ユーロ円の反転にはユーロドルの完全な反転上昇が必要で、ユーロドルがしっかり上昇してこない限り強い流れには到底なりにくいでしょう。
今週は109.5円~114円の間での値動きとなりましたが、来週もこの水準をなんとか維持できるかに注目です。
ユーロドルの更なる下落などにより来週このレンジを下抜けてしまうと、25日の安値108.82円、大きくリスク回避の方向に進むとなると2000年10月の安値88.94円から2008年7月の高値169.96円の上昇幅の78.6%押し106.28円を付けることも考えておきたいです。
一方来週反発となれば、しっかり110円円台に乗せ、113円をしっかりと超え114円台を目指す流れとなるかを見たいです。
ユーロドルは昨日、6月1日の安値1.2111ドルを下抜け1.2ドルの大台を割り1.1955ドルまで安値更新しました。まず欧州時間にSNBが介入していた水準1.4CHFを下抜け1.3864CHFまで急落したことから全体的にユーロが売られ、ユーロドルも6月1日の安値1.2111ドルを下抜け1.20ドル台前半まで下落、NY時間にはまた下げ幅を拡大し1.2ドルを割れ1.1955ドルの安値を付け、終値も1.1964ドルと安値圏で引けました。
来週 1.2ドルがレジスタンスとなるようであれば、ユーロ円もかなり軟調な流れとなることが予想されます。底が見えないユーロドル、1.2ドルの大台を割れたことで次の下値は1.18ドル付近、2005年11月の1.1642ドル付近などが意識され、ユーロドルの思わぬ急落には引き続き注意しておきたいです。
<7日・月>
19:00 独4月製造業受注
(ユーロ安効果などが下支え)
28:00 米4月消費者信用残高
(4月の消費関連指標は改善しており、家計環境に好転の兆しも)
ユーロ圏財務相会合
(ハンガリーなど東欧問題が新たな火種に。危機対応への期待と失望の両リスク)
<8日・火>
08:55 バーナンキFRB議長、ABCニュースのサム・ドナルドソンとの公開インタビュー
(民間雇用の伸び悩みや欧中不安などを受けた先行きの景気判断が焦点)
14:45 スイス5月失業率
(高止まりならスイス中銀の通貨高・ユーロ安阻止介入が再強化)
15:00 日5月景気ウォッチャー調査
(株安や政治混乱、欧州発の財政金融危機を受けた国内景況感への影響焦点)
16:30 EU財務相理事会
(新たな危機対応への期待と失望の両リスク)
19:00 独4月鉱工業生産
(ユーロ安効果や雇用改善などで底堅さ)
21:15 加5月住宅着工件数
(欧州発の信用不安を受けた長期金利の低下が追い風に)
米財務省が3年債360億ドルの入札
(安全逃避の需要で金利低下=ドル安にも。割高警戒で低調なら金利上昇=ドル高の波乱)
<9日・水>
08:50 日4月機械受注統計
(前月増加の反動減や、昨春からの急回復ペースの鈍化警戒。株安・円高に作用も)
10:30 豪4月住宅ローン約定件数、投資貸付、5月NAB企業景況感指数
(利上げの累積効果や欧中不安による伸び悩み警戒。夏からの利上げ再開を左右)
23:00 米4月卸売在庫
(在庫投資の増加で企業の先行き前向き姿勢を確認も)
25:00 ベージュブック[地区連銀経済報告]
(5月雇用統計の失望を払拭させるような景気判断の上方修正が焦点)
29:00 バーナンキFRB議長、リッチモンド連銀主催の会合でスピーチ[リッチモンド]
トリシェ欧州中央銀行[ECB]総裁ら、ウィーンで開催の会合でスピーチ
(いずれも過度な信用不安を払拭させるか、政策対応の限界が露呈されるかの両にらみ)
米財務省が10年債210億ドルの入札
(安全逃避の需要で金利低下=ドル安にも。割高警戒で低調なら金利上昇=ドル高の波乱)
<10日・木>
06:00 ニュージーランド中銀、政策金利発表
(予想は利上げ。会合までは利上げ期待がNZドル高を支援。利上げ後は材料出尽くしリスク)
10:30 豪5月雇用統計
(雇用は遅行指標だけに底堅さを維持。ただ前月改善の反動減がリスク)
20:00 英中銀、政策金利発表
20:45 欧州中銀、政策金利発表
(いずれも現状維持。金融不安を受けた追加資金供給の地ならしは焦点)
21:30 トリシェECB総裁、月例記者会見
(財政危機への冷淡な姿勢がユーロ安のリスク。追加の危機対応を示唆ならユーロ反発の波乱)
21:30 米4月貿易収支
(米国の内需復調による赤字の再拡大がドル安リスクに)
21:30 米新規失業保険申請件数
(欧中経済の先行き懸念や景気刺激策の息切れによる悪化持続がリスク)
米財務省が30年債130億ドルの入札
(安全逃避の需要で金利低下=ドル安にも。割高警戒で低調なら金利上昇=ドル高の波乱)
<11日・金>
11:00 中国5月消費者物価指数、小売売上高、鉱工業生産
(成長鈍化やインフレ高止まりがリスク回避の円高リスク。ただし、織り込みも進む)
21:30 米5月小売売上高
(自動車販売は改善。既存店売上高は底堅さも市場予想には届かず)
22:55 米6月ミシガン大学消費者信頼感指数[速報]
(株安や欧州不安の影響警戒。ガソリン安定と雇用改善が上振れのサプライズ要因)
バローゾ欧州委員長、ザパテロ・スペイン首相、ソクラテス・ポルトガル首相、欧州統合に関する会合でスピーチ[リスボン]
(財政危機への政策不信に拍車を掛ければユーロ安、不信払拭ならユーロ高にも)
来週の為替相場は、欧州発の財政金融危機「第2幕」の広がりと、根深いリスク回避の円高・ユーロ安・資源通貨安(対円以外でのドル高)、それに対しての当座の混乱クライマックスや政策対応、日本の菅新政権による円高阻止策などをにらんだ神経質な展開が想定される。
週明け早々は、4日の米国株急落を受けた世界株安と円高リスクが警戒される。もっとも4日は週末調整も混乱に拍車を掛けており、7日からは揺り戻し調整的な円売り戻しの余地も残る。
9日の米地区連銀報告や、11日の米小売売上高の改善などが、過度な悲観払拭の材料として注目されよう。一方で11日の中国主要指標は、改めて成長鈍化を確認。リスク回避の円高や資源通貨安の材料となりかねない。
その他、8-10日の米国債入札が、順調消化を通じた金利低下(債券価格は上昇)によるドル安材料として注視されている。
なお、前週末4日の欧米市場ではリスク回避が再燃。ハンガリーの債務不履行(デフォルト)懸念により、ギリシャ発の財政不安が東欧に伝染するリスクが警戒され始めた。同地域に融資を行っている欧州系銀行の不良債権リスクを高めるもので、改めて「日本の失われた10年」のような危機の長期化が欧州で不安視されている。
さらにスペインなどの欧州系銀行は、中南米にも多くの貸出を行っている。今度は中南米にも信用収縮が伝播するリスクも消えていない。
加えて4日には、米雇用統計での民間部門低迷が失望となった。もっとも米国では、住宅指標や自動車販売などの指標が改善している。米国の緩やかな内需復調が、欧中不安のバッファーとなるものだ。
さらに米国株については、1)株価収益率(PER)の低さ、2)配当利回りの高さ、3)長期金利の急低下などの好材料があり、「現状の株価急落は割安感をもたらしており、押し目買いの好機」(米国系ヘッジファンド)という分析も聞かれる。
日本の投資家からすると、ドル安・円高によって「米国株投資には2重の割安感が付与されている」(同)として、逆張りの投資チャンスを指摘する声もある。
一方、円はリスク回避の円高圧力が残るが、「円安論者」である菅新総理の政策対応が焦点になってきた。現実的に市場介入は困難であり、失望リスクへの警戒感が強い。それでも円高再燃の場合は、1)脱デフレという大義名分による円高牽制の口先介入、2)日銀への追加緩和圧力、3)政府・日銀の物価目標共有などが、円高阻止策として注目されよう。
何より海外からは、日本の総理の頻繁な交代と政治の迷走、それによる財政再建策に対する疑念が、潜在的な円の戻り売り(外貨の押し目買い)材料として本格的に意識され始めた。
