少し前に
テレビの生放送の番組を観覧することができるということであるテレビ局へ行った
その前に別の用を済ませその流れから向かったのでだいぶ早目に着いてしまった
そのテレビ局の屋内には
グッズショップやちょっとしたカフェやコンビニなどがあり
訪れた人が誰でも休憩などに利用することができる空間があった
時間を持て余していた自分はその空間を拠点に
あっちへこっちへ行ったり来たりと彷徨っていた
そうこうしていると
空間の片隅に募金コーナーがあることに気付く
そこには募金箱が2つあって
一つはよく見るオーソドックスなまさに募金箱
もう一つはちょっと変わった募金箱で
硬貨の投入口が左と右で2か所あって
硬貨を投入するとそこから延びるレールを伝い
その先にある半球体状の受け皿に落ちて行き
その中をらせんを描きながら走り降りて行き
最後に中心にある穴に硬貨が入って募金完了・・・という仕組みのものだった
この募金箱が世にいつ頃から出回ってどの位普及しているのかは知らないが個人的には初めて見るもので目を引かれた
更によく見るとその傍らにこの募金箱のPOPが添えられており
「左右から入れると楽しいことがおこるよ」
「たくさん入れるとおもしろいよ」
という太字で大きく書かれた二つの文が目に付いた
寧ろその二つの文しか目に入って来ない程の猛アピールを受けた
普段ならそのままその場を後にしていたかもしれないが
その時は二つの文の猛アピールに搔き立てられるものがあった
もちろん時間を持て余していたこということもあったが
それには他にちょっとした訳があった
実はこの時財布が小銭で膨れ上がっていた
特に1円玉はかなりの枚数があってコレをどうにか消費できないかと思っていたところだった
だから募金という方法に辿り着いた時には「そうだこの手があったか」と目から鱗だった
またこの日は土曜日の休日で家族連れも多く周りには子供たちもたくさんいたので
ここで「たのしいこと・おもしろいこと」を起こしてみせたら子供たちが立ち止まり
それはとても些細な事だけど今日の日の思い出になってくれるかなぁ
ちょっとしたヒーローになった自分とその背中を見つめる子供たちの羨望の眼差しの図を思い描きながら募金をしてみることにした
膨れ上がった財布から取り敢えず1円玉を十枚程取り出して募金箱と対峙した
まずはお試しのデモンストレーションということで右の投入口から1円玉を1枚投入してみた
すると異変は早速おこった・・・いやおこらなかったという方が正しいのか・・・間違いなく1円玉を投入したのに全く反応がないのだ
「入れたお金が消えた…マジックか?」と思いながら
恐る恐る投入口を上から覗いてみると・・・なんということでしょう
そこには体を3/4程沈めた状態で引っ掛かっている1円玉の姿が・・・
自分でしでかしたことなのでこのままにして置く訳にはいかないと
投入口に指を入れ1円玉を取り出そうとするも上手く指が入らず四苦八苦
それは何も知らない人が見たら募金箱からお金を取り出そうとする泥棒の図
受けるのは羨望の眼差しではなく軽蔑の眼差し
「違う…違うのだ子供たちよ…こっちを見るなよ…このことは…今日の日のことは一切忘れ去るのだ!」
心の中でそんな断末魔の叫びが響き渡っていた・・・のかは兎も角
じわじわと湧き上がる恥ずかしさにアップアップしながらどうにか1円玉を取り出して目的だった番組観覧をすることもなくお台場を後にした