主人は、今、化学療法室で、抗がん剤治療中。
いつになく混みあうロビー。
やっと空いた席に座り、ひとしきり、ラインのやり取り。
コーヒー飲むかな。
売店でさっき買ったコーヒー。
熱すぎ❗
猫舌は、冷めるのを待つしかない。
猫舌とは、生まれつきのものではない。
舌の使い方が下手?なだけ
先日、テレビでそんな話をしていた。
昔仕事をしていた頃、やっと休憩時間になり、お茶を入れる。
でも、熱くて飲めない。
やっと、冷めたと思ったら、休憩時間は終了間際、
あわてて、ガブガブ。
お茶を楽しむ、余裕も情緒もない。
常々、我、猫舌を不思議に思っていた。
猫舌でない人は、なぜにこんな熱いもの、平気で飲めるのか?
熱さを感じる神経がないのか?
はたまた、熱さに鈍いのか?
(猫舌でない人、ごめんなさい)
先日のテレビ番組では、
こう話していた。
舌の先は熱に敏感。
猫舌の人は、その舌先で飲むから熱い。
舌の下側に入れて飲めば、熱くない。
えっ、ほんとう? ![]()
やってみる。
たしかに…
熱くない。
そうか、納得![]()
舌の作り?性質?が、違うわけではない。
舌の中の、使う場所が違うだけなんだ![]()
でも、
今さら、
そんなこと言われても……
ウン十年慣れ親しんだ舌使い。
簡単には変えられない![]()
そんな使い方していた日には、
リラックスどころか、
かえって舌に神経を集中して、
疲れる。
オミクロン株が、蔓延している昨今。
混んでいるロビーを抜け、冬空の広がる病院の外に出る。
寒い。誰もいない。
でも、安心。
玄関脇のベンチに腰をおろして、
厳重に?覆った二重のマスクを取り、コーヒーを飲む。
舌先で飲む。
うん。
私向きの、ぬる~いコーヒー。
飲みながら、昨晩の友人との会話を思い出す。
数年前、難病でご主人を看取ったその人は、今でも、後悔ばかりが残るという。
タバコは治療によくないからと、ご主人に禁煙をさせた。
ご主人は、その頃、もう体も腕も自由に動かせなかったとか。
彼女が、吸わせてあげなければ、吸うことはできない。
それを利用して、禁煙は成功した。
彼女は、決して冷たい人ではない。横着で、禁煙させたのではない。
禁煙することが、治療には必要だったから。
少しでも元気になってくれればと願っていたから。
当時まだ、充実していなかった在宅看護を、率先して実践していった。
自らは、会社のトップとして重責を担いながら、妻として母として、多忙な日々を送りながら、手探りで、在宅看護を支える人達を組織していった。
そんな話を、私も聞いてはいたけど、
彼女は今でも、悔やんでいるという。
吸わせてあげればよかった。
何をしても、後悔は残るとはよく聞くけど…
私は、彼女の心に溢れる、様々な複雑な想いに、素直に共感することができた。
電話口で黙って、それを聞いていた。
抗がん剤治療が終わって、主人が出てきたら、
もっと、優しくしてあげよう。
主人は、気持ち悪がるだろうか?
猫舌 張本人
