阿部泰隆の覚え書き… -2ページ目

阿部泰隆の覚え書き…

法律問題・社会問題・政策問題などについての私の意見をメモします。
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民主党政権の政治主導は、官僚の掌の上で踊る自民党政権の行政運営を批判するものとして期待された。しかし、結果は、官僚とは喧嘩ばかりして、うまくいかなかった。

 政治主導とは、政治家個人が独善的に判断するのではなく、国民の支持を得たマニフェストに従って、政権として、官僚機構をしっかり使って、適切に指導するべきものである。官僚が組織の維持、自分たちの利権確保に動かないように、政権の掲げる大きな目標へと行政を誘導するためでなければならない。

そして、政治家といえども、国家運営の基本原理である法治行政の原理に従うことはイロハのイである。

 ところが、田中真紀子文科省大臣はこの「イ」を理解しない。大学の設置認可申請に関して文科省設置の大学設置・学校法人審議会が文科省の作った大学設置基準に従って審査の上認めるとの答申を出したのに、大学関係者が多い今の設置審に任せていてはだめだ、大学の質の低下に歯止めをかけるため、将来のため設置審を抜本的に見直すとして、独断で不認可だと決定してしまった(平成24年11月2日)。

 田中大臣は、多すぎる大学の質を問題としているようだが、それなら、大学設置基準が、基準を満たせば大学の濫設を許容して、自由競争に任せることとしていることが問題であるから、設置基準を見直さなければならない。また、新設を抑制するだけではなく、既存の大学の教育体制をも厳しく監視する仕組みをどう作るかが課題となる。しかし、それは今後の課題である。

大臣は答申に従う義務はなく、認可権を有するが、それは法治行政の原則に従って行使されなければならない。文科省が定めて天下に公示した設置基準に従った設置審の答申を無視することは、自ら定めた基準を無視する違法がある。このやり方は、封建時代の殿様以上である。この程度のことは質が低いと非難される大学生にも分かるであろう。

その後、同大臣は、審査基準を作り直して再審査すると述べたが、それも事後立法であるから違法であり、最終的には批判に抵抗できず認可するとして片付け、問題を提起できたなどと言っているたが、法治行政を知らない者は、公務員なら能力不足で分限免職である。政治家最低基準試験がほしい。


読売新聞、日本経済新聞、TBSで私見が報じられたが、簡単であるので、ここでもう少し説明するものである。税務経理誌2012年11月16日にも掲載。詳しいものは法律時報正月項に掲載予定である。