そして、日本においてはまだまだトリプタン製剤が中心且つ制限(この製剤が効かない患者や循環系副作用のある患者)があるため、50%以上の患者さんは予防が出来ていない現状があるようです。そして、市場規模を考えると、実は出来ません。
テバは今後、より新薬に力を入れ、ゆくゆくはジェネリック専売から新薬とジェネリック、そしてオーソライズドジェネリック(AG)も扱うという道を進んでゆくのでしょうか。気になります。
テレビコマーシャルでは、医療機器や臍帯血のイメージが強いニプロですが、後発医薬品、ジェネリックの受託製造分野においてもビジネスを行っております。
同社は1月9日、ベトナムで後発医薬品の生産に乗り出すと発表をしました。総投資額は約150億円で、2015年春に注射薬の量産を開始し、順次錠剤や貼り薬の生産に拡大し、日米欧や新興国に輸出する予定との事。同社子会社のニプロファーマは北部の港湾都市ハイフォンに約15万平方メートルの敷地を取得する仮契約をすでに結んでいます。今後は、現地法人を設置し、まずは約50億円を投じて今夏に注射薬工場を着工する予定であり、世界各国に輸出するためにも、同工場は国際的な医薬品の製造・品質管理基準(GMP)に対応するものを設立するとの事です。
現在、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の国内市場は10年度で約8500億円で、医療費抑制を掲げる政府による普及の後押しを受け、市場は拡大基調ではありますが、世界最大手であるイスラエルのデバファーマスーティカル・インダストリーズによる、大洋薬品工場を買収や新薬会社によるジェネリック医薬品業界への参入が相次ぐ中で、厚生労働省による一部ジェネリック医薬品の発売時の設定価格が来年度から引き下げが決まるなど、経営環境は厳しくなっています。
世界的にも、同業界の再編が進んでいる中で、外資系大手の製造コストは日系メーカーの3分の1とも言われ、ニプロはこの状況に対抗するに海外生産によるコスト削減に活路を見出し、同時に世界で販売量を増やし規模の利益を追求する必要があると判断したのでしょう。今回のニプロの海外生産に続く企業が現れても不思議ではありません。
サムスンと聞けば、多くの人は電子機器あるいは家電の会社としか認識はしていないのではないでしょうか。私も実際にその1人です。
ところが、12月6日、サムスンの関係会社であるサムスンバイオロジックスが、バイオ医薬のジェネリック医薬品である、自己免疫疾患やがん治療用抗体のバイオシミラーの開発及び商業化に向け、アメリカのバイオ医薬大手、バイオジェン・アイデックと合弁会社を設立する契約を締結したことを発表しました。
同合弁会社の資本金は3億ドル(約233億円)。出資比率はサムスンバイオロジックスが85%、バイオジェン・アイデックが15%で、来年3月に設立を予定しています。
このサムスンバイオロジックスは、実はサムスンとアメリカのCRO(医薬品開発業務受託)会社のクインタイルズとの合弁会社で、今年4月に設立されたばかりの会社になります。現在、韓国国内で、FDA(米食品医薬品局)の承認を取得できるバイオ医薬品の生産プラントの建設しています。
同合弁会社は、両社が独自に開発してきた細胞株を共同利用し、臨床実験を実施すると共に、FDAに承認を得たバイオシミラー(バイオ医薬の後発医薬品)を世界市場に販売する予定をしています。
同社は「サムスングループのバイオ医薬品事業の軸となり、バイオシミラーだけでなく、バイオ新薬を開発、生産、販売するグローバル製薬企業への成長を目指している」としています。
韓国政府の後ろ盾を受け、世界各国に電子機器・家電を強気に売っているサムソンですが、このバイオ医薬品のジェネリック業界で、どのようなプレイヤーになるか、は、まだ不明といえるでしょう。
先日お隣韓国で、大モメにもめた後、強行採決で決定したアメリカとの自由貿易協定(FTA)と、現在進行中のTPP交渉を比較してみたいと思います。
米韓のFTAは、来年1月より発効と成りますが、その協定の中には通称ISDS(Investor State Dispute Settlement:ISD条項)と呼ばれる投資家対国家の紛争解決条項が入っています。このISD条項により保護される投資家に対して、国際法上の自らの権利として外国政府を相手方とする紛争解決の手続を開始する権利を与えるために、国際取引に関する条約に置かれる条項です。
これは、一当事国の投資家に対して、他のA当事国を相手方とする請求を国際的な仲裁廷に直接持ち込むことを認めているものであり、NAFTA締結時にこの条項が入っており、アメリカサイドによるカナダ政府を訴える状況が発生し、この仲裁機関がアメリカ国内にあることもあり、透明性及びアメリカにとって都合の良い裁定が出されているとされている(オーストラリア国内におけるタバコのパッケージをめぐっても争いがある)。
そして、米韓のFTAでは、韓国での薬価の決め方にアメリカ製薬大手などが不服がある場合、見直しを申請できる独立機関の設置が決定していると共に、このISD条項により、アメリカ製薬大手が訴えることも可能になっています。
そして、このISD条項が入っているTPPにより、日本国内においての薬価決定に不服を持つアメリカ企業が出てくれば、日本政府は同企業(群)に支払い命令が出る可能性があるともいえます。これは、ジェネリック医薬品だけでなく、新薬も共に可能性があるでしょう。同企業たちにとって、日本国内での薬価は則売り上げですから、彼らが「不当」に薬価が下げられられたために、「損失を被る」可能性は捨て切れません。そのリスクを下げるために、新薬・ジェネリック共に薬価が下がりにくくなる可能性はあるでしょう。そして、薬価が下がらなければ、高額な新薬は高額のまま、安い後発医薬品も、そう安い薬ではなくなることにも成りかねません。
