アジアシリーズ ▽決勝 ラミゴ3─6巨人(11日、韓国・釜山)


巨人はアジアシリーズを制覇し、交流戦、ペナントレース、クライマックスシリーズ、日本シリーズと五冠を達成しました。


 先発の宮國は6回を投げて1失点でしたが、韓国の公式球に戸惑ったのかコントロールが定まらず、非常に苦しいピッチングでした。なんとか縦のカーブやフォークボールを使って凌いだといった印象です。

 将来、宮國も国際試合で投げる機会もあるでしょうから、そういった意味では良い経験だったのではないでしょうか。


 そのあと、福田、高木京介は完璧に抑えたのですが、西村はポストシーズンの不調そのままに2失点し、すっきりと終りませんでしたが、2回の巨人の攻撃での石井の2点タイムリー二塁打と実松の2ランによる4点で試合の大勢は決まってしまった感があります。


前日のロッテ戦と同様に走行守ともに格の違いを見せつけたゲームでした。ただ残念なのは、日本と台湾との決勝戦ということもあり、スタンドがさみしかったですね、観客も3000人に満たない状態で、アジアシリーズの開催の意義を疑ってしまいます。前日の釜山のホームチームのロッテジャイアンツ戦も10000人程度でしたから、あまりにも観客が少なすぎます。


日本でも巨人が出場するにも関わらず、中継は有料のBSのみで地上波中継はありませんでした。もう少し各国でこの大会を盛り上げる努力が必要なのではないでしょうか。


巨人の東野峻投手がオリックスの香月良太投手と交換トレードになることが明らかになりました。おととしに13勝を挙げて、現在の背番号も「17」と期待の大きい投手だっただけに残念です。


東野は今季、交流戦(西武戦)に1試合先発しただけで、ほとんどがファーム暮らしで、ファームでも成績が悪く、澤村や宮國などの台頭もあり、来季の構想から外れたようです。


一方の香月は、52試合に中継ぎで登板しましたが、防御率が5点台と首脳陣の期待に応えられず、森脇新監督らチームの構想から外れたようです。


巨人の右の中継ぎは、福田、マシソン、西村がいますし、来季は久保や越智も戻ってきますから、香月もオリックスのように一軍に常に居られる保証はありませんので、厳しい競争の中に入ることで本来の投球が復活する可能性に期待したいですね。


まだ、このトレードは正式に公表されていませんが、複数トレードに発展する可能性もあるようです。

日本シリーズ2012第6戦 巨人 4―3 日本ハム(3日・東京ドーム)


矢野の先制2点タイムリー、長野のソロアーチで追加点を重ね、澤村も絶好調とこのまま逃げ切るかと思いきや、6回に中田翔に同点3ランを打たれ、試合の流れは一気にファイターズペースになりましたが、7回に福田が招いた満塁のピンチを3番手の高木京介が糸井を抑えて無失点に抑え、8回に阿部のタイムリーで勝ち越し、最後、山口が走者を2人許し、ここでも糸井を抑えて3年ぶりの日本一となりました。


澤村も6回は中田をなめていたのかもしれません。もう少し、慎重に注意をはらっていれば、ホームランは防げたと思うのですが、同点までで勝ち越しを許さなかったのが勝因でしょう。


このシリーズで感じたことは、日本ハム打線に田中賢介がいなかったことが非常に大きかったと思います。そして、1番陽、3番糸井、4番中田と本来の打撃をさせなかったこと、投手中心の守りで勝った印象が強いですね。


第1戦と第5戦、いずれもボウカーのホームランによって、相手のエース吉川に黒星をつけたこと、これはシリーズMVPの内海の投球も大きく貢献しました。


あとは澤村の復調で、杉内の穴を埋めることができたこと、中継ぎ陣も西村が不調でしたが、マシソンの復活でシーズン同様の状態を保てたことなど、やはり投手力のわずかな差、経験値の差が日本ハムを上回っていたのでしょう。


一方、村田がシリーズで無得点でしたし、阿部がいないと攻撃力が低下する一面も出てしまいました。もっと打てる、得点力がある打線のはずですので、連覇に向けた課題は攻撃力ではないでしょうか。