退団のセレモニーも『良かった』とはとても言えない対応で非常に残念であり、不信感を抱くことになりました。
20年シーズンは3チーム京都に集結させてのリーグ戦でしたが、新型コロナウイルス(武漢ウイルス)のパンデミックによる無観客試合での開催を余儀なくされ、赤字額はさらに膨れあがったのだとは思うのですが、コロナ前から『3チーム京都集結』というのが決まっており、それなのに球団名で『愛知』『埼玉』と名乗るのがどうしても違和感しかなく、『お金払ってでも配信で試合が見たい!』という気持ちも湧かず昨年は全く見ていなかったです。
正直なところ。
今年、21年の3月に今季の公式戦(ヴィクトリアシリーズ)の不開催を正式に発表したときも、日本女子プロ野球機構やわかさ生活から全く21年シーズンの概要を伝えられずに女子プロ野球の選手各々が退団や引退をSNSで発信するようなかで事実上消滅の報告。
現時点までで女子プロ野球リーグとして今後について何も発表していませんが、今後も選手募集など再開の可能性も視野に入れているということですけれども、NPBの埼玉西武ライオンズや阪神タイガースが女子野球チームを設立したり、社会人チームもエイジェックをはじめ、非常に強くて上手い選手達がいるということも加味して、わかさ生活単独で女子プロ野球というものを再建するのではなく、非常に大きなビジョンの中でまた新たに『女子プロ野球』というものが作られていくことを期待してその日が来ることを待っていたいなと思います。
全国高校女子硬式野球連盟は今年、2021年に初めて全国高校女子硬式野球選手権大会を悲願でもあった甲子園での開催が決定して、23日の17時から神戸弘陵―高知中央の決勝戦を甲子園で開催することになり、『女の子だって甲子園で野球が出来る!』という夢を現実にしたのが本当に素晴らしく、歴史に残る大会になるだろうと思います。
天候不順でなかなか日程も消化出来ず、全国高等学校野球選手権大会も順延続きで『甲子園になんでこだわるのか?』みたいな話も出てきたりしていますけれども、男子も女子も『甲子園』は特別なんですよ。
アーティストの皆さんが武道館やドームコンサートを夢見るように、高校球児達も甲子園を夢見てるんです。
分かってあげてください。
なんのために去年阪神タイガースが全国の高校3年生の球児達に甲子園の砂を送ったのか。
特別な場所。
サッカーなら国立。野球なら甲子園。
夢の舞台を理解してあげて欲しいというのが正直な気持ち。
当たり前が当たり前じゃなくなった世の中だからこそ。夜空を見上げて思い切り『バカやろー!』って叫んでやるんさ。いつかまたみんなが夢を目指していける日が帰ってくるまで。
また更新しますね。 それではまた。