『検討します』

これは、あなたがお客様であるなら使わない事をお勧めします。ある意味では挑発的ですし、感じの悪い客の印象を与えてしまうと、受けられるかもしれなかった特別なサービスもフイにしてしまいます。その店に二度と行かないと決めたのならいいですが。

 

あなたが営業社員であるなら言われないように気を付けましょう。少なくとも今後に期待できる反応ではないことは確かです。

 

営業職ではなくとも、『検討します』が、ていの良い断り文句であることは大抵の方が容易に想像出来るでしょう。

 

不動産営業職十数年の経験の私の場合ではありますが、『検討します』と言われてしまった後の成約率は10%以下、いや、もっと低いかも知れません。本当に検討するために、そう言い、後日良い返事を下さる方も中にはいらっしゃいますが、かなり稀です。

 

『検討します』と発するお客様の心の中は、「他のお店も回ってみたい」とか「まだ探し始めたばかりだから」とかです。他には、「美容室や歯科など、別の予定があるから」とか「考えていた時間を超過しそうだから」なども考えられるでしょう。あるいは「探していたサービスが無かった」もあるでしょう。

 

最悪なのは接客の質が悪かったために「もうあなたには頼まない」とか「もうこの店には来ない」という思いから『検討します』が発せられた場合で、これは挽回の余地は殆どありません。

 

では、お客様の立場側の方は、その日に決めなくても、本当に具体的に検討したい場合は何と言えば良いでしょうか。これは、本当の理由を率直に伝えてしまうことです。例えば不動産なら「実は他の不動産会社に来店予約していまして…」とか「家具がそのアパートに実際に入りそうかどうか寸法を確認したいので…」などです。こうすれば後日に別の提案があったり、新たな情報が入れば教えてくれる可能性が高まります。

 

接客中、及び接客後は、上司に途中経過と結果報告をしなければなりませんでしたが、『お客様は「検討します」とおっしゃってます』なんて報告しようものなら、就業時のミーティングで相当に詰められる事になります。具体的には「何を 、どの様に、検討するの?」「検討した結果、良い返事はもらえるの?」「その返事は、いつ何時頃もらえるの?」

という風に…。

 

その様な状況にならないために、営業職の立場側で考えるなら、『検討します』と言われない、場の雰囲気や話の流れの主導権を握る事です。

 

具体的に考えましょう。(主に不動産業界の場合)

検討しますと言われないためには、この場で検討してもらえば良いのです。自宅に帰って考えてもらっても結論が出るとは限りませんし、検討するための材料を提供するのが営業職の役目です。

 

よく挙がる、検討される理由。

①お客様がカップルの場合、「二人でよく話し合いたいので…」。

これの防止策は、二人きりで話す時間を来店中に何分か作る。営業社員がお客様に張り付いていないで、あえて席を外してしばらく遠くから様子を見守ります。 小さな声でヒソヒソ話するカップルの様子が落ち着いたら席に戻ります。この作戦で私は上手く行ってます。

 

②お客様が若いカップルの場合、「両親に相談したいので…。」

これの防止策は、その場で双方の両親に電話してもらう。場合によっては営業社員が電話を代わって、その両親に説明して差し上げます。

 

③「他の不動産会社の物件も検討したいので…」

これの防止策は、その不動産がどの様なものか聞き出したり資料を見せてもらい、その場でお客様と一緒に考える。意外にもその物件が要望に全く合致していない事も多々あり、結論が出てしまう事もあります。

 

④「一晩考えたい…」「一日考えたい…」

これは営業社員の説明が足りていない事が原因の場合が多いです。今ひとつ決定打に欠けている訳なので、説明を加えたり、物件に関するエピソードなどをお話したりするなどして、付加価値を高めます。第三者視点で説明すると良いでしょう。

 

上記これらは一例で、他にも「実際に物件の周辺環境を確かめるために、自分の車で走ってみたい」や、「自治会の当番がどうなっているのか確認して欲しい」、「(今日は晴れだから)雨の日の様子も見てみたい」など多岐にわたります。 

 

大事なことは、お客様が懸念されている一つ一つの問題を解決してあげることに尽きます。