ドライブイン清望 せいぼう





私たちの建物は背後を

切り取ったような断崖に立っていました

風当たりも強いところでした

この頃から自動車時代へ突入

売上は一日7000円もあれば1充分

やっている

ところ12,000円から13000円の売り上げ

そのかわり朝6時に店を開けてから

深夜2時まで働きづめの毎日

「 うまかったよ  また来るよ」

この言葉が嬉しくて

働き続けました

忙しくなってくるとウェイトレスからレジ

皿洗い 一人何役も

赤ん坊の元司を背中にくくりつけて

お客様の対応

主人は病気からかいつもイライラしており

私にぶつかってくる毎日

こんなこともあり

私の心の中は

「 今日こそお客様が入りませんようにと」

毎朝 布団の中で涙を流しました

子供生まれてから1度 

主人から 

青アザができるほどひどく

殴られたことがありました

それでも私は夫婦と言うものは

離婚する事は無いと決めておりましたから

実家の父と母は
「孫の顔が見たい」と言うことを口実に

よく店に顔を出してくれました

青アザを見て 

すぐ病院に行けと言ってくれました

お医者さんからは

警察沙汰になる怪我ではないですか?

どうしましたかと

聞かれましたが


何も答えませんでした

私はどんなことがあっても  

この人を男にしない限り

私の役目を果たせないといつも


思っていました

つづく