久しぶりに、帰ってきてみたのだ。
お彼岸も過ぎたというのに、あいかわらずの、風の寒さなのだ。
五年前を思い出すのだ。
・・・
エピローグ
「ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは」
ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました。
「そうさ、おれだよ、兵十」
ぱちりと目を開いたごんが、にやりとわらっていいました。
「おれは、不死身のごんぎつね、なのさ」
兵十は火縄銃をばたりと、とり落しました。青い煙が、まだ筒口から細く出ていました。
ポトンと音がして、ごんのからだから、銃のたまがぬけ落ちました。
ごんは、ひょいと起きあがると、戸口へ向かいました。
東の空には、まんまるな銀色のお月さまが、大きくかがやいていました。
「じゃあな、兵十。どこかでまた、お目にかかろう」
ごんのすがたは、かきけすように見えなくなり、あとには楽しそうな狐のわらい声が、いつまでもいつまでも、こだましていました。
・・・
iPad Pro のキーボードは、そこそこ大きくて良いのだけれど、ホームポジションが維持できないので、とても打ちにくいのだ。
最初に『ごん狐』を読んだのがいつだったか、さすがに覚えていませんが、当時、悲しみよりも腹立たしさをまず感じたことは、鮮明に覚えています。
「なんじゃ、こりゃあ!」てなもんです。
野田大元帥が、アンデルセン童話に対して抱いていた感情を知ったのは、ずいぶん後になってからです。
「こんなに酷い世の中なのに、もっと酷い話を読んで泣くなんて、あんまり酷すぎやしませんか」
いつか一矢報いてやりたいものだ、と考えていたワタシに、たまたま今日、まとまった考えが降りてきたので、とりあえず書いてみました。
新美南吉先生、平井和正先生、ごめんなさい。
(あんまり誠意がこもっていない)