前回はこちら。


『私自身の精神疾患①』サポートワーカーとして働く私自身、精神疾患を持っています。9年前カナダに来た当時、息子たちは8歳と6歳でした。事情があって縁ゆかりもないカナダの街に来て、もち…リンクameblo.jp


前回の記事に、「永住権を取得した途端精神状態が悪くなった」と書きましたが、正確には「永住権を申請した途端」だったと思います。


申請するまでが長い道のりで、何年も気が張っていたいたのがプツリと切れたのでしょう。


体が動かなくなり、起きれなくなり、一日中泣いていました。家事もできなくなり、這うようにして息子達の食事だけは用意していました。自分はほとんど食べていませんでした。職場の福利厚生で利用していたカウンセリングの先生に、医者に行くように説得されました。カウンセリングで対応できるレベルではない、とにかく治療が必要だと。ずっとお世話になっている信頼できるカウンセラーからの言葉なのに、私は頑なに拒否していました。


永住権はまだ審査中で、精神疾患で医療にかかったら審査に響くと心配したからです。永住権申請の健康審査において、却下される身体的事由の一つに、精神疾患があります。医者にかかって診断が下りたら、審査に影響するかもしれないと怖くてたまらなかったのです。


どうしてそこまでして、と思われるかもしれません。事情はまた機会があれば詳しくお話ししますが、子供達のために永住権を取ることは、私達夫婦の悲願でした。そのために何年も様々な事を犠牲にして、異国で夫とも離れ離れで子供達に苦労をかけながら、苦しい月日を耐えてきたのに、ほんの少しでも審査に影響することは避けたかったのです。


でも今振り返ると、あの時の私はハッキリと限界を超えていました。それでもどうしても医者には行かないと言い張る私に、カウンセラーが「あなたの今の精神状態では命が危ない。命と永住権、どっちが大事なの!」と言いました。カウンセラーは、普通そこまで強いアドバイスをクライアントにする事は滅多にありません。それほど危うい状態だったのだと思います。


それでも私は「そんなの永住権に決まってるでしょう!!子供達に永住権を残す為なら私の命なんて惜しくない!!そんな当たり前のこと聞かないで!!!」と泣き叫んだのを覚えています。


頭おかしいと思われるでしょうが、事情があり、それほど命がけで永住権を子供達のために取ることに懸けていたのです。


私をそこまで親身に心配してくれたカウンセラーの先生に、今でも申し訳ない気持ちと感謝の気持ちでいっぱいですが、当時は状況を適切に判断する能力がなく、医者に行くことを頑なに拒絶し、悪化の一途を辿っていきました。