私は読書家でもなく本も増やしたくなく図書館で借りたので期間までに返さなきゃと読みました。

主人公の川添紫郎（浩史）さん。戦前から日本の映画、文化、芸術の紹介やフランス映画を日本に持ってきたり、〝アズマカブキ〟の興行を成功させたり。戦後、高松宮さまの秘書として尽力されたり。どんな仕事と一言では言えない色々な活動をされたようです。レストラン〝キャンティ〟の創業者でもあります。

戦前不運なことから日本を追い出されるようにフランスに渡ります。後藤象二郎の孫と言うことでフランスにも親戚筋の知り合いが多く有名な方々の名前が出てきます。坂本龍馬の甥。建築家坂倉、ジャン・コクトー、ロバート・キャパ、岡本太郎との出会いや著名人と交流が多く描かれてます。

起こる出来事の展開が早いし返却の期限もあり急いで読んだので、もっとじっくり読んだら感情移入できたのでしょう。政治的な事、心を寄せた魅力的で先進的な女性そしてロバート・キャパの死など出てきますが、困難な事や苦悩はあまり描かれてなく華麗な人脈を築き軽やかに活躍したという印象です。私とは別世界の話でした。

パリのカフェで〝ファシスト野郎〟（だったかな？）東洋人という事もあって川添さんが因縁をつけられてパリの街を逃げ回る場面で、手に汗握るところなのにそんなに緊迫感はなく映画のシーン又は脚本を見ているように感じました。

逃げた経路は、モンパルナス→ラスパイユ通り→ヴァヴァン通り→リュクサンブール公園→ボナパルト通り→サン＝シュルピス教会→サン＝ジェルマン＝デプレ教会→ポン・ヌフ（橋）、サン・ミシェル橋から4人男現る→ポン・ヌフ広場に立つアンリ4世の騎馬像だったかな。

私はパリに一回行っただけなのでどの辺りなのか分からず、パリの地図を見て場所を探してみました。セーヌ川の南岸みたいです。

10年くらい前パリに行った時、友達の友達のフランス人の方が「また来るでしょ！」ってプレゼントしてくれた地図を引っ張り出しました。パリ、もう行くこともないかも。

でももし行くことがあったら川添さんのような先見の明を持った日本人が暮らして活躍したことを思いながら街歩きできるといいなぁ。

日本の人にも海外の人にもこんな日本人がいたんだと知ってほしいなと。

やっつけ読書なのでこんな感想で情けないけど通常運転です。

そういえば肝心のモンパルナスはどこかな。

やっつけ仕事で読んだ「モンパルナス1934」