GHOST NOTE

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アイドル現場とか、ゲーム関連等。

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まなみのりさは、『まみりサンダー』が出た頃、アイドル好きの先輩にすすめられて聴いて、「こりゃ凄い!」と思って、実際に生でパフォーマンスを見たのは、その後のサンリオピューロランドでの対バンイベントの時だった。
その時は、初見という事もあり、まだ「回る勢」ではなかったが、パフォーマンスにすごく惹かれ、その後も気になり、『BLISTER』とか、当時買えたシングルを買い、DJをやっていた友人とかにも、「これすごくいいよ!」と、すすめまくっていた。

代官山LOOPでのワンマンは、その時、名古屋でやっていた他の現場から新幹線で回して行ったのだが、オリジナルのダンスだけで魅せるパートがあったり、初めて聴く曲がどれも良かった。
特にバラード系の曲での3人のハーモニーが素晴らしく、とにかくパフォーマンスの良さが突出していた。

その一方で、(これは批判ではないのだが)正直真ん中の方には入っていけないな、という印象も強く感じた。
MCでも「とにかく怪我だけはしないように」と会場が盛り上がり過ぎる事を危惧する空気が感じられたし、実際、会場も真ん中とそれ以外という風に、分断されているように感じた。

これは飽くまで僕個人の考えだが、数百人クラスのアイドルのLiveでは、もちろんアイドルそのものの魅力がメインではあるが、界隈の空気というのも、一見のお客がハマるかどうかに大きく影響してくると思っている。
もっと言えば、界隈を形成するヲタたちをどういう方向に導くかも含めてが、アイドルだったり、運営の技量だったりもするのだろうと思う。

自分が身を置いている界隈が、とにかく現場の空気が良かった事と、内から外を巻き込み界隈を大きくしていく、その流れに自らの身を投じていきたいと思わせられる魅力を、そのアイドルと界隈が一緒になって放っていたので、その日のまみりのLiveでの感想は、「まみり界隈がこんな風であるのなら、自分は外からで良いかなぁ」だった。
メンバーが素晴らしいパフォーマンスをしていて、なおそうだった。
ただ、この頃からもメンバーは接触の時とかに話すと「壁際で見てたね」とか、会場のファンを隅々まで良く見えていて、会場をどう一体にするかを思案しているようだった。

その後、池袋の新星堂とかでは、端の方で「回る勢」になったが、それでも界隈の中に入っていこう、という感じにまではならなかった。

空気がちょっと変わったかな?と感じたのは、2014年の横浜アリーナでの@JAM。
キウイステージもオレンジステージも、どちらも結構な人が集まっていて、中心にいるヲタの方々は決して多くはないのだが、ポラリス系や花魁サンダーで上手く周りを巻き込み、会場に大きなうねりを作っていて、MCで「爪跡を残す!」と宣言していたメンバーを見事に援護していた。
そういった界隈の空気もあって、メインのストロベリーステージでは、ドロシーが圧巻のパフォーマンスを見せていたものの、それ以外の小さいステージでは、この日のベストアクトは、まみりであったとすら思えた。


完全に気持ちを掴まれたのは、2014年の年末にあった「アイドルお宝くじカヴァーSP」の収録で、この日の僕は、別のアイドルの応援で駆けつけていたのだが、まみりの活躍とヲタの周囲を巻き込む力とで、とてもエモーショナルな現場が形成されて、納得の優勝だと思った。
この時に、僕がかつてのまみり現場に抱いていた印象(中心にいる人たちが中心にいる人たちだけで楽しむ)は完全に払拭された。
どこのヲタも周りを巻き込む事は強く意識していたと思う。
ただ、まみり界隈のその意識は、他より一段深い所までいっていた、とこの時感じた。

周りを巻き込むというのには、色々な力が作用する。
メンバー本人の、多くの人に支持されるパフォーマンスは、その中心軸ではあるけれど、実はそれだけでは全然足りない。
その前後のMCで、見る人の気持ちをあたため「応援しようかな?」というモードまで引き上げるのも大切だし、演じた後も、もっと見たいと思わせる舞台から去る瞬間までが勝負だ。
界隈のヲタが他のアイドルに無関心ではなく、一緒に盛り上がれる空気を醸造する事も大切で、自分らだけが楽しければいい系のヲタで形成されているアイドルには不向きな番組でもある。
実際、この日のまみりの優勝は、他のアイドルのヲタたちの「まみりにも協力したい!」との想いに支えられてのものだと思う。
なにより、自分がまさにそうだったから。


収録が終わったあと、もっとまみり現場にも行かなきゃとの気持ちが強くなり、ワンマンのチケットを多めに買っておいて、まみり界隈の外の強ヲタにもまみりに触れて貰いたいと、それまで自分がしていた以上に、声をかけるようになった。


2015年の六本木morphでのワンマンは、今のまなみのりさの総決算であると同時に、これからはこういう方向で上を目指して行く!という指針を示すようなLiveだったと思う。

盛り上がる、それもステージと客が一体となって盛り上がっている手応えを感じられる。
家に帰ってからも、タイムシフトのニコ生を何回も再生したが、そこでもこの一体感。
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バラードを歌い上げる良さも堪能でき、映像にも力が入っている。
自分にとっての理想的なワンマンLiveがそこにあった。

規模こそ、前回の代官山LOOPでのワンマンよりも小さくなってしまったが、終えた後のメンバーの出し切った感と、終電まで終わらない勢いで続いた特典会の握手列に並ぶファンたちのホクホクした笑顔と、次のワンマンの前売り購入率の高さに、このLiveの満足度の高さが伺えた。

