今年は寒さが厳しいのか、桜の開花は昨年よりも遅いようですね。
皆様は体調の方は大丈夫でしょうか。日中の暖かい日も増えてきましたが、まだまだ朝と夜は冷えると思いますので、薄着しすぎないように気をつけて下さいね。
2月中旬ごろから胃の具合が悪くなり始めました。
まず、腹診をすると少し気持ち悪い感覚がありました。話を聞いていくと、胃の鈍痛、食欲減退、軽い食事は大丈夫ですが、食べ過ぎると痛みが増強。嘔吐は無し。お通じは下し気味、四肢の冷え、体の倦怠感や頭がすっきりしない、喜温などの症状がみられました。胃薬を服用すると気持ち悪くなったので、現在は服用せず。
そこで何か出来ないかと治療することになりました。
あお向け・うつ伏せとツボを配穴し治療を行い、1回の治療を終了しました。
治療後、胃が少しスッとして楽になったと言われ、その日は帰られました。後日、来院された際にお話を聞くと、治療した日の夜は少しの鈍痛と食欲は出なかったようですが、次の日から軽快したとのことでした。
僕は、この患者さんが起こす胃痛は脾胃の弱りからのものではないかと考えました。
胃痛をいくつか紹介すると、
・寒邪による胃痛
生ものや冷たい物の過食、風邪などで起こるタイプです。
冷たい物を飲んだり、お腹を冷やすと痛みは増悪するが、お腹を温めると痛みが軽減、お腹を押えると圧痛が顕著にみられます。
・食積による胃痛
食べた物がちゃんと消化されず停滞したタイプです。
お腹の張った痛み、物が腐ったようなゲップ、胸焼け、また食べ物や食べ物の臭いを嫌います。嘔吐すると症状の軽快がみられます。
・肝気犯胃による胃痛
ストレスなどによる情志の失調で起こるタイプ。
お腹の張った痛み、両脇腹の疼痛、食欲不振、溜め息が多い、怒ると痛みが増悪、ゲップなどで症状の軽快がみられます。
・脾胃虚寒による胃痛
脾胃のパワー不足と温める力が落ちて起こるタイプです。
お腹の鈍痛、喜温喜按、空腹時に痛みは強く食後に軽減、食欲不振、寒がり、四肢の冷えなどの症状がみられます。
上記の様に簡単に紹介しましたが、この症状があるからこの胃痛とか、この症状がないからこの胃痛ではないとは一概には言えませんし、他にも胃痛の原因やタイプはあります。
上記以外の症状や他の胃痛の症状が混ざっている事もあります。
鍼灸治療は副作用もないので、今回の患者さんのように薬を飲むと少し調子が悪くなる方なども安心して治療する事ができます。
今回は胃痛についてご紹介しましたが、他にも色々な悩みを持った患者さんも居られると思いますので、是非ご相談ください。
玄武堂 豊中治療院 院長 西本将章