日本でもついに経済センサスで経理情報が公表されるようになりました。
本日、速報版として発表されています。
平成24年経済センサス‐活動調査(統計局HP)
概要として、以下になります。
●我が国の企業等の数は409万6578企業、(平成21年経済センサス‐基礎調査と比べると▲8.6%)、売上(収入)金額(以下「売上高」という。)は1302兆2523億円、付加価値額は242兆6658億円となっている。
●事業所数は580万4223事業所(同▲6.4%)、従業者数は5632万4千人(同▲3.6%)となっている。
ちなみに付加価値額は、以下のとおりとなっています。
付加価値額 = 売上高 - 費用総額(売上原価 + 販売費及び一般管理費) + 給与総額 + 租税公課
今回は、速報版として概要のみでしたが都道府県や業種別の詳細なデータが出れば様々な分析が可能となりそうです。
ただ、売上高が1302兆円といわれてもピンときません。
例えば、1人当たり付加価値額は、430万円となります。
付加価値額は242兆6658億円÷従業者数は5632万4千人)
付加価値額は、給与控除前の税引き前当期純利益との概念のため、給与額よりも高くなるべき数値です。
最近、給与が増えてくれないと嘆いていますが、日本における平均の1人当たり付加価値額が430万円であるのであれば
給与はさらに低くなるので、仕方がない気もしてきます。
今後、データの活用方法を考えていきたいと思います。
本日の日経新聞にて、フタバ産業の元役員が逮捕された記事が載っていました。
フタバ産業元役員ら3人逮捕 不正融資隠蔽へ書類偽造の疑い(日経HP)
記事は以下の内容でした。
「関連会社への不正な貸し付けを隠す目的で書類を偽造し、監査法人に送ったとして、愛知県警捜査2課などは16日、自動車用マフラー大手「フタバ産業」の元財務・経理担当役員・・・・・・ら3人を有印私文書偽造・同行使容疑で逮捕した。 ・・・・・・
3人の逮捕容疑は2008年10月、実際にはBDLの口座に約15億円を振り込んだにもかかわらず、取引があった別の2社に振り込んだように装った振込伝票3通の写しを偽造。監査法人にファクス送信した疑い。」
基本的に監査人は、文章の真贋を確かめる能力はないので、騙される可能性が高いですね。
ところで、フタバ産業といえば、2009年に不正な金融支援を行っていた企業ですね。
過去のデータを探しましたら、見つかりました。
株式会社ビジネスデザイン研究所に対する不正な金融支援および特別調査委員会の調査結果報告につきまして(フタバ産業HP)
以下、調査報告書の抜粋となります。
「当社は、平成20年3月28日に300百万円を、同年4月28日に1197百万円をそれぞれ支出し、いずれも建設仮勘定(金型)として計上しておりました。これは、先般の過年度決算訂正により試験研究費へ科目訂正しております。
当社は、先般の過年度決算訂正における調査に際して、当社の開発中の自動車用エンジンに関する基本特許を有する企業に対する開発費等相当額の支払いであるとされ、当該企業ないしその下請先へ支払われているものとの説明を受け、それに沿う振込依頼書の写しの提出を受けておりました。
しかしながら、実際には、一部の役職員が行ったBDLに対する不正な金融支援であり、基本特許保有企業およびその下請先のいずれにも送金されず、不正にBDLに対して1497百万円の金融支援がなされておりました。」
2009年5月14日に公表されている報告書の資料になります。
上記の文章を読むと確かにBDLへ振り込まれていたにもかかわらず、他の企業に振り込んだような伝票が必要になります。
少し遅いと思いますが、今更逮捕されたとのことでしょうか。
建設仮勘定の計上の監査を実施した際には、証憑突合をしますが
確かに納品書等との照合は最低限実施していると思いますね。
監査を行う際に、取引テストを実施する際には、どの証憑まで確認するかは焦点となりますが
振込伝票以外にも偽造がありそうですね。
今後さらに問題とならないことを祈るばかりです。
フタバ産業元役員ら3人逮捕 不正融資隠蔽へ書類偽造の疑い(日経HP)
記事は以下の内容でした。
「関連会社への不正な貸し付けを隠す目的で書類を偽造し、監査法人に送ったとして、愛知県警捜査2課などは16日、自動車用マフラー大手「フタバ産業」の元財務・経理担当役員・・・・・・ら3人を有印私文書偽造・同行使容疑で逮捕した。 ・・・・・・
3人の逮捕容疑は2008年10月、実際にはBDLの口座に約15億円を振り込んだにもかかわらず、取引があった別の2社に振り込んだように装った振込伝票3通の写しを偽造。監査法人にファクス送信した疑い。」
基本的に監査人は、文章の真贋を確かめる能力はないので、騙される可能性が高いですね。
ところで、フタバ産業といえば、2009年に不正な金融支援を行っていた企業ですね。
過去のデータを探しましたら、見つかりました。
株式会社ビジネスデザイン研究所に対する不正な金融支援および特別調査委員会の調査結果報告につきまして(フタバ産業HP)
以下、調査報告書の抜粋となります。
「当社は、平成20年3月28日に300百万円を、同年4月28日に1197百万円をそれぞれ支出し、いずれも建設仮勘定(金型)として計上しておりました。これは、先般の過年度決算訂正により試験研究費へ科目訂正しております。
当社は、先般の過年度決算訂正における調査に際して、当社の開発中の自動車用エンジンに関する基本特許を有する企業に対する開発費等相当額の支払いであるとされ、当該企業ないしその下請先へ支払われているものとの説明を受け、それに沿う振込依頼書の写しの提出を受けておりました。
しかしながら、実際には、一部の役職員が行ったBDLに対する不正な金融支援であり、基本特許保有企業およびその下請先のいずれにも送金されず、不正にBDLに対して1497百万円の金融支援がなされておりました。」
2009年5月14日に公表されている報告書の資料になります。
上記の文章を読むと確かにBDLへ振り込まれていたにもかかわらず、他の企業に振り込んだような伝票が必要になります。
少し遅いと思いますが、今更逮捕されたとのことでしょうか。
建設仮勘定の計上の監査を実施した際には、証憑突合をしますが
確かに納品書等との照合は最低限実施していると思いますね。
監査を行う際に、取引テストを実施する際には、どの証憑まで確認するかは焦点となりますが
振込伝票以外にも偽造がありそうですね。
今後さらに問題とならないことを祈るばかりです。
1月7日の日経新聞に従業員不正の記事が載っていました。
横領容疑で元部長代理を逮捕 愛知の鋼材会社 (日経HP)
記事は下記の内容となっていました。
「・・・・・・資金650万円を着服したとして、愛知県警中署は6日、同社の元管理部長代理・・・・・・を業務上横領の疑いで逮捕した。・・・・同社の使途不明金の額などから・・・・・・2011年7月から12年8月にかけ、総額約2億8千万円を横領した疑いがあるとみて裏付けを進めている。
・・・・・・11年6月に中途採用で愛知鋼業に入社。経理を一任され、会社の預金通帳や銀行印を管理していたという。」
検索したところ年商70億円の会社が見つかりました。
1年間で2億円の横領とした場合は、売上の3%となります。
経理を一任されていたので内部統制が効かなかったのでしょう。
どの程度の内部統制を構築するかは経営者に委ねられています。
上場企業の場合は、内部統制が金商法により求めら得ていますが、
求めら得ていなければ、どの程度とするかは難しくなります。
今回の場合は、簡単な職務分掌で防げると思いますが、
統制レベルを上げる経費がかかります。
費用とメリットを比べるのは難しいですね。
