バーバラ: はい。この本は、「私が乳がんの経験から学び、経済の崩壊について理解したこと」と言えるかもしれないですね。
私が8年前乳がんと診断されたと時は、皆さんがするように、助けがほしいと思いましたし、インターネットやいろいろなところから情報を得ようと必死になりました。けれども、見つけたのは意外な勧めでした。それは、前向きに、明るく振舞い、まるで贈り物であるかのようにその病気を受け入れてください、というものでした。といってもね、もしあなたがそれを贈り物というなら、あなたのクリスマスリストから私を外して、って思いましたね。本当に悩みました。この考えを聞くと、病気から回復するためには、常に前向きでいなければいけないと思うかもしれませんが、私はそのようなことはないと思いました。実際に、私たちの感情は回復するかしないかに影響するという十分な科学的根拠はないということです。しかし、重い病気をすでに患っている人を考えてみてください。彼らはそれに加えて、精神的な負担とも戦わなければならないのです。
アミー: では次にバーバラさんの研究について教えていただけませんか。何年か前生物学の研究をロックフェラー大学でされていたときのことを。おそらく皆さんが興味をもたれていると思いますが。
バーバラ: えー、はい。そこでの研究がついに役立つようになったんです。今その考えはだいぶ広まって、聞きなれているかもしれませんが、気にしすぎないということです。物事を前向きに考えていれば、免疫力が強められるのです。完全にその考えの根拠となるものはないですが、また、免疫力ががんの回復に関係するという確かな証拠もありませんが、私も今となってはそのような考えを受け入れるようになりました。これがイデオロギーですよね。このような考えはアメリカのいろいろな場面で見られます。もしあなたが自分自身の思いをコントロールできるなら、またもし正しい考えと態度を持っているなら、あなたに危惧を与えるものはないでしょう。すべては自分次第ということですね。
シャリフ: それでは、このイデオロギー、つまりポジティブに考えるということはどのようにアメリカの人々に浸透していったのですか?そのことについて本で述べられていたと思いますが。
バーバラ: それでは、19世紀のことを思い出してみてください。私は歴史が好きなんです。それが浸透していったのはだいたい80年代、90年代の頃ですね。産業界がそれを使い始めたんです。というのも、その頃リストラが多かった時代で、人々はその首になった人たちに、まるで乳がんにかかった人に言うのと同じように言い始めたんです。「気持ちのもちようだよ。大丈夫大丈夫、何か悪いことがあったってことは、気持ちの問題なんだ。この逆境を乗り越えたかったら、これからは前向きに、ポジティブでいることを心がけるんだ。そうすればきっと大丈夫さ。」そしてこの頃、仕事を失った人たちが次のように言っているのを何度も新聞で見ました。「前向きに一生懸命がんばってるんですけどねぇ。」前向きでいろっていうほうが難しいですよね。むしろ怒りたいくらいだと思いますよ。それでいいんじゃないんですかね。
Democracy NOW
October 13, 2009より