2009年に書いたmixiレビューより抜粋!



まいど、あつしです。


以下、抜粋。

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西暦1986年(悪魔暦紀元前13年)11月発布の大教典。
結果的にジェイル大橋はこれを最後に脱退してしまうが、彼の才能が如何なく発揮された秀逸な作品。
7割近くがジェイル大橋の作品であるが、作曲者の占める割合が変わると、こんなにも雰囲気が変わるものかと驚かされる。
ジェイル大橋の在籍期間は、ほんの一年半しかなく、九曲ほどしか残していないが、そのほとんどがヴァラエティー豊かで、かつ確固たる個性を持った曲が多く、非常に人気も高い。短い間だったが、彼の残した功績は非常に大きい。彼は、ダミアン浜田とはまた違う形での天才だと思う。
ジェイル大橋の作った曲の特徴は、一言で言うなら、とんがっている曲が多い。豪快に聞こえるが、実は艶やかで繊細だというイメージを持たされる。
「DEATH LAND」は、ジェイルの作品で、とんがった疾走系のナンバーである。
「APHRODITE」は、単純な刻みのリフに、まるでお経のような単調な歌が乗っているが、サビは非常にメロディアスで色っぽい印象。このギャップがこの曲に彩りを与えている。聴きどころは、ギターソロ明けのサビの後ろで流れるジェイル大橋の非常にメロディアスなギターである。
「モアイ」は、ダミアン浜田の作品。エース清水に「『モアイ』とか一体どっからそんな発想が出てくるのか」と言わしめた。二番が終わるまでは、演奏密度が極めて低い。音符でいうなら、白丸が続く。曲調も奇妙である。二番が終わると、突然テンポがあがり激しい曲に変わり、ギターソロとベースソロが始まる。正直な感想を言うと、これだけを聴くと微妙な曲である。しかし、ダミアン浜田在籍時のデモ音源を聴いたことがあるが、実はかなりアレンジされている。原曲は、より不気味で、独特の寂しさを持ち合わせており、美しい。ギターソロは、途中でテンポが変わることなく、不気味なソロが続く。そしてギターソロの後、悲哀のこもったようなアルペジオになるという全く異なったアレンジだった。このメジャーデビュー後のアレンジは、その寂しさも美しさも、そして不気味さすらもない、ただの変な曲に成り下がっている感がある。しかし、「モアイ」を題材にした人類への警告は深く考えさせられるものがある。
「エルドラド」は、解散まで演奏され続け、解散ミサの最後の曲にまで選ばれた最強の名曲。スタジオ録音は4バージョンあるが、これはその一つ目。キーはEmで非常に高い。ルーク篁作曲の曲であるが、まだ未加入なので、「紫馬肥」(学生時代の別バンド。メンバーは聖飢魔II在籍者)名義になっている。
「悪夢の叫び」は、ダミアン浜田の作品。ではあるが、アレンジはかなりジェイル大橋の意向が出ているように思う。ギターが印象的なイントロは、一聴しただけでは、スウィープピッキングのようなフレーズであるが、スウィープでは弾ききれないもので、かなりの熟練が求められる。聴き処は、最後のセリフである。この緊迫感は、凄まじいものである。
「魔界舞曲」は、ジェイル大橋作曲の作品。今までのジェイルのとんがった印象からは想像できないくらいまろやかで芳しく、艶やかな曲である。リフは印象的で、他のへヴィーメタルバンドでは聴けない曲である。また、転調の嵐だが、何故か全く違和感がない。聴きどころは間奏である。そして、その後に続くギターソロは、メロディアスで甘く、なまめかしく、あでやかである。このバージョンでも相当良いが、特に解散ミサバージョンは、キーボードが大幅に加わり美しさが倍増している。
「アダムの林檎」は、二枚目の小教典。ミサでは必ず演奏される定番の名曲。この曲のリフも印象的で非常にかっこいい。ギターソロは、左手と入り乱れるようなタッピングがあったり、高速の部分があったりと、高度な技術が要求される。
「秘密の花園」もジェイル大橋の曲であるが、今までとはうって変わって、クリーンギターが非常に美しいバラードである。サビがあけると、静かなベースのメロディーが流れ、その後、情熱的なギターソロに入るのが聴きどころである。
「FROM HELL WITH LOVE」は、またジェイル大橋らしい印象的なギターリフから始まる。中盤になると突然雰囲気が変わり、クリーンギターの美しい曲調に変わり、不気味な英語の語りが入る。その後のギターソロが終わると、後半が始まる。後半は前半とは違う雰囲気で、だんだんと我々を追い込んでいくような緊迫感がある。かなりドラマティックな大作。
「地獄への階段」はデーモン小暮作曲の曲。だがしかし、まだ完成していないようで途中で突然終わる。もちろん、後に「完結編」が出される。文字数の関係でこれ以上書けないが、「完結編」は秀作。

 全体的に音質は非常に悪いが、聴きごたえのある名曲が多い傑作である。



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ボン。