朝食は7時から8時20分くらいに食べに行けばよいことになっている。早起きはお年寄りにその傾向が強いとはいえ、高血圧やら低血圧、緊張やストレスなどで、5時には起きて待ちきれず7時に着席している人もいれば、8時10分すぎに重役出勤する人も、それぞれである。注意しないといけないのは、いつもの時間が大幅に崩れた場合かな。
 私は、1カ月前に退院してからもメル友が続いている志賀さんから引き継いで、7時40分に着席するようになった。その時刻の着席を続けていると、1分で食事が出てくる。7時に来た人は早くて7時32分の配膳だから、待ち時間が長い。そのことに気づかないか、ほかにやることがないか、昨年12月から1月の私もそうであったごとく、病院スタッフに車椅子で早めに連れてこられたか。

 世間は土曜日である。この病院は、1日も休まない。家で寝ている人々は、のんびり二度寝したり、いつも以上にがんばる朝活派や、サービス業などはむしろ書き入れ時という人たちもいる。遅くとも江戸時代から使われてきたことが明確な、この言葉。商売繁盛や人の出入りが激しい時間や期間は、帳簿に数字を「書き入れ」るのが忙しくなる意から、「書き入れ時」がいまでも使われる。新社会人は知らない場合もあろうかと思われるが、そういうレベルの手前で教養や社会性が止まっている若者のご検討を祈るほかないね。

 我が病院には100人ほどの新人が溢れている。「1年後に半分は辞めていくんだよ」と言ったのは渡部さんだ。あれっ。いつもは早い着席なのに、今日に限って7時50分に来た。昨日もよく喋っていたのに、今朝はちょっと反応がよくない。

 インテリぽい外山さんと、関西弁の山崎さんと物知りの渡部さんと聞き役の私は、雑談を続けた。
 資格だけが頼りの人々が、なぜそういうことをいきなりできるのか、理解には苦しまないが、下手くそな新人に機会を与えるのは経営者の仕事であって、病院だけで毎月200万円以上も払っている我々が下手くその実験台に喜んでなる義理などあるわけはない。



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