非情なシステム

先ずはこれを見ていただきたい。



いかにも歌いなれて感じではなかろうか。
それもその筈、この曲は彼アルバート・ヴェストの持ち歌ではないからである。



こちらも無理やりなアレンジではなかろうか。
はたして彼女デビーの持ち歌でもない。

この曲は、先日も紹介したティーチ・インの持ち歌である。



これらはユーロビジョンのオランダ代表を決めるための大会で披露されたものであるが、
どうしてこうなったかというと、この大会のシステムのせいであった。

実は、ヴェストとデビーはこの前に自分の曲を披露している。
つまり、第一回戦では三者がそれぞれの持ち歌を披露して、どの曲をユーロビジョンで発表するかを決定し、
第二回戦では、三者が第一回戦で選ばれた曲、Ｄｉｎｇｅ　Ｄｏｎｇを歌って、だれに歌わせるかを決定するというシステムだったからである。

何とも非情なシステムである。
第一回戦で自分の曲を選ばれなかった者は選ばれた者の曲を歌わされ、
第二回戦でもしティーチ・インが選ばれていなかったら、自分たちの持ち歌で他人が本番に臨むことになっていたのであるから。

しかし、上掲の動画を見る限り、第二回戦は限りなく無駄であるように思われる。



そして、無事ユーロビジョンに出場したティーチ・インは優勝したのであった。

最後に、どうでもいい豆知識を一つ。
ちょっと三宅宏実さんに似ているボーカルのゲティ・カスパースは、オランダ人の両親を持ちながらもオーストリアのグラーツで生まれ育ち、１０代の末に帰国した初めの頃はオランダ語を解さなかったという。