そして、次の渋谷duo MUSIC EXCHANGEという目標設定の高さ。
半年程で約4倍の動員を目指さないといけない。
これは、幾つかある選択肢の中から、メンバー自身が選んだ目標であるとMCで伝えられた。
現状を考えると、なかなか高いハードルだと思うが、リスクを承知でそれ位目指さないといけない!という気概が伝わってくるし、だからこそ、ヲタもそれを叶えてあげたいという気持ちが強くなる。
何より、まなみのりさは、もっともっともっと大きなステージで、たくさんのファンに力を与えるアイドルになれると僕は思っている。


一昨年から去年にかけて、まなみのりさ界隈で何が起こっていたのかを、僕は詳しくは知らない。
広島から東京へ活動拠点を移し、平日夜の地下現場等でもパフォーマンスするようになったが、一時期集客はとても苦戦していたと聞く。

僕は東京に住む神奈川出身の、まみり界隈では新参だから、地元広島でこれまで支えていたファンの人たちの気持ちは、正直良くは分からない。
ただ、東京で見るまなみのりさは、いつも広島を背負っているし、広島のご当地アイドルとしてのアイデンティティが失われているとはとても思えない。
5月には初めて広島へ遠征したいと思っているファンも、僕だけではなく、たくさん獲得出来ていると思う。

その彼女らが、東京に来てから新たに手にしたスタイルが、着座によるアコースティックLiveだ。
僕は、3回目(?)となる、2/14の7th floorで初めて体験した。

ファンが沸く、盛り上がりの強い鉄板曲が多いまなみのりさだが、元々僕は、彼女らのハーモニーが良く味わえるバラードが特に好きだった事もあり、このLiveにはものすごく期待していた。
相当ハードルを上げて、メチャクチャ期待していたが、そのさらに上を行かれた。

盛り上がり曲の定番「花魁サンダー」のアコースティックVer.から始まるという離れ技。


アコースティックだが、凄い迫力がある。
聴きいる為に耳をそばだてていたら、もっとこっちを見ろ!とアタマを掴まれたような感じ。

そこからの一連の流れで聴くバラードの名曲「きっとここで逢える」を聴いた時には完全に惹き込まれていた。

かけがえのないLive体験というのは、それ自体が宝物のようなもので、探していてもいつ出会えるかはわからない貴重なものだ。

Liveの長さでも、たくさん入ったという動員でもなく、自分の勘を頼りに、予感を感じる場所に身を置いていたら、たまたま与えられた祝福のようなものだと思っている。

僕の、それ程多くないLive経験でも、トップレベルに入る体験をこの日味わってしまった。

特に「伝わる」という事に関しては、今まで見てきたものの中で一番ではなかったか、と思う。

一曲入魂というレベルを超えた、一節一節にまで、心が込められた表現。

曲を貰う前に歌詞だけからイメージを膨らませ、この世界を伝えたい!という強い思いが先立ってまずあって、MCで「帰ったら、歌詞カードを見ながらもう一度思い出して聴いて欲しい」という位の楽曲に対しての熱烈なる想い。
毎回上向いていながらも、まだまだ動員的に沢山の人に伝え切れていないという想い。
勝手な想像だが、抑圧も含めた、こんなに歌えても、まだまだ伝え足りないんだよ!という熱い気持ちが、歌声から、視線から、ダイレクトに伝わってくる。
この上なくエモい。

確かに、まなみのりさは、現在国内で活躍しているアイドルの中では、歌唱&ダンスのスキル面で傑出している。
傑出しているが、ただそれだけではない。
アクターズスクール広島仕込みの高い技術を蓄積して、それを自らの引き出しとした上で、自分らの頭で考えて最適なハーモニーを作り、増えたと言っても60人程度の少数のファンに向けてのLiveに、充分過ぎる程のリハーサルを重ねに重ね、完全に自らのものに出来た上で舞台に立つ。
舞台に立ったら、それらの長期・短期での蓄積が、本人がLive中にあまり意識を向けずとも最良のアウトプットが出来るようにしてくれ、そうして生まれた心の余裕が、観客との歌でのコミュニケーションという、更なる領域に意識を向けられるようにしてくれる。

幾つものステップを人知れずこれまでに踏んできたからこそ、出来る表現力だと思った。

まなみのりさは、アコースティックLiveという表現形態を、ようやく手に出来た東京での成果だと語っているが、これは本当に自信を持って良いと思う。
盛り上がる曲だけでなく、聴かせる形でここまでの事が出来るという表現の幅が、これから間違いなく武器になってくる。

自分がもし人にオススメを求められたとしたら、今一番オススメしたいのは、まなみのりさのアコースティックLiveだ。
他では味わえない、心の奥底まで響いてくるような表現を間近で体験する事が出来る。
これは僕の審美眼の全てをかけても、絶対の自信を持ってオススメする事が出来る。

名うてのベテラン奏者たちが彼女らを支えているというのも大きい。
熟練の奏者しか出せない、枯れた味わいのようなものがあって、これがまたまなみのりさのどこか郷愁を感じるメロディーに良く合っている。

今日は、そんなアコースティックLiveの4回目。

時間:1部 13:30~ / 2部 18:00~
会場:赤坂グラフィティ
チケ:4,000円(D別)

1部、2部共に当日券はまだあるとの事。


本日の予定が空いている人は、是非!