弁護士Nのブログ

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30代前半の弁護士がニッチな法律問題を中心に書きます

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アメリカなんかに比べると日本は訴訟が少ないです。その理由としてよく言われるのは国民性ですが、それはまあ嘘ではないにしてもあまり深い話にはならない気がします。理論的な理由として私が過去に聞いてなるほどと思ったのは下記の2点です。

 

1アメリカにはディスカバリー制度がある

アメリカではディスカバリー制度の下、相手方の保管している書類を強制的に提出させることができます。一応「そんな書類はない」と嘘をつくこともできるでしょうが、内部者の通報などで嘘がバレた場合の制裁が厳しいので、結構機能しているようです。これに対し日本では証拠提出手続きはあるものの、相手が「そんな書類はない。廃棄してしまった。」などと言ってしまえば他の事情から嘘であることが明らかでない限りそもそも裁判官が証拠提出命令を出してくれませんし、嘘をついた場合の制裁はほとんどないに等しいです。

日本の裁判制度は残念ながら隠した者勝ちな側面がありますが、アメリカでは証拠を引っ張りだすためにとりあえず訴えてみるというのがかなり有効なのです。

 

2アメリカには陪審制度がある

陪審制度というのは乱暴に言ってしまえば素人を集めて判断を委ねるというものなので、良くも悪くも結果が予想できないところがあります。これに対し日本の民事訴訟は職業裁判官が判断するので、大体こういう判断になるというのが予想できてしまいます。

そのため、アメリカでは抽選を引くような感じでダメ元で訴訟をやってみる価値があるのに対し、日本ではお金をかけて訴訟をしてもどうせダメだよね、という判断が働きます。

 

皆さんはどちらが良いと思われるでしょうか。