むか〜し、むかし
日本の小さな町に普通の女の子がいました。
彼女は、塔のてっぺんの部屋で、毎日楽しく暮らしていました。
自分が軟禁されていることも知らずに。
いえ、本当は気づいていました。
お母様さえも私を軟禁するための見張をしていることも、本当はわかっていました。
わからないふりをしていたのです。
ここを抜け出す方法がわからないし、抜け出せたとしても、他の場所で暮らしていける自信がないからでした。
誰かわたしの存在に気づいて、助けに来てくれないかしら。
そんな思いで、彼女は、1年365日、毎日毎日願いを込めて、窓の外へ紙飛行機を飛ばし始めました。
あとは誰かが見つけてくれることを祈るだけでした。
『365日の紙飛行機』に気づいた誰かが
『ちっぽけな勇気』をだして、『あとひとつ』の◯◯があれば、この場所をでていくことができる。そんな気がしたのです。