
むかし、むかし、あるところに、
森タロウという、おじいさんが住んでいました。
おじいさんの普段の生活は
農業です。
田んぼをたがやして、
実りを手に入れる
そして、またたがやして
実りを手に入れる。
実りを手に入れることで
どんどん豊かになれるはずでした。
が、、、、
毎年、毎年、たがやしているにもかかわらず
実りを手に入れることができません。
そのおかげで、
まったく豊かになれません。
豊かになって幸せになりたかったおじいさんは
とりあえずたがやすことをたくさんやりましたが、
結果は同じで、実りを手に入れることができなかったのです。
ある日、森タロウのところに、
旅人の森ジロウさんがやってきました。
森ジロウさんは全国を40年以上も旅していたので、
いろんな知識と経験が豊富で、
豊かな生活を送って幸せに暮らしている人を
たくさん知っていました。
森タロウさんは、森ジロウさんにたずねました。
タ 「ジロウさん、私も豊かで幸せに暮らしたいんじゃ。
ジロウさんならどうすればいいのかわからんかの~?
どうか教えて下さらんか?」
ジ 「わかりました。森さん同士のご縁、
タロウさんを出来る限り手助けしましょう。」
こうして、訳のわからない理由で、
タロウさんとジロウさんの森さんコンビによる
豊かになるための改善が始まったのです。
ジロウさんは言いました。
「まずは知ることからじゃ!タロウさんの田んぼを見てみよう!」
二人のじいさんは田んぼに向かいます。
ジロウさんは、田んぼに到着すると
タロウさんの田んぼをぱっと見て驚きました。
それはそれは、イケテナイところだらけだったので、
心の中で安請け合いしたことを後悔しました。
が、やっぱり森さん同士のご縁ということで、
やることにしました。
いろいろ言いたいことはあったのですが、
いろいろ言い過ぎて、タロウおじいちゃんが倒れてもいけないので、
まずは、田んぼに必要な水の流れに注目しました。
田んぼには、近くの川から水路を使って
水が流れてきているのですが、
水路は泥がたまって、流れが非常に悪くなっているのです。
そこでジロウさんはたずねました。
ジ 「タロウさん、水路のことなんじゃが、
どうして泥がたまって流れが悪くなっているのに、
そのままになっているんじゃ??」
タ 「確かにやろうやろうとは思っておったんじゃが、
毎日、田んぼをたがやすことを優先してきたから
時間ができたらやろうと思っておったんじゃよ。」
ジロウさんはタロウさんをスリッパで殴りたくなりましたが、
森さん同士のご縁ということで、やめておくことにしました。
ジ 「しかし、タロウさん、水は必要ではないのかえ?」
タ 「そりゃ必要でしょうよ。」
ジ 「じゃったら、必要な水の量を10としたら、
今の状態はどれくらいじゃ?」
タ 「そうじゃの~、2か3・・・いや、1じゃ。」
ジ 「・・・・・・・・
では、1の状態が続くとどうなるんじゃ?」
タ 「ジロウさんはそんなことも知らんのか?
水がなけりゃ、枯れて収穫が減るに決まっておるじゃろうが」
タロウさんはまるでほめて欲しそうな、
キラキラした目とドヤ顔で答えてくれたので、
ジロウさんは本気でスリッパを探しましたが
時代設定的に存在しないので、諦めて、
やっぱり森さん同士のご縁ということで
許してあげることにしました。
ジ 「タロウさんや。
水がなければ、枯れてしまう。
現在必要な量の10%。
理由の一つは水路に泥がたまっているから水が流れてこない。
このままでいくと、どれだけたがやしても、
収穫は増えずにいつものままじゃないか??」
タ 「・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・ そうかもしれん。
いや、きっとそうに違いないんじゃ。
わしはすごいことに気づいたぞ!!」
タ 「ジロウさん、ここままでは、収穫量は増えんぞ!!!!」
ジ 「オイ、ジジィ タロウさん他に言い残したことはあるか?」
ジロウさんは我慢しきれずに少し本音が出てしまっています。
タ 「ジロウさん、で、ワシはまず何をしたらいいんじゃ?」
ジロウさんは、素の顔で無言で近くにあった、カマを強く握りしめています。
上腕二頭筋辺りのコブが心なしが大きく膨らんでいるように思えます。
タ 「ま、まて、ジロウさん、ワシが今考えるから」
タ 「ウーーーーーン、そうじゃのう、少なくとも今のままでは
水が足りんと増えんのじゃから、まずは水の確保が
大事なような気がする。
そうか! まずは水路の流れじゃ!!
水路の泥を掃除して、キレイにしてみることにしよう!」
ジロウさんは、やっと笑顔になって、カマを置きました。
こうやって、
森タロウさんと森ジロウさんの
豊かになるための改善の日々が始まったのです。