Thriller (Michael Jackson) - 1982
このところジョギングするときにマイケル・ジャクソンの「Thriller」を聴いている。空がきれいな日に「Human Nature」が流れたりすると、それだけで泣けてくる。走りながら、なぜ感動するのか考えた。そして、やはり海原雄山の名台詞に辿りついた。美食を芸術まで高める条件は、それは唯一、人の心を感動させることだ。そして人の心を感動させることが出来るのは、人の心だけなのだ。 そう、マイケルの心に触れているのだ。極端に言えば、音楽を聴くというのは愛情表現で、その人に触れようとしているといえるだろう。もちろん性愛の対象というだけでなく、ロールモデルであったり、高いスキルを評価していたりといろいろな形の愛が存在する。逆に、嫌いな人の音楽を聴くことはしないだろう。 Wikipedia によればこのアルバムは 7,000 万枚を売り上げているという。私自身も発売時にヴァイナルを1枚、その後、CD を1枚購入して貢献している(笑)。9曲中7曲がシングルカットされ、「Billie Jean」と「Beat It」が Billboard Hot 100 で1位になっている。わたしは「Human Nature」と「P.Y.T.」も好きだが、まあ妥当だろう。 一般には「R&B にロックの要素を取り入れてブラックミュージックの垣根を破った」と言われるが、やっぱり凄いのはマイケル・ジャクソンの人格だと思う。少年のようにナイーヴでピュアだ。そんな魂が、長身で細身の、女性のように繊細な顔を持つ肉体に入っている。歌を歌っているのかささやいているのか、裏声なのか地声なのかわからないし、ダンスもあまりに独特だ。結局、唯一無二、天使のような存在なのだ。 マイケルのアルバムは「Dangerous」も好きだが、火傷や整形や皮膚の病気などもあり、「Thriller」の頃のビュアさが失われている。いや、マイケルの本質は変わっていないのだが、世知辛い世の中にイメージが汚されてしまったように思う。そんなこともあって、余計に「Thriller」が美しい思い出のように聴こえるのだ。Forever Michael J.