先回のエントリーで、商品貨幣論と信用貨幣論を取り上げました。
今回は、マネタリーベースとマネーサプライ(マネーストック)です。
Wikipediaによれば、「マネタリーベース」とは、
現金の通貨と民間の金融機関が中央銀行に預けた金銭の合計のこと。
日本の場合、現金通貨とは日本銀行券と日本の硬貨の合計であり、中央銀行預け金は金融機関が保有している日銀当座預金残高がこれに当る。日本銀行の定義するマネタリーベースは日本銀行券発行高と貨幣流通高と日本銀行当座預金残高の3つを合計したものである。
また、「マネーサプライ」とは、
金融機関と中央政府を除いた、国内の経済主体が保有する通貨の合計である。マネーストックともいい、これらを和訳した通貨供給量や通貨残高も使われる。
ちょっと分かりにくいですが、要は「マネタリーベース」とは、日本なら日本全体に発行されている日本円の総通貨量で、「マネーサプライ」とは、その内の政府と金融機関を除いた(つまり日銀当座預金を除いた)、民間の企業や家庭が保有する日本円の総通貨量という事でしょう。
こんな感じ?(↓)
Wikipediaもそうですが、その他の情報源でも「マネーサプライ」は「日本銀行券(紙幣)+硬貨」としか書かれておりません。でも、市中に流通する紙幣と硬貨の他に、通帳に書き込まれただけの銀行預金が存在するはずですので、私が勝手に「銀行預金」を追加しました。 (なぜ、通帳に書き込まれただけの預金を無視するのかは謎です。それとも、通帳の書き込まれた金額と同額の紙幣が銀行の金庫に積み上がっているのでしょうか? もしそうなら、上の図から「銀行預金」を削除します)
さて、今の日本のマクロ経済の最重要課題はデフレの解消です。デフレ下では、ほとんどの国民が貧乏になり続けます。需要が無いため、供給力が削減され経済力が低下します。そうしますと、災害の多い日本では災害対策や復旧する力が弱まり、多くの人の命が失われたり、長期の不便な生活を強いられます。貧困により結婚も出来なくなり少子化が進みます。
それでデフレ対策として出てきたのが、日本銀行による異次元緩和です。政府が発行する国債は本来、民間の投資家(銀行・機関投資家・個人など)が買い入れて保有するものですが、これらを日銀が買い入れる事でマネタリーベースを増やす政策です。マネタリーベースが増えれば、国全体での貨幣流通量が増えインフレになると思われていました。
しかし、2013年4月から7年間近くにわたり400兆円ほどの日銀当座預金を増やしましたが、一向にデフレは解消しません。それもそのはず、日銀が金融機関から買い上げた国債の代金である通貨は、金融機関の日銀当座預金に積み上がっているだけで、マネーサプライ(実体経済)へ回って来ないのです。
マネーサプライが増えるのは、基本的にただ2つ。 企業・個人の借り入れ、または政府の支出しかありません。デフレ下では、企業も個人も借り入れを増やす事ができません。なぜなら、投資しても商品が売れなければ(個人の場合は収入が無ければ)返済できなくなるからです。
主流経済学や権威筋はこの仕組を理解しているのか、いないのか? 日銀の異次元緩和などで通貨を増やすと「ハイパーインフレになる」と騒ぎます。 主流経済学では、お金は商品であり、さらにマネタリーベースとマネーサプライを区別していないので、当然、供給だけが一方的に増えれば、マーケットの原則から価値は下がります。
しかし実際は、貨幣は商品ではない(つまり貨幣自体に価値はないし、なにかの価値の代替えでもない)し、日銀当座預金を増やしてもマネーサプライは「直接的には」増えないのです。




















