<みどころ> 大戸瀬と小戸瀬の地名の由来

<位置> 140°4608.25″、140°0322.74

 

 

<この絵のすごいところ> 現在使われなくなった小戸瀬という地名と現在でも使われている。「大戸瀬」の地名の由来がわかる。

 

 

青森県立郷土館で、平成3096日~1024日まで「コロコロstone ~あおもり 石 物語~が開催されました。その中に “今純三が描いた「石・岩のある青森県の風景」~「青森県画譜」より~” という展示コーナーがありました。何枚かの石に関係する風景が展示されていましたが、その中に「大戸瀬海岸風景」というものがありました。大戸瀬というのは青森県深浦町北部にある地名です。JR五能線の駅名に「大戸瀬」がありますが、この駅のある地域は田野沢といいます。この地域の中学校は「大戸瀬中学校」というのですが、その学校のある地域は「北金ヶ沢」という地域です。以前からこの「大戸瀬」と地域はどこなのかという疑問を抱いていたのですが、この展覧会の展示をみて解決しました。

<展示にあった「大戸瀬」と「小戸瀬」の説明(一部抜粋)>

図中(大戸瀬海岸風景:今純三作)向かって右に水平線近く頭だけ一部見えるのを大戸瀬、中央に見える二つ並んだ奇岩あるあたりを小戸瀬と俗にいっている。また片帆上げた小舟の見えるすぐ下に特に平坦になっているところがあり千畳敷といわれている。

 

 「大戸瀬海岸風景(今純三作)」

 

 

 

千畳敷海岸に設置してある案内板

 

 

 

地理院地図より

 

 

<今回の展示でわかった内容>

今純三の記述と千畳敷海岸に設置してある「千畳敷海岸の奇岩たち」という案内板の記述と地理院地図を比較してみる。

・千畳敷海岸は現在の千畳敷海岸と同じ

・小戸瀬は現在の小戸瀬岩(案内板の⑦)付近の地名と考えられる。

・大戸瀬という集落はないが、「大戸瀬崎」という地名はある。

・今純三の記述では海面から少し見えるだけの岩礁付近を「大戸瀬」としている。そこは、千畳敷海岸の看板では⑨と⑩の間の岩礁と思われる。地理院地図では、大戸瀬崎と書かれているあたりだと思われる。

・大戸瀬という地名は現在の大戸瀬崎付近の岩礁を指していると思われる。