もはや恒例となりつつあるが、今回も、わしのmixiレビューで書いたものの抜粋の2011年ものじゃ。


まいど、あつしです。



ちなみに聖飢魔IIのレビューで書きためたものはこれが最後だ!


『有害』以降はこれから書くことになる。気が向けばだ。

さぁ、書くことになるのやら、ならないのやら…

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西暦1989年(悪魔暦紀元前10年)に発布された六枚目の大教典(アルバム)である。極悪集大成盤である。世に言うベストアルバムのことだが、魔界ではそのまま「六枚目の大教典」と数える。
全曲リミックス、もしくはニューバージョン、別バージョンになっている。
これまでに発布されてきた大教典を考察すると、すべての教典で新鮮さが感じられてきた。毎度、新しい聖飢魔IIを見させてもらえたはずである。このようなことから、聖飢魔IIは常に我々に新しいものを提供しようとしていたことが伝わってくる。いわゆるベスト盤である今作の、バージョン的に他の教典とかぶらないようにしていることからも、そういう姿勢が伝わってくる。


聖飢魔IIはデビューから飛躍的に成長し続け、信者の数も着実に増やし続けてきた。そして、最高傑作とまで言われる前作を発表し、今作ではついにオリコン1位という当時のメタル界での快挙を成し遂げた。また、武道館公演も成功に修め、珠玉のバラード「白い奇跡」で紅白出場を果たし、またもやメタル界に於いての初の偉業を成し遂げている。聖飢魔IIはこの時点で一つの頂点に達したと言えよう。

このように彼らの活動は順風満帆であった。しかし、常に新しいものを提供しよう、前作を超えるものを作ろうとしていた彼らだが、そういうことを意識しすぎたのか、次作以降から一種の迷走期に入ってしまう。教典発布のペースは落ち、また、大教典のテーマや内容が極端なものになってくるのである。
結果的に言えば、その迷走期は決してマイナスの方向には働いていなかったし、ヴァラエティー豊かになったしで、むしろプラスであったとも言うことが出来るが、やはり、当時ということを考えると、彼らは相当苦悩していたのではないかということが想像される。

話は逸れてしまったが、今作はそのような聖飢魔IIが一番乗りに乗っていた時期の集大成である。それまでの聖飢魔IIの軌跡が、この一枚に収まっている。しかし、この集大成盤には、人気の高かった「1999 SECRET OBJECT」と「FIRE AFTER FIRE」が入っていなかったことを残念に思う信者も多かったであろう。

個人的には「X・Q・JONAH」を収録してほしかった。先のレビューで触れたように一枚目の大教典だけ聖飢魔IIの演奏ではない。しかし、「魔王凱旋」も「地獄の皇太子」も「ROCK IN THE KINGDOM」(本作収録)も「悪魔組曲」も、新録されたり、ミサなどで演奏され映像化されている。つまり、「X・Q・JONAH」以外は聖飢魔IIの演奏で聴くことが出来るのだ。そのような理由からも、ぜひ彼らの演奏による「X・Q・JONAH」を聴きたかったものである。


今作は、デーモン小暮の本作の解説から言葉を借りると、まさに「白い奇跡」である彼らによる「白い軌跡」である。




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ボン。