4/10のお出掛け47 香り かぐわしき名宝展11 | Skywalker’s

4/10のお出掛け47 香り かぐわしき名宝展11

4章〝絵画の香り〟



 〝香りを描いた絵画といっても、
  実際に画面上に香りを描くことは出来ません。
  絵画の香りとは、
  あくまでも作者と鑑賞者との共感によって成り立っているのです。

  絵画が描く香りとは、どれだけのひろがりがあるでしょうか。
  四季折々の自然の香り。
  花々の芳香に限らず、新緑の頃の雨の匂いや草や緑の匂いが描かれる花鳥画や風景画。
  梅、菊、蘭などを描けば、そこには文学的、伝統的な約束事も隠れています。
  また、優れた美人画には官能的な香りが漂います。
  春信や歌麿は、女性の身にまとう香りまでをも表現しています。
  歌麿美人が艶香をかもし出すとしたら、
  近代の鏑木清方や上村松園の美人たちのそれは、
  清楚な香気ともいえるものです。
  そして、速水御舟や小林古径らは、
  具体的な香りを描くということを超えて、
  抽象的な意味での芳しさを表現しようとした画家だといってよいでしょう。

  選りすぐった画家たちによる、かぐわしき絵画の数々をご堪能ください。〟



というもの



鈴木春信筆〝梅の枝折り〟



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背中に乗っかり梅の枝を折っている姿が
何とも可愛らしく描かれている晴信の作品が見られたのは嬉しかった