過去記事転載

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オーバーホール(分解掃除)を終わらせた懐中時計が帰ってきました。

1カ月ぶりに見ましたが、やっぱり綺麗なものです。

オークションで買ったのですが、買った時はもう時刻合わせの剣引きは折れていて、

ハンターケース(表側に蓋があるタイプ。無いのはオープンフェイスと言います。) のバネは壊れてるしで、酷い状態でした。


以前の持主は何をしていたんでしょう。

ただし、ご依頼した時計技師さん曰く、ムーブメントは新品同様だったとのことです。
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ローマンインデックスにスモールセコンドがついています。短針には石飾りも。


前にブログで書いたかもしれませんが、
アンティークシルバーにはホールマークというものが刻印されていて、(この懐中時計は銀無垢のジャーマンシルバー。silver800とも。)

懐中時計には、更にシリアルナンバーも刻まれています。調べればいつ作られたかわかるんですが、
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No.72626とありますね。
調べましたら、
1857年に作られた事がわかりました。

今から159年前ですと。

このタイプの懐中時計は商館時計と言って、

商館時計とは、
明治から大正に、横浜や神戸の外国人居留地にあった商館が、ヨーロッパなどから輸入した懐中時計の総称です。

上の写真にあります内蓋の下側にはNEUCHATELとありますね。

ヌーシャテルは時計産業のメッカと呼ばれるスイスの都市です。



商館時計の特徴として挙げられるのは、

1.タマネギ型のリューズ。

2.裏の蓋を開けるとガラス張りにされていて、ムーブメントをいつでも見えるようにしている。

3.神経質な日本人のために、指紋が目立たぬようにケースをギョーシェ彫りにしている。
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こんな感じ。

4.サイズが18ほど。

直径がリューズ含まず5.5cmくらい。
結構ズッシリ感があり、iPhoneと同じくらいな重さですね。



5.ルビーが妙に赤い。

機械式の時計には歯車やテンプ軸、アンクルの磨耗を防ぐために人工ルビーをはめ込んでます。天然ルビーやガーネット、サファイア、さらにはダイアモンドなど使ってるものも。
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1920年までは天然ルビーを使ってたという一説がありましたが、商館時計のルビーは妙に赤いのです。

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ホレこんな感じに。
ルビーってピンクに近い色合いだと思いますのでコレは人工ルビーでしょう。

人工も天然も、
モース硬度は変わらず9らしいです。
(銀が2、鉄やガラスが5、ガーネットが7、サファイアは9、ダイアモンドが10だそうです。)

あと、石数によってグレードも分かるそうですが、話せば長いので割愛。


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更にですね、私が惹かれたのが、ニエロ象嵌が施された黒と銀のモノトーンで、銀の白さ際立って凄く綺麗なんです。

ニエロ(niello)とは、銀、銅、鉛の合金をエングレービングした凹みに流し込み焼成、銀と共に研磨するといった、大変手間がかかる装飾技法です。

黒くなったところは輝かない訳ではなく、 
黒いエナメルと呼ばれるように綺麗に光ってます。
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ちなみに、表蓋の果物達はローズゴールドの金張り(gold filled)でしょう。

ローズゴールドは、いわば今で言うピンクゴールドのことで、配合が金75に銀7.5、銅17.5だったはず。




最後にムーブメントの動きを動画にしました。
好きな懐中時計を書いてる最中は血圧上がり気味でしたけど、見ていると心落ち着きます。