TPPはまだ始まったばかりであり、このISD条項を入れることに関しては、オーストラリアを中心に強行に反対しています。今後の話し合いの行方が気になります。
TPP参加あるいは不参加と、様々な議論を(とはいえ、根本的な議論はされていない感もぬぐえませんが)される中、先日野田首相がTPPに関する会議に参加することを表明しました。
では、このTPPがジェネリック医薬品にどのような影響を与えるのかについて、それぞれの立場からの主張をまとめてゆきます。
今回は国境なき医師団(MSF)です。この団体は、日本によるTPP参加による不利益を訴えています。
同団体は、この交渉内容に盛り込まれている「知的財産権の保護に関する条項」により、途上国向けの安価な医薬品の供給が脅かされると主張しています。米国はTPPを通じて知的財産権の保護強化を推進しています。
この知的財産権の保護強化が、ジェネリック医薬品の供給の遅れ、そして、医薬品メーカー間の価格競争の減退、つまり市場競争を抑制政策であるため、今まではこの価格競争による良質で安価なジェネリック医薬品の入手が困難になるのではないかということに懸念を表しています。
同団体は、ジェネリック医薬品メーカー間の価格競争の例としては、HIV/エイズ治療薬をあげています。
過去10年間で第一世代のHIV/エイズ治療薬の価格の99%引き下げを可能にし、2002年時点で一人当たり年間1万米ドル(約78万円)だった価格が、現在では一人当たり年間60米ドル(約4680円)になった。この劇的な価格の引き下げによって、今日では600万人以上にHIV/エイズ治療を提供できるようになっている。
また、「安価な医薬品で数百万人の人びとの命を救おうとする取り組みをも阻むものであり、途上国における安価な医薬品へのアクセスの促進は、日本の貿易政策の要であるべきです」と主張しています。
2ヶ月ほど前になりますが、武田薬品は6月15日、「アクトス」について、6月の薬価収載以降に後発品を販売することを表明している製薬企業18社に対し、同製品のジェネリックの製造及び販売の差し止め等を求める訴訟および仮処分命令申立てを、東京および大阪地方裁判所に対して行いました。
このアクトスは、海外では既に特許が切れていたり、あるいは特許侵害等における訴訟を経て和解契約の締結により、ジェネリック医薬品の販売が行われている等の状況があります。
しかし、日本においてはアクトスの特許は2014年までは守られているはずであり、そのため同社が今回の措置に踏み切ったのでしょう。
今回の訴訟は同社が製造承認を取得した製薬企業27社のうち、同社との和解に応じなかった企業に対して提起されたもになります。同社が「製造及び販売の差し止め『等』を求めている」という『等」には、和解(つまり特許料/ライセンス料の支払い)が含まれていると思われます。
2011年に向かえた特許切れを前にして、アメリカにおいては、2003年10月から、アクトスやアクトプラスメットの後発品を販売しようとANDA(簡略新薬申請)をFDA(米食品医薬品局)に提出したジェネリック医薬品会社8社に対して、特許侵害訴訟を提起しており、とりあえず4月28日までには6社との和解契約を締結ていて、各社の販売権利の許諾は下記のようになっています。
アクトス:2012年8月17日発売
・マイラン社(アメリカ)
・ワトソン社(アメリカ)
・ランバクシー社(第一三共の傘下)(インド)
また、2010年3月11日、武田製薬は、アメリカのジェネリック医薬品会社のワトソン・ファーマシューティカルズ社(ワトソン社)との間で係争中だった、糖尿病治療薬「アクトス」との特許訴訟について和解したと発表しました。この「アクトス」は、世界で一番売れている糖尿病薬ブロックバスターでもあり、武田製薬の売上高の約25%を占めているともいわれてます。この和解により、ワトソン社は米国での「アクトス」の販売ライセンスを特許料の支払いなしで得ました。これは、特許切れ時期と訴訟費用をかんがみ、武田側が問題なしを捉えたための処置だと考えられます。
日本では特許が切れるまでまだ数年。武田側としては、同社のブロックバスター商品の死守を図りたいはずであり、既に交わされている和解条項次第でもありますが、同製品のジェネリックが正式に国内に出回るのはもう少し先ではないかと思います。
新薬会社のファイザー(同社は同時にエスタブリッシュ医薬品事業部にて同社が扱っていた新薬をジェネリック医薬品として扱っている)が2011年6月27日に発表した、全国47都道府県9.400名を対象に行った調査結果を発表され、「特に価格への関心は高いが、薬の調査など患者自身の行動は不足している傾向が強い」との結果が出ました。
78.8%もの方々が、現在だけでなくこれからかかるであろう未来の自分の医療費に対して不安を持っており、そして66.5%が処方薬の価格が高いと感じており、74.1%が効能・効果・安全性が同じなら、価格の安いエスタブリッシュ医薬品(同社はエスタブリッシュ医薬品を「医療の現場で広く、長く使われてきた実績があり、特許が切れた医薬品」と定義し、長期収載品とジェネリック医薬品の両方をさし、ジェネリック医薬品・後発医薬品単体での言葉を使っていない)を処方して欲しいと感じているという結果が出ました。
その反面、3人に1人はジェネリック医薬品を使用したことがあるかどうかがわからず、処方薬の定義(新薬・長期収載品・ジェネリック)の違いを説明することができず(新薬の定義を知っている人は31.0%、長期収載品は2.4%、ジェネリック医薬品については59.4%、エスタブリッシュ医薬品は1.0%)、処方される薬に関しても、医師・薬剤師へ毎回質問・相談する人はわずか6.4%にとどまり、処方薬に関しての関心自体は低いことがわかりました。
薬の代金は気になるが、効能はあまり気にしないという結果。皆さんはどう思われますか?