小細胞肺がんと迷える羊

小細胞肺がんと迷える羊

2021年1月 夫が小細胞肺がんステージ3Cと診断されました。
2020年10月には認知症と診断されていたのですが、それは、肺がんの影響によるものだったことがわかりました。日々、右往左往迷える羊のような生活を記録しています

Amebaでブログを始めよう!
ご無沙汰しています。

主人は、今、化学療法室で、抗がん剤治療中。


いつになく混みあうロビー。

やっと空いた席に座り、ひとしきり、ラインのやり取り。


コーヒー飲むかな。


売店でさっき買ったコーヒー。

熱すぎ❗


猫舌は、冷めるのを待つしかない。



猫舌とは、生まれつきのものではない。

舌の使い方が下手?なだけ


先日、テレビでそんな話をしていた。




昔仕事をしていた頃、やっと休憩時間になり、お茶を入れる。

でも、熱くて飲めない。


やっと、冷めたと思ったら、休憩時間は終了間際、

あわてて、ガブガブ。

お茶を楽しむ、余裕も情緒もない。



常々、我、猫舌を不思議に思っていた。

猫舌でない人は、なぜにこんな熱いもの、平気で飲めるのか?


熱さを感じる神経がないのか?

はたまた、熱さに鈍いのか?

(猫舌でない人、ごめんなさい)


先日のテレビ番組では、

こう話していた。


舌の先は熱に敏感。

猫舌の人は、その舌先で飲むから熱い。


舌の下側に入れて飲めば、熱くない。


えっ、ほんとう? キョロキョロ


やってみる。

たしかに…


熱くない。


そうか、納得!


舌の作り?性質?が、違うわけではない。


舌の中の、使う場所が違うだけなんだ爆笑



でも、

今さら、

そんなこと言われても……


ウン十年慣れ親しんだ舌使い。

簡単には変えられないショボーン


そんな使い方していた日には、

リラックスどころか、

かえって舌に神経を集中して、


疲れる。




オミクロン株が、蔓延している昨今。


混んでいるロビーを抜け、冬空の広がる病院の外に出る。

寒い。誰もいない。

でも、安心。


玄関脇のベンチに腰をおろして、

厳重に?覆った二重のマスクを取り、コーヒーを飲む。

舌先で飲む。



うん。

私向きの、ぬる~いコーヒー。






飲みながら、昨晩の友人との会話を思い出す。


数年前、難病でご主人を看取ったその人は、今でも、後悔ばかりが残るという。


タバコは治療によくないからと、ご主人に禁煙をさせた。


ご主人は、その頃、もう体も腕も自由に動かせなかったとか。

彼女が、吸わせてあげなければ、吸うことはできない。


それを利用して、禁煙は成功した。





彼女は、決して冷たい人ではない。横着で、禁煙させたのではない。


禁煙することが、治療には必要だったから。

少しでも元気になってくれればと願っていたから。



当時まだ、充実していなかった在宅看護を、率先して実践していった。

自らは、会社のトップとして重責を担いながら、妻として母として、多忙な日々を送りながら、手探りで、在宅看護を支える人達を組織していった。


そんな話を、私も聞いてはいたけど、


彼女は今でも、悔やんでいるという。



吸わせてあげればよかった。



何をしても、後悔は残るとはよく聞くけど…


私は、彼女の心に溢れる、様々な複雑な想いに、素直に共感することができた。


電話口で黙って、それを聞いていた。




抗がん剤治療が終わって、主人が出てきたら、

もっと、優しくしてあげよう。


主人は、気持ち悪がるだろうか?




   

      猫舌 張本人