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2年前。
春。
特別推薦で僕はこの高校に入学し、野球部に入部した。
生まれ持った才能。
周りの人間はそう言って僕を囃し立てた。
自慢の様に聞こえるが、事実。
周りの部員と比べても実力の差はずば抜けていた。
小学、中学時代から指導者達にはいつも、
「お前のような人材に巡り会えて良かった」
と感謝の言葉を浴びせられていた。
そんな僕が初めて味わった屈辱…
イジメ…とでもいうのだろうか…
もしかすると「あれ」はそんなものよりも格段に酷いものだったのかもしれない…
春。
特別推薦で僕はこの高校に入学し、野球部に入部した。
生まれ持った才能。
周りの人間はそう言って僕を囃し立てた。
自慢の様に聞こえるが、事実。
周りの部員と比べても実力の差はずば抜けていた。
小学、中学時代から指導者達にはいつも、
「お前のような人材に巡り会えて良かった」
と感謝の言葉を浴びせられていた。
そんな僕が初めて味わった屈辱…
イジメ…とでもいうのだろうか…
もしかすると「あれ」はそんなものよりも格段に酷いものだったのかもしれない…
僕らは『全国高校野球選手権大会』その地区予選の決勝を明日に控えていた。
梅雨が明けたというのに昨夜の雨のせいで湿気で蒸し返すグラウンド…
僕は梅雨という時期が心底大嫌いだ。
「ジメジメする。」とか
「雨が降るから。」とか
そういう理由だけではなく、厚みのある雲が自分の心まで陰で覆い被さってくる様で恐かった。
おそらくそんな事を考えているのはこのグラウンドで僕ぐらいだろう。
皆明日の試合を想定し練習に励んでいるのだから。
余計な事を考えながらも見事に打球をフェンスの向こうに撃ち込んでいる自分に少しの虚しさと、罪悪感を覚えた。
梅雨が明けたというのに昨夜の雨のせいで湿気で蒸し返すグラウンド…
僕は梅雨という時期が心底大嫌いだ。
「ジメジメする。」とか
「雨が降るから。」とか
そういう理由だけではなく、厚みのある雲が自分の心まで陰で覆い被さってくる様で恐かった。
おそらくそんな事を考えているのはこのグラウンドで僕ぐらいだろう。
皆明日の試合を想定し練習に励んでいるのだから。
余計な事を考えながらも見事に打球をフェンスの向こうに撃ち込んでいる自分に少しの虚しさと、罪悪感を覚えた。



