「指の動かし方、音階練習」


簡易楽器であるオカリナは、機能的にも大変簡素で、開いている穴を全部塞げば最低音の「ラ」が出る。初めのうちは小穴(通常2個、メーカーによって3個)を塞がずに、全部塞ぐと「ド」の音が出る。


しかし前にも書いたように、オカリナは息の僅かな強弱で音程が変わるため、低音の「ド」は初心者程そっと吹くため、音程が低めになる事が多い。


そこで先ず一番安定している「ソ」(左手全部と右手の親指以外の指を開ける)の音を出し、順次「ファ」「ミ」「レ」「ド」と自分の耳を使って下降音階を吹くと、低音の「ド」の音程が決まるようになる。


上達の第一歩は音階を下から上まで、できれば最低音の「ラ」から最高音の「ファ」までを、常に同じ速度で何度も繰り返し吹くことである。

この場合高音の音階でつまづいたり、低音の「シ」「ラ」が滑らかに出なかったりしないよう、支え指の技法(前出)を使って覚えこむまで練習をすれば、楽譜を見てすぐ指が動くようになる。


オカリナの運指は上向音階より、下降音階の方が難しい。つまり押さえている指を開けるより、開けている指を塞ぐ方が難しいわけで、開けた指は受け持ちのトーンホールより真上に(あるいは真下に)約2cm以内に留めておくようにする。

指の運動は指先で行わず、指の根元、第3関節から動かすようにする。

すると見た目にもきれいな手の動きになる。プロの奏者が時々指を跳ね上げるような仕草をするが、あれはあくまでもパフォーマンス(演技)なのである。