離婚調停が、無事終わった、2ヶ月後、健は、会社の健康診断で、癌であることがわかった。
健「俺、癌とわかって、なんかしっくりきたわ。辛いとか、どうしょうとかない。多分、真央が生まれた時くらいから、癌は始まってたんやと思う。皮膚が、ボロボロになっていったから。なんで、皮膚がこんな風になるのか考えてて、初めは虫刺されかなとか思ったんだけど、段々、そうではないのかなと思ったら、癌かなと思ってしまうんよね。その時、ちょうど、夏帆とうまいこといかず、真央だけが俺の生きがいで。この子を守らないとと思う気持ちが強くなり、癌という病気にすごい恐怖心を覚えたわ。体がガタガタ震えて、止まらないのよ。泣けてくると言うか、どうしようと言う思いしかなかったわ。ネットで調べたら、自分の症状と同じ様なこと書いててさ。本間に怖かった。その時、夏帆が真央を連れて家を出て、いなくなった。俺、このまま、真央に会えなくなると真剣に思い悩んだわ。真央の喪失感が半端なくて、何かに取り憑かれたように、死にたいなと思うようになった。その後も、皮膚は治らず、病院を変えて診てもらっても、ヘルペスと言われるだけ。やっと辿り着いた病院で、後天性アトピー性皮膚炎と言われて、皮膚の状態も少し良くなったので、ホッとできた。また医師に言われた言葉「あなたが自分で断ち切らないと、治らない」で、全て、断ち切ることができた。本間に離婚調停をして良かったわ。真央に会わずに、離婚していたら、後悔しかなかったわ。正直、真央は俺の子であって欲しいと思う。裁判所で、真央と久しぶりにおもちゃで遊んで、ちゃんと理由を言いながら、人形を動かすのよね。賢いなと、思った。真央の戸籍の父親の欄に俺の名前があるから。この子なら、苦しくなったら、俺を探して、助けを求めて、やってくると、思えたわ。夏帆は、真央に腹立てる時が絶対にくる。その時、夏帆は、真央を徹底的に無視をし、いじめるから。その時、絶対に、俺は真央を守ってやる。今は、真央にとって、夏帆がいないと駄目やから。夏帆、夏帆の家族、みんな信じられんわ。あいつらに、養育費を払っても、あいつらは何に使うかわからへん。あいつらに、1円のお金も払いたくない。だから、父親として認めるわけにいかんかったわ。
裁判官と調停の人達には、感謝やわ、真央に会わせてくれて、すぐに離婚成立を決断してくれた。
離婚成立してから、癌がわかって良かった。これが逆やったら、前に進めてないわ。
俺、一度、全てを失ってるから、死に対して恐怖心はないねん。自分も親になって、子供には幸せになって欲しいと思うから、俺もここで病気と頑張って、親孝行せんとあかんなと思ったわ。
癌かなと思った時が、一番怖かったな、でも今は、やっぱり癌やったんかと思った。なんかしっくりきたな。」と話してくれた。
健は、抗癌剤治療で、状態は回復に向かっている。
皮膚も、嘘みたいに綺麗になっている。やはり、皮膚の状態の悪化は癌が関与していたのかも知れない。
癌とわかった時、健は、主治医に、「この癌は、遺伝しますか?」と聞いていた。医師は「遺伝はしないと思います。」と答えた。健はホッとした様子だった。やはり、健は、真央を自分の子だと信じているのだろうと思った。
夏帆のしたことは、自分の子供、戸籍上の夫の人生をボロボロに犯した、犯罪者だと、私は思う。
夏帆の見本となった、夏帆の両親は、もっと悪どい犯罪者だと思う